冷凍怪獣 ペギラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 23:35 UTC 版)
「ウルトラQの登場怪獣」の記事における「冷凍怪獣 ペギラ」の解説
第5話「ペギラが来た!」、第14話「東京氷河期」に登場。 南極の大氷原に棲息する怪獣。「ペギラ」という名は越冬隊員が命名した。大国同士の核実験の放射能の影響でペンギンが突然変異したと言われており、同様の1対の翼(フリッパー)と直立した形態を有する。アザラシに似た顔を持ち、半分閉じたような目と2本の牙、頭から生えた小さな角が特徴。黒煙を噴き出しながら上昇・飛行し、武器として中心部がマイナス130度に達する冷凍光線を放射するが、その際には反重力現象が周囲に起こり、あらゆる物体が巻き上がる。非常脱出の際の飛行速度は、マッハ80以上にもなる。 第5話では、本編の3年前に南極基地の観測所を氷結させ、野村隊員を凍死させている。南極大陸に生育する苔の成分から抽出した物質・ペギミンHが弱点であることがわかり、それを搭載した気象観測ロケットで迎撃されると、黒煙を吹きながらどこかへ飛び去る。 第14話では東京に襲来。南極が原子力発電所の爆発事故で温暖化して生存に適さない気温となったため、北極へ向かう途中に東京で休憩したと万城目に推測された。周囲を極低温に氷結させて自衛隊も返り討ちにし、東京を蹂躙する。元零戦のパイロットであった浮浪者・沢村照男の操縦するセスナ機の特攻で、爆薬を混合したペギミンHを浴びて逃げ去った。鳴き声は第5話から変更されている。 スーツアクター:清野幸弘 特殊美術・成田亨と怪獣造形・高山良策のコンビが手がけた初のウルトラ怪獣。井上泰幸による初稿デザインに成田が手を加え、修正稿では成田のこだわりで翼全体が鳥のような羽根に覆われていたが、造型上は妥協して初稿と同様、ラテックスによる1枚羽根の形となった。初稿にも修正稿にも描かれていない頭の角と牙は、着ぐるみの造型時に高山によって取り付けられたものである。身体のイボは高山が造形した時点では存在しておらず、現場でつけられたとされる。1990年代に他のウルトラ怪獣とともにイベント展示用ロボットとして製作された際には、デザイン画に存在した羽(フリッパー)の羽毛のモールドが初めて表現された。 劇中では確認しづらいが、着ぐるみには産毛が生えている。この毛羽はラテックスに苆を混ぜたものを使用している。体は不織布によって造られた。口の開閉ギミックは紐による手動操作によるもの。 着ぐるみは本作品での使用後、高山によって『ウルトラマン』に登場するチャンドラーへ改造された。チャンドラーのスーツアクターも同じく清野が務めている。 ペギラとチャンドラーの相似について公式設定は存在しないため、さまざまな解釈が非公式に記述されている。大伴昌司による『ウルトラ怪獣入門』(小学館、1971年)132頁では「他人の空似」と解説されている。 学年誌などではペギラとチャンドラーは兄弟怪獣と設定され、ペギラが兄、チャンドラーが弟とされている。 このうち兄弟説と亜種説は『週刊ウルトラマンオフィシャルデータファイル』の項目にも記載されている[要ページ番号]。 ペギミンHは、第2話のヘリプロン結晶Gや第8話のラゼリー・B・ワンと異なり「怪獣を倒すいい薬」であることから、スポンサー判断による変更はなかった。 黒煙を出して飛ぶ描写は監督の野長瀬三摩地の提案によるもの。 冷凍光線はガスで表現された。 東京破壊のシーンはロケではなく、全てセットでの撮影となった。 『総天然色ウルトラQ』では、放送当時の雑誌『ぼくら』に掲載されたカラー写真が参考にされた。
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