像の概要とは? わかりやすく解説

像の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 02:00 UTC 版)

法隆寺金堂釈迦三尊像」の記事における「像の概要」の解説

国宝指定名称は「銅造釈迦如来及両脇侍像」(どうぞう しゃかにょらい および りょうきょうじぞう)。金堂中の間本尊であり、内陣中央部木造二重の箱形台座(その形状から宣字形台座称するの上に、中尊釈迦如来坐像両脇菩薩立像安置される三尊全体背後大型蓮弁光背(挙身光)があり、これとは別に両脇侍はそれぞれ宝珠形の光背頭光)を負う。鍍金像高中尊が87.5センチ、左脇侍向かって右)が92.3センチ、右脇侍向かって左)が93.9センチ(以下、混乱避けるため、左脇侍を「東脇侍」、右脇侍を「西脇侍」と呼称する)。台座総高205.2センチ光背高さは177センチで、台座最下部から光背最上部までの高さは382.2センチである。 中尊施無畏与願印右手は胸の辺に上げて掌を正面に向け、左手は掌を上に向けて腰のあたりに構える)を結んで坐す如来像で、服制僧祇支下衣の上大衣通肩着し胸前僧祇支の線が斜めに見えている。腹前に見えるのは僧祇支の紐の結び目である(これを下半身にまとう裳の結び目であるとする説もある)。面相面長で、杏仁形きょうにんけい=アーモンド形)の眼、軽く笑み浮かべるように見える唇(アルカイック・スマイル古拙微笑称される)、長い耳朶に孔を開けない点、三道頸部のくびれ線)を表さない円筒状の頸部長く伸ばした爪などに図像上の特色がある。台座前面には大衣と裳の裾を長く垂らしている(裳懸座)。台座垂らした裳裾は、垂直に垂れ下がるではなく左右に勢いよく反り返っている。三尊裳懸座光背含んだ全体二等辺三角形に収まるような構成になっている両脇侍像は蓮華座上に直立し上半身僧祇支下半身に裳をまとう。両脇侍像の名称は寺伝では「薬王菩薩薬上菩薩」とされ、鎌倉時代の『聖徳太子伝私記』にもこの尊名みられる。しかし、釈迦如来脇侍の名称を「薬王菩薩薬上菩薩」とすることは、日本古代にも中国南北朝時代にも例がなく、後世付された名称とみなされている。後世三尊像では、左脇侍と右脇侍両手構えなどを対称形に表すのが普通だが、本三尊像の両脇侍は左右ともほぼ同形である(以下の脇侍に関する説明は、特に断らない限り東西脇侍像に共通)。両脇侍像は三山冠いただき右手を胸、左手を腹のあたりに構える。右手第三・四指を曲げ第三指と掌の間に玉を保持する左手第一指と第三指で玉を持つ。三山冠正面中央には忍冬文表し最上部には三日月形の上宝珠載せたイラン風の意匠を表す。頭部両脇に冠の垂飾を垂らす両肩には垂髪左右対称図式的に表す(「蕨手状の垂髪」)。天衣下半身正面でX字状に交差した後、両腕掛かり左右体側流れている(「状の天衣」)。胸部には中央部尖った形の胸飾り付ける。胸前見え僧祇支の縁、その下の腹帯、裳の折返し部などに忍冬文表し腹帯と裳に挟まれ部分菱形区画し中に山岳樹木文を表す。両脇侍像は正面から見ると丸彫像のように見えるが、背面空洞で、背面造形を全く省略している。各脇侍像の台座は、銅製蓮茎の上蓮弁蓮肉載せたもので、蓮弁それぞれ6弁を打ちだした銅板3枚重ねたのである東脇侍と西脇侍は一見するとまったく同じに見えるが、子細に見ると西脇侍の方が彫り深く、体の奥行も厚い。このため西脇侍と東脇侍とには制作年代違いがあるのではないかとする説もある。西脇侍では冠帯耳朶密着しているのに対し東脇侍では両者の間にはわずかに隙間がある。鋳造技術上は、隙間空けて鋳造する方がむずかしく、この点も両像の制作年代に差を認める説の根拠になっている両腕から体側垂れ天衣は、東脇侍・西脇侍ともに中尊に近い側が長く反対側が短くなっている。中尊裳懸座陰に隠れてしまう天衣をわざわざ長く作るのは不自然であることから、東西脇侍は場所が入れ替わっているのではないかと言われてきた。『昭和資財帳』の調査時の所見では、当初安置する際に、光背の枘穴と像の枘とがうまく合わなかったため、左右逆に安置した見られている。

※この「像の概要」の解説は、「法隆寺金堂釈迦三尊像」の解説の一部です。
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