京阪5型とは? わかりやすく解説

京阪5型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 01:09 UTC 版)

箕面有馬電気軌道34形電車」の記事における「京阪5型」の解説

石山坂本線大津市南北琵琶湖岸に沿って走る路線であるが、開通当初南北路線性格から車両規格まで大きく異なっていた。大津電車軌道路線として路面電車規格開通した三井寺駅以南区間は、大津中心である浜大津界隈や古い城下町膳所といった人口密集地を抱え大正以降石山進出した東洋レーヨン工場をはじめ繊維関係の工場立地するなど、都市化進行していた。一方琵琶湖鉄道汽船高速電車規格開通させた三井寺駅以北区間は、別所駅(現:大津市役所前駅周辺大津連隊駐屯し滋賀里駅周辺には水上戦闘機強風擁して京阪神地区防空当たった大津海軍航空隊施設があるなど、軍事施設つないでいたが、沿線古くから比叡山延暦寺日吉大社門前町として栄えた坂本周辺を除くと農村地域であり、坂本駅(現:坂本比叡山口駅)を発車した電車田園の中を一直線大津市内に向けて南下していた。 石山寺駅 - 坂本駅間の直通運転は、三井寺駅以北の各駅に低床ホーム設けて路面電車タイプ車両直通運転を行う形で1931年から実施された。ところが、直通運転充当され車両大津電車軌道引継老朽木造単車であったことから乗客数伸び対処できず、太平洋戦争末期には沿線工場多く軍需工場転換されてしまったことから、輸送力不足は看過できない課題となったこうしたことから1944年4月からは直通運転区間近江神宮前駅までに短縮し浜大津駅(現:びわ湖浜大津駅)に仮設高床ホーム急造して、ラッシュ時には高床車が浜大津まで乗り入れることとなった。それでも輸送力不足は解消されず、浜大津駅以南の各駅にも仮設高床ホーム建設進め一方1945年3月には営業休止となった愛宕山鉄道から同社1形3両を入線させた。そして、輸送力増強第二弾として、北野線減便余剰となった36が、車番を5に改番のうえ集電装置パンタグラフからトロリーポール換装して、同年5月石山坂本線入線することとなった。これで本形式は、南海軌道線阪急京阪関西大手私鉄三社使用されるという珍しい経歴を持つ車両となったが、京阪はこれ以前1917年1月深草車庫火災による車両不足時に南海軌道線から電1形46 - 49の4両を3ヶ月前後借用していることから、南海京阪は全く縁がなかった訳ではない大津線への転属に際しては、1945年5月完成した北野線大阪市電との連絡線から大阪市電入線市電車両牽引され野田にあった京阪本線との平面交差京阪本線入線三条駅から京津線入線して浜大津駅構内連絡線渡って石山坂本線入線錦織車庫入庫し整備のうえ石山坂本線での運行開始した。本形式先に入線した1形活用して同年6月から高床車の乗り入れ区間粟津駅まで延長され戦後1947年には石山寺駅まで延伸されて、全線高床車が運行されることとなった。それとともに老朽単車廃車進められたが、本形式は1両だけの存在であるにも関わらずボギー車であったことから同じ路面電車スタイル20型や30とともに低床運用充当された。それでも老朽化進行しており、1949年夏季輸送終了後廃車される予定であった。 ところが、同年8月7日未明発生した四宮車庫火災当時京津線主力であった5070型中心に22両が被災し低床ホーム区間使用可能な車両危機的なまでに不足する状況となったこのため急遽5型延命が決まると共に休車中の3435阪急1形1415とともに同年秋に応援入線して、本形式の続番である6・7となった塗色転入当初阪急マルーンであったが、1951年までに当時京阪標準であったクリームライトブルーツートンカラー変更されている。車番表記当初阪急大型ゴシック体似た表記であったが、後に当時京阪標準ローマン体書き替えられている。 大津線区の危急存亡の秋にその再建貢献した形式であったが、もともとが廃車対象車両延命して使用していたものであった上、その後京津線復旧過程石山坂本線車両全車高床化し路面電車スタイル車両全車京津線振り向ける方針決まった。そのため京津線急勾配に対応できない形式小型老朽化進んでいたことから、引き続いて阪急から入線した10型(阪急1形)6両や京阪本線から入線した200型置き換えられることとなった。本形式坂本駅低床ホーム高床工事完成した後は予備車となり、1953年8月全車廃車された。

※この「京阪5型」の解説は、「箕面有馬電気軌道34形電車」の解説の一部です。
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