中国「全民族抗戦爆発77周年」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:50 UTC 版)
「南京事件論争史」の記事における「中国「全民族抗戦爆発77周年」」の解説
中国は2014年を「全民族抗戦爆発77周年」として日本の戦争責任を追及する動きを活発化させた。1月8日人民網は、新発見の文書によれば。南京大虐殺前後の2カ月半で南京の人口は113万人から34万5000人へと78万5000人減少したと報道した。 習近平党総書記は3月28日にドイツで「30万人以上の罪もない中国人が日本軍に虐殺された」と強調する演説をおこなった。7月7日は七七事変(盧溝橋事件)の起きた日で、この日、盧溝橋で「全民族抗戦爆発77周年式典」が開催された。式典では「中国人民抗日戦争全面爆発記念地」と彫られた全長4m、幅3.2mの「独立自由彫像」が披露され、演説では以下のように述べた。 偉大なる中国人民の抗日戦争は、中華民族を過去にないほど覚醒させ、団結させた。(略)民族滅亡の危機を救い、民族独立と人民解放を実現し、世界平和の偉大な事業を奪取し、世界史に多大なる貢献をした。(略)いまだに少数の人間は、歴史の事実を無視し、戦争中に犠牲となった数千万人の無辜の生命を無視し、歴史の潮流に逆行し、侵略の歴史を否定するどころか美化し、国際的信頼を破壊し、地域の緊張を作り出し、中国人民だけでなく世界中の平和を愛好する人民たちの激しい譴責を受けている。侵略の歴史を否定し、歪曲し、美化するいかなる者に対しても、中国人民と各国人民は絶対に相手にしないのだ! — 習近平共産党総書記、全民族抗戦爆発77周年式典演説、2014年7月7日 また、中国国内では、南京虐殺を描いた『血火記憶』が中国の小中高校の副読本に指定され、さらに共産党中央はマンガ『南京1937』を世界で販売することを指示した。このマンガは2011年11月にフランスとベルギーで刊行されていたもので、南京戦で南京が陥落する直前の1937年12月13日午前9時頃 に家族11人が虐殺された夏淑琴や、ジョン・ラーベ日記に記録された夏淑琴一家虐殺事件のような残虐行為が国際安全区でも繰り広げられたと描写されている。 11月17日から江蘇ラジオは『生存者の証言』で、日本軍人が南京の女性を強姦して妊娠させたあとにその腹を割いて胎児を殺したという生存者の証言を放送した。 中国政府は12月13日を「南京大虐殺公祭日」と指定すると発表し、習近平総書記は翌12月14日の南京大虐殺犠牲者国家追悼式で南京事件について、「日本軍が一手に作り出したこの非人間的な大虐殺事件は、第二次世界大戦の『3大事件』の一つで、おどろくべき反人類の犯罪行為で、人類の歴史における非常に暗い一ページである」とし、ドイツのジョン・ラーベ、デンマークのベルンハルト・シンドバーグ、米国のジョン・マギーが人道精神から記録したことに感謝の意を述べた。また、日本の戦犯は東京裁判と南京裁判によって永遠に歴史のさらし台にさらされたとし、「南京大虐殺事件には動かぬ証拠が山ほどあり、改ざんすることは許されない。いかなる者が南京大虐殺という事実を否定しようとしても、歴史はそれを許さず、罪のない30万の犠牲者はそれを許さず、13億中国人民はそれを許さず、世界の平和と正義を愛するすべての人民はそれを許さない」と述べた。 BBCは南京虐殺は中国にとって非常に敏感な問題で、中国政府は日本が正式に謝罪していないと述べていると報じた。
※この「中国「全民族抗戦爆発77周年」」の解説は、「南京事件論争史」の解説の一部です。
「中国「全民族抗戦爆発77周年」」を含む「南京事件論争史」の記事については、「南京事件論争史」の概要を参照ください。
- 中国「全民族抗戦爆発77周年」のページへのリンク