1937年12月とは? わかりやすく解説

1937年12月

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 09:33 UTC 版)

トラウトマン和平工作」の記事における「1937年12月」の解説

12月2日蔣介石第1条件を交渉基礎として受け入れることをトラウトマン伝達した。しかしこの段階でも蔣介石対日不信根強く日本に対してはあえて信用できない日本条約を平気で違約し、話もあてにならない」と不信露わにしつつ、「華北行政主権は、どこまでも維持されねばならぬ。この範囲においてならば、これら条件談判基礎とすることができる。」ただし「日本戦勝国態度を以て臨み、この条件最後通牒としてはならない」などとした。しかしながら中国側返答保留している間に、日本上海攻略し次いで南京攻略した12月13日に、日本軍南京陥落日本国内では「強硬論」が強まった。 翌14日大本営政府連絡会議席上蒋介石からあった和平条件照会について議論和平条件再検討が行われた。米内海相古賀軍令部次長だけが原案支持者で、それ以外杉山陸相、賀屋蔵相末次内相条件引き上げた。特に末次は最も強硬だった。 日本政府は、原案新条件を加えた厳しい条件にした。原案新たに加えられ条件は、華北内蒙古華中において非武装地帯拡大すること、内蒙古自治政府および華北特殊政治機構承認すること、保証駐兵賠償などである。特に、賠償直接賠償だけでなく戦費賠償含まれていた。12月21日閣議日本政府新条件を決定した東亜局長石射猪太郎発言権のない立場にもかかわらず、思わず「かくのごとく条件加重されるのでは、中国側は到底和平に応じないであろう」と発言した無視された。絶望した石射は、当日日記に「こうなれば案文などどうでもよし。日本は行く処まで行って行き詰らねば駄目と見切りをつける」と記している。 支那容共抗日政策放棄し日満両国防共政策協力する所要地域非武装地帯をもうけ特殊の機構設定する日満三国間に緊密な経済協定締結する支那帝国にたいして所要賠償をする。 以上の口頭説明として細目次のように付加した 支那満州国承認する支那排日反満政策放棄する北支内蒙古非武装地帯設定する北支支那主権の下において、日満三国共存共栄実現する適当な機構設定しこれに広汎権限与え日満経済合作の実をあげる。 内蒙古防共自治政府設定する支那防共政策確立し日満両国防共政策遂行協力する日本軍中支占拠地域非武装地帯設定して、特殊機構設ける。また上海市には租界外に特殊政権をもうけ日支協力して治安維持経済発展にあたる。 日満三国資源開発関税交易航空通信関し協定締結する支那帝国にたいし所要の賠償をする。 付記 北支内蒙古中支一定地域必要な期間、日本軍保障駐屯することを認める。 前諸項に関する日支間の協定成立後停戦する広田回答期限1月5日として、12月22日にこれをディルクセンに提出した満州国承認賠償等の条件加重した、この第2次和平案が国民政府伝わったのは12月26日のことである。蔣介石第2次和平案には態度硬化させ、交渉打ち切り視野入れながら詳細日本側に問い合わせたため、第一次近衛内閣遷延策であると判断して交渉打ち切ることを決定した加重の理由は、第二次上海事変中国軍による上海日本海軍対す奇襲攻撃をもって始まり上海戦における日本犠牲者日露戦争旅順攻撃における犠牲者匹敵(41千人)するものであったからと言われている。

※この「1937年12月」の解説は、「トラウトマン和平工作」の解説の一部です。
「1937年12月」を含む「トラウトマン和平工作」の記事については、「トラウトマン和平工作」の概要を参照ください。

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