世界恐慌と金本位制停止とは? わかりやすく解説

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世界恐慌と金本位制停止

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 07:21 UTC 版)

日本の貨幣史」の記事における「世界恐慌と金本位制停止」の解説

金輸出解禁世界恐慌 第一次世界大戦の影響受けて日本は金輸出禁止行い金本位制停止した大戦期のマネーサプライ平均増加率29パーセントで、大戦期間のインフレ率は年平均15.29パーセントとなった金本位制離脱により、国際収支決算を金で行えなくなったため、為替100円=49.85ドル法定レートから4344ドルまで下落続けた大戦後にはアメリカはじめとして各国金本位制再開してジェノヴァ会議では各国金本位制への再開求め決議なされる第一次大戦後不良貸付加えて関東大震災大きな損害与えた震災流通困難となった手形解決策として震災手形があったが、震災以前鈴木商店不良債権などが混ざっていた。これに銀行整理再建未整備重なり銀行取り付け騒ぎ頻発して昭和金融恐慌招いた銀行37行が休業全国銀行預金9パーセント支払い停止となり、高橋是清大蔵大臣恐慌収拾にあたって支払猶予措置行った大規模な取り付け騒ぎ紙幣不足したことから二百円紙幣発行されたが、緊急だったため片面だけの印刷であり、偽札間違えられ逮捕され所持人もいた。 日本でも金本位制再開のための金輸出解禁金解禁)について検討が進むが、昭和金融恐慌影響もあって決定が遅れ、業界団体新聞経済部商工会議所などから金輸出解禁要望出された。世界恐慌ののちに濱口雄幸内閣金輸出解禁方針発表するが、世界的な不況のなかで金輸出解禁が適切であるかについては、政策担当者の間でも激し論争があった。特に金本位制離脱前の100円=49.85ドル人為的に戻して解禁するか、下落後の4344ドルにするかで議論となった金輸出解禁実施により、100円43ドル44ドルだった為替レートは旧平価49ドル85セント戻された。 昭和恐慌リフレーション#昭和恐慌と高橋財政」も参照 金輸出解禁から4カ月で、2億円の正貨にあたる金が国外流出した解禁前と解禁後平価差額利用すれば利益が出るため、解禁直後から政府予想以上に金が流出した点が原因とされる金本位制のもとでは、金の流出国内流通する通貨減少につながる。このため日本銀行通貨発行高は、1930年昭和5年1月14億4300万円から同年9月には112400万円減少した以前から金輸出解禁備えてデフレーション政策とってい日本では国内市場縮小輸出産業不振がさらに深刻となる。こうして昭和恐慌起き、特に農産物においては暴落凶作重なって昭和農業恐慌とも呼ばれた加えて満州事変きっかけ日本国際的信用低下して資本逃避加速した同年9月イギリス金本位制停止すると、日本金本位制停止するとの予想から円為替レート低下への期待高まり国内投資家ドル買い行い海外投資家資本逃避行った政府日本銀行横浜正金銀行ドル売り介入をさせ、公定歩合引き上げて投機防ごうとするが失敗し、金輸出停止して再び管理通貨制度移行した1932年昭和7年)からは、犬養毅内閣のもとで高橋是清4度目大蔵大臣就任して再建策を進めた国債日銀引き受けによる通貨供給低金利といった政策採用された。為替レート低下輸出促進して早い段階景気回復向かった。しかし財政再建策を進めた高橋は、軍事費削減計画したために二・二六事件暗殺された。

※この「世界恐慌と金本位制停止」の解説は、「日本の貨幣史」の解説の一部です。
「世界恐慌と金本位制停止」を含む「日本の貨幣史」の記事については、「日本の貨幣史」の概要を参照ください。

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