上からの近代化改革とは? わかりやすく解説

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上からの近代化改革

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 16:42 UTC 版)

マフムト2世」の記事における「上からの近代化改革」の解説

軍事面では、6月16日にはイェニチェリ廃止布告とともにかねてから宣言していた「ムハンマド常勝軍」と名づけ新式軍隊設立したヨーロッパ兵制倣ってムハンマド常勝軍総司令官としてセラスケルの職が新設されオスマン帝国において初め陸軍一元的指揮系統統合された。軍隊拡大するために1834年広く国民から人材育成をするための陸軍士官学校設立された。 また、長らく形骸化していたもののなおも存続していたティマール制を正式に廃止し、ティマール制によって維持されていた在地騎兵スィパーヒー解体して陸軍騎兵隊統合したナヴァリノの海戦での敗北後更なる強力な軍艦建築専念した政治の面では、君主代理人として絶大な権力ふるってきた大宰相権限縮小はかろうとした。それまで大宰相絶大な権限行使しており国政実質的な最高責任者戦時中には自ら前線に赴き最高司令官としての役割果たしていたが、大宰相府分割され外務大臣内務大臣財務大臣司法大臣などの大臣職置いた。そして、これまで大宰相主催してきた帝国の最高意志決定機関である御前会議ディーワーヌ・ヒュマーユーン)は閣議改められオスマン帝国伝統的政治体制西洋式内閣制度に近づけられていったマフムト2世最晩年1838年には、大宰相官名総理大臣首相)に変更されている。反動勢力によって廃止されていた大使館制度復活させた。 首都ではモスクのメクデブで代行されていた初等教育義務化試みた。さらに中等教育のための西洋式中学校としてリセ開かれている。また、一般官吏養成任用をはかるマフムト2世学校設立された。 保守派牙城であった宗教勢力に対しては、イェニチェリの廃止前後してイスラム神秘主義ベクターシー教団閉鎖させたり、宗教関係者経済的基盤であるワクフ寄進財産)を政府管理下に入れたりすることで、宗教勢力の力を削いでいった。オスマン帝国宗務行政において、最高の地位にあったシェイヒュルイスラームも、これまでの超然とした地位改められ、「長老府」と呼ばれる宗務行政の最高官庁の長官とされ、閣議メンバー加えられるなど、政府機構の中に取り込まれていった1833年には、ギリシア独立戦争勃発によってこれまで帝国通訳官務めてきたギリシア人登用できなくなった穴を埋めるために翻訳局が設立されオスマン帝国若手官僚の中から、西洋言語通じ通訳官外交官として活躍できる人材育成されていったまた、従来徒弟制的な家内教育と宗教勢力による学校教育大勢占めていた教育分野近代化はかられ軍医学校音楽学校士官学校などの近代的教育機関創設された。彼らのうちの優秀なものたち西洋留学派遣され次世代を担うエリート改革官僚層を形成してゆくことになる。 文化の上でも、ムハンマド常勝軍採用されていた西洋式制服トルコ帽1829年宗教関係分野司ってきたウラマーを除く全ての文官にも採用されオスマン帝国服制洋装取り入れられた。 これらのほかにも、マフムト2世期の重要な改革として、常設大使館設置官報創刊郵便制度創設などがあげられる地域ごとに人口調査行われこれを機に地域区域ごとに正、副の長が任命され(もしくは選ばれ)、納税者全国調査行われた住民登録通行証明書の発行税金割り振りが行われ、1834年一部地域資産収入調査行われた。 ほかにも土地家畜課税されるハラージュ廃止裁判控訴制度導入したマフムトイスラム教忌み嫌われていた飲酒に関して緩和する勅令出して、これ以降上流階級では飲酒平然のように行われるようになったこのようにマフムト2世様々な改革専制的に実施しオスマン帝国近代化歴史大きな足跡残した。しかしその急速な西洋化改革多くムスリムイスラム教徒国民反感招きマフムト2世は「異教徒皇帝」とあだ名されたという。

※この「上からの近代化改革」の解説は、「マフムト2世」の解説の一部です。
「上からの近代化改革」を含む「マフムト2世」の記事については、「マフムト2世」の概要を参照ください。

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