ラジオ体操会
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学童の夏季休暇中には、全国で早朝に町内会や自治会が主催するラジオ体操の会が催されている。事前にかんぽ生命等がスポンサーとなり学校などを通じて無料配布された出席カードを持参して番組開始前に町内の公園や広場などに集まり、主催側持参のラジカセなどから流れる番組に合わせて体操を行う。終了後には出席のゴム印を当日の日付部分に押す。最終日には会への皆勤賞もしくは参加賞として昔ながらに鉛筆などが出されたり、お菓子や図書カードなどが出される地域も多い。少子化や他のスポーツ活動の早朝練習などの影響から体操会の期間は夏休み全部ではなく平日の2週間ほどに留めたり、実施しない町内も見られるようになった。スマートフォン普及によりかんぽ生命公式アプリ内に出席カード機能を搭載し、参加するごとに出席した証明としてデジタルスタンプを入手することができる。 この期間中の早朝のラジオ番組は全国各地を指導者が巡回して聴取者と共に体操を行う「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」(1953年開始。開始年の初日は7月12日)となり、全国に生中継される。毎日ラジオ・テレビ体操に出演する講師やアシスタント・ピアノ伴奏者が全国各地のNHK公開スタジオや体育館・公民館、スタジアムなどを巡回するもの。この日の中継先ではこの体操会自体が市町村単位のラジオ体操大会として普段は各町会で体操を行う児童や保護者を集めて開催されることが多く、翌年以降もこの日にラジオ体操大会を開催し、当時の放送を録音したものを用いて体操をするところも存在する。日本の夏の風物詩の1つにもなっている。その中でも特に中央行事として、7月下旬から8月中旬のいずれかの日曜日に「1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭」が行われている。この模様は、総合テレビやNHKワールド・プレミアムでも実況中継される。また、夏季休暇中以外でも主として、毎年4月から10月までの日曜日や祝日で「特別巡回ラジオ体操・みんなの体操会」(1978年開始)が全国10会場程度で開催されている。2020年以降は新型コロナウイルスによる感染拡大を受けて「夏期巡回・特別巡回ラジオ体操・みんなの体操会」および「1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭」は初めて開催中止となり、2021年9月まで開催中止となった。2022年の再開後はすべて電子メールでの事前応募が必要となり、当日参加証を持参してでの参加となっている。 「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」(1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭を含む)、および「特別巡回ラジオ体操・みんなの体操会」ではテーマ音楽と会場の参加者の拍手に続き、指導者が「全国の皆さん、会場の皆さん、海外でラジオをお聴き(そして海外)の皆さん、おはようございます」 と挨拶して、そのあとに指導者の手振りの合図で会場の参加者も「おはようございます」と大声を張り上げて挨拶(2022年の夏期巡回は参加者の声だし禁止のため後述含め無し)し、指導員が都道府県の事や季節の事などについて話した後、会場の参加者がラジオ体操の歌を合唱する。また、体操の準備の際に音楽が少し短縮されているほか、ラジオ体操第1の8科目目である「腕を上下にのばす運動」のところでは会場の参加者の「1、2、3、4、5、6、7、8」という声を会場全体に響き渡らせること(2022年の夏期巡回は無し)が通例となっている。生放送終了時もテーマ音楽を流しながら指導者がピアノ伴奏者の紹介とともに締めの挨拶を行って会場の参加者が拍手で締めている。 ラジオ体操会は、1930年7月21日に神田万世橋署の面高叶巡査が、子供達が夏休みを楽しく過ごせるようにと千代田区神田佐久間町の佐久間公園で「早起きラジオ体操会」を実施したことが起源と言われ、同公園にはそれに因んだ記念碑が建てられている。同じ頃佐久間公園に程近い神田和泉町の宮川広場で実施された「全国ラジオ体操会」が起源と言う説もあるが、両者ともお互いが発祥の地であることを認め合っている。また文京区の大塚公園が発祥という説もあり、同公園内に発祥の地と記された体操する少年の銅像がある。
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