ペリリュー戦への評価とは? わかりやすく解説

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ペリリュー戦への評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 00:22 UTC 版)

ペリリューの戦い」の記事における「ペリリュー戦への評価」の解説

アメリカ海兵隊評価は「日本軍アメリカ軍多大な犠牲負わせることによって、長期に渡る遅滞流血戦術実行することに成功したペリリュー被った多大なコストは、日本向けて太平洋を進む連合軍大きな警鐘鳴らした。海空で圧倒的優勢であり、莫大な量の艦砲射撃ナパーム弾を含む爆撃と4倍にもなる兵力であったにも拘わらず日本兵1名の戦死ごとにアメリカ兵1名の死傷と1,589発の重火器および小火器弾薬要した。この戦いは数か月後には硫黄島沖縄での、日本軍見事に指揮され防御戦術に繋がることとなった。」と中川大佐による、アメリカ軍になるべく多く出血を強い、長い期間ペリリュー島足止めする作戦成功し日本軍頑強な抵抗が、後の硫黄島戦と沖縄戦前哨戦となった評価している。 アメリカ軍内では日本軍頑強な抵抗への評価が高い一方でペリリュー島攻略メリットがその莫大な損失見合うのだったのか?と言う疑問今日でも投げかけられている。 陸軍323連隊無血占領したウルシー環礁天然良港で、ペリリュー島より遥かに基地構築するのに非常に適した島であり、アメリカ海軍はここに巨大な前線基地構築しその後硫黄島戦や沖縄戦での重要な拠点となった一方当初の目的であったフィリピン戦への航空支援基地としての役割についても、ペリリュー島飛行場整備されフィリピンへの支援ができるようになったのはダグラス・マッカーサーレイテ島上陸してから1ヶ月経った後のことであり、その時点では大きな戦略的価値失っていた。そのため、アメリカ国内においても、ペリリュー戦はほとんど顧みられことはなく、同時期に行われたフィリピン戦ヨーロッパ戦線マーケット・ガーデン作戦などのニュース新聞紙面を飾っていた。第1海兵師団戦史担当者も「激しく戦って、たくさんやられて見返り少ない。第一海兵師団ではいつものことだよ。」と自虐気味に振り返っている。 アメリカ軍高官中でも第3艦隊ウィリアム・ハルゼー提督が「(パラオ攻略は)あまりに価値見合わない対価を払わされたと考えている。」と当初からペリリュー島を含むパラオ攻略反対であった自分の考え正しかった主張し上陸部隊艦砲射撃支援したオルデンドルフ少将も「パラオ攻略作戦疑問余地なく実施されるべきではなかった。」と辛辣な評価をしている。また、ダグラス・マッカーサー元帥は、海兵第1師団の上直前に「海兵隊諸君勝利は、フィリピン上陸作戦成功をより確固たるものにするはずであり、私は海軍ならびに海兵隊諸君らの作戦全幅の信頼を置くものである。」と録音にて全軍演説した程に作戦当初入れ込んでいたが、回顧録では自らの南西太平洋部隊モロタイ上陸ニミッツ提督中部太平洋部隊ペリリュー上陸1944年9月15日同時敢行されたことに触れ「わが地上兵力損害44人…、この成果わずかな損害上げえたことをよろこぶ。<中略>。一方中部太平洋ではそれほど運がよくなく、パラオ諸島攻略に8,000名以上の死傷者出した。」と振り返っている。 一方でステールメイトII作戦最高責任者であった太平洋方面軍司令チェスター・ニミッツ元帥は「ペリリュー島の複雑きわまる防備打ち勝つには、アメリカの歴史におけるほかのどんな上陸作戦にも見られなかった最高の戦闘損害比率(約40%)を甘受しなければならなかった」と苦戦率直に認めながらも、「(ペリリュー島利便が)2,000名の戦死者を含む10,000名のアメリカ軍死傷者見合うものであったかどうかについては疑問余地があるかも知れないが、一方パラオ日本軍の手に完全に残され場合マッカーサーフィリピン進撃に対して真の脅威になったであろうことには疑問余地はない。」とその意義強調している。 ペリリュー戦で実際に戦った兵士感想として、負傷したトム・ボイル二等兵は、ペリリュー戦の意義戦後50年近く経ってから「人生締めくくりの今に振り返ってみるとそれなりに貴重な体験だった。でも惨めな体験でもあった。でも、あまり誰にでも勧められるものではないよ。なぜなら生き残ることが難しいからね」と回想している。

※この「ペリリュー戦への評価」の解説は、「ペリリューの戦い」の解説の一部です。
「ペリリュー戦への評価」を含む「ペリリューの戦い」の記事については、「ペリリューの戦い」の概要を参照ください。

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