タイムパラドックスと矛盾とは? わかりやすく解説

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タイムパラドックスと矛盾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 14:49 UTC 版)

タイムトラベル」の記事における「タイムパラドックスと矛盾」の解説

タイムパラドックス矛盾説明するため、タイムトラベル者による歴史改変時間軸分岐し元の世界並行した別の世界生まれるとするパラレルワールド概念がある。この概念発展させ、タイムトラベル者の介在がなくとも歴史上重要なポイント世界枝分かれしていると解釈する立場もある。この概念大幅に作品取り入れた最初期小説に、可能性として存在する二つ歴史「ジョンバール」と「ギロンチ」の抗争描いたジャック・ウィリアムスンの『航時軍団』(The Legion of Time1938年)がある。 このパラレルワールド発想類似したものに、量子力学多世界解釈がある。これは@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}物理的な相互作用時間上にも及ぶ[要出典]とするもので、この理論に基づくと、過去改変が行われても素粒子レベル世界再構成が行なわれるため、結果としてタイムパラドックス生じない。ただし、二つの別々の世界でタイムトラベル瞬間前後物体情報量生成消滅するため、エネルギー保存の法則エントロピー増大の法則相対性理論等、古典力学法則破綻するまた、多世界解釈タイムトラベル瞬間前後相関のない情報量割り込むため破綻してしまうという問題解決される訳ではない一方でこうしたタイムパラドックスを全く否定する立場フィクション作家もいる。例えば、「もし時間逆行できるタイムマシン存在するならば、あってはならない矛盾想定される。したがってタイムマシン存在しない」との背理法に基づき時間一方通行流れ逆行できないとする考え方がある。また、タイムトラベル者が歴史改変試みようとする行為自体現代の歴史含まれるという考え方もある。意図的にタイムパラドックス起こそう努力しても、その行動は必ず妨害されタイムパラドックス成立阻止されるとした作品もある。この理論は現在から過去への改変だけではなく、現在から未来へ対す改変含まれることになる。 親殺しのパラドックスを例に取ると、過去遡り親の殺害試みようとするが、絶対に成功しないことが歴史として組み込まれているか、そもそも過去移動できないとしている。ロバート・A・ハインライン短編時の門』(By His Bootstraps1941年)など、タイム・パラドックス論理性追求した一群作品の中では、「タイムトラベル者による歴史改変自体歴史含まれており、タイムパラドックス起こり得ない」との解釈なされている(ただし、この結論は「主人公活躍余地がなく、努力報われず、カタルシスエンターティメント性を欠く」ため、理論的に成り立つかもしれないが、文学的にはあまり一般的には受け入れられない)。 またSF作家ラリー・ニーヴンは、『タイム・トラベル理論実際』(The Theory and Practice of Time Travel1971年)と題したエッセイの中で、もし歴史の流れ一本道であり、タイムトラベルによって歴史改変可能であるならば、幾度もタイムトラベル者による歴史改変経た末に、最終的に人類の歴史は、「タイムマシン存在せずタイムトラベル者が決し現れない歴史」として安定するではないか、と述べている。 これらのような架空理論仮説に基づく過去未来との因果関係矛盾着目したものとは別に論理パズル的なタイムパラドックスいくつか考案されている。これらは論理的に矛盾はないのに、あり得ないようなことが起こる事象題材したもので、その多く現実物理学量子力学上の考察要求する要素含んでいる。 【例】『マイナス・ゼロ』(広瀬正)より 現代買った新品ライターを持つ男がタイムトラベルし、過去へそのライター忘れてくる。実はそのライター第三者により時を経て現代存在する忘れてきたライターすり替えられており、新品買ったライタータイムトラベルをせず現代存在するタイムトラベルをするライター現代過去無限ループとして往来する存在であるが、現代新品ある限りそのライターはどこで買ったものでもない。 このパラドックスではなぜこのようなライター存在するか、またこのような存在となった時点ライターの分だけ宇宙質量増えたのではないのか、そして時を経て永久に古くならず傷すらつかないではないか、との問題提起されている。1960年代書かれたこの小説パラドックス小説存在の環』(P・スカイラー・ミラー、1944年)で提示されたものの類型であるが、1990年代スティーブン・ホーキング博士がこれに類似する概念を持つ閉時曲線量子効果仮説示し過去へのタイムトラベル否定する論拠としている。小説では言及されていないが、このタイムパラドックスは「すり替え人間意志が、特異な物質存在や状態を創出した」という観測問題側面内包している。

※この「タイムパラドックスと矛盾」の解説は、「タイムトラベル」の解説の一部です。
「タイムパラドックスと矛盾」を含む「タイムトラベル」の記事については、「タイムトラベル」の概要を参照ください。

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