論理パズルとは? わかりやすく解説

ロジックパズル

(論理パズル から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/12 22:03 UTC 版)

ロジックパズルのグリッド(英語)。唯一の情報は、サイモン(Simon)だけが15歳で、ジェーン(Jane)は緑色が好きではないということです

ロジックパズル論理パズル推理パズルともいう)は、数学パズルの一種で、文章で説明される状況などから、論理的に矛盾無くあてはまる1通りのパターンを見つけ出す、といったような形式のパズルである。学術的に見ると制約充足問題であるものが多い。

問題例

  • 例題1 3人のそれぞれの発言から、それぞれの今日の昼食を当ててください。ただし、カレーライスラーメンそばのうちから3人とも別々のものを食べました。
    トンキチ:…。
    チンペイ:あいつみたいにそばだったら僕は足りないな。
    カンタ:僕はカレーライスもそばも嫌いなんだ。
答え
トンキチ:そば
チンペイ:カレーライス
カンタ:ラーメン
  • 例題2 分かれ道があります。どちらかが天国行きでどちらかが地獄行きです。それぞれの分かれ道にいる門番に、YES(はい)/NO(いいえ)で答えられる質問を一度だけすることができます。門番はいつも本当のことを言う天使か、いつもウソを言う悪魔のどちらかなのですが、どちらなのかは見分けがつきません。どんな質問をすれば天国行きの道を知ることができますか。
答え
本物の天使がもう一人をどう思っているかで質問の仕方が変わる。
  • 本物の天使がもう一人を悪魔だとわかっている場合、門番に「あの門番に『この道は天国行きですか?』と尋ねると何と答えますか?」と尋ねればよい。「この道は天国行きですか?」という質問では、どちらの門番も「Yes」と答えるが、上記の質問では尋ねた門番がもし天使なら、悪魔がウソをついて「Yes」と答えることを知っているので、そのまま「Yes」という。悪魔なら、天使が「Yes」と答えることを知っているので、ウソをついて「No」という。
  • 本物の天使がもう一人を天使だと思っている(実際には悪魔)場合、門番に「『この道は天国行きですか?』と私があなたに尋ねたら、あなたは『Yes』と答えますか?」と尋ねればよい。天国への道であれば、天使は「Yes」と答え、悪魔は「No」と答えるので、真実は「No」だが、悪魔なのでウソをつき「Yes」という。よって、天使も悪魔も「Yes」と答えることになる。地獄への道であれば、天使は「No」と答え、悪魔は「Yes」と答えるので、真実は「Yes」だが、悪魔なのでウソをつき「No」という。よって、天使も悪魔も「No」と答えることになる。
確実に天国行きの道を選ぶための質問としては後者の方が優れているといえる。
  • 例題3 赤か白の帽子をかぶっている人が3人縦に並んでいます。自分の帽子の色は分かりませんが、前から2人目の人は1番前の人の帽子の色が見え、1番後ろの人は前から2番目の人と1番前の人の帽子が見えます。なお、後ろを振り返ることはできません。今、この3人の中で、少なくとも1人が赤の帽子をかぶっていることをこの3人に告げます。そして、自分の帽子の色が分かった者は申し出なさいと言います。しばらく沈黙が続いた後、1番前の人が「自分の帽子は赤だ」と言いました。彼の答えの根拠を示してください。
答え
1番前の人は、後ろの2人の帽子は見えないから、後ろの2人が「自分の帽子は○○色だ」と言うのを聞いて、自分の帽子の色を判断するしかない。しかし、前から2番目の人も1番後ろの人も自分の帽子の色が分からなかったから、沈黙が続いた。以上のことを踏まえて、1番前の人の帽子の色が白でないことを示せばよい。
  1. 前から順に(白、白)のとき、少なくとも1人が赤の帽子をかぶっているから、1番後ろの人は自分の帽子の色は赤だということに気付く。よって不適。
  2. 前から順に(白、赤)のとき、前から2番目の人は、自分か、1番後ろの人の帽子の色が赤だということに気付く。そして、1番後ろの人が黙っている、つまり前から2番目の人の帽子の色は白ではないので、前から2番目の人は自分の帽子の色が赤であることに気付く。よって不適。
  3. 1,2 より、1番前の人は、自分の帽子の色が赤であると気付く。

マトリックス

例題1のようなパズルの場合、表出されている条件が多くなると、それらの情報を脳内で整理することが困難になってくる。(パズルに限らず一般的に使われる手法であるが)タテヨコに各条件を並べたテーブル(「マトリックス」などと呼ばれる)を作り、当てはまる条件に対応する部分に×などの記号を書き込み、整理の補助とする。

作家

ルイス・キャロルのロジックパズルはLewis Carroll's Games and Puzzles(Dover, 1992年)で見ることができる。ロジックパズルの個人問題集を多く残した著者には、レイモンド・スマリヤンや小野田博一(11冊--このうち4冊が韓国語に、2冊が中国語に翻訳されている)らがいて、どちらも「ウソつき」がらみの問題が多い。個人集はDover社からの出版が多く、絶版のものも含めて10点以上が同社から出版されている。

関連項目


論理パズル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 16:44 UTC 版)

レイモンド・スマリヤン」の記事における「論理パズル」の解説

What Is the Name of This Book?(1978年ISBN 0139550623 『この本の名は? 楽しい論理パズル. 1』沖記久子訳、TBS出版会1982年3月。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-7825-1054-3。 - ナイトとネーブ、その他の論パズル。 『この本の名は? 嘘つき正直者をめぐる不思議な論理パズル』川辺治之訳、日本評論社2013年2月ISBN 978-4-535-78692-9。 The Chess Mysteries of Sherlock Holmes1979年ISBN 0394737571 『シャーロック・ホームズのチェスミステリー』野崎昭弘訳、毎日コミュニケーションズ1998年4月ISBN 4-89563-679-8。 - チェスゲーム用いたパズルチェス・プロブレム)への入門書The Chess Mysteries of the Arabian Knights1981年ISBN 0192861247 『シャーロック・ホームズのチェスミステリー』の続編邦訳アラビアン・ナイトのチェスミステリー: スマリヤン逆向き解析問題集』(川辺治之訳。共立出版2019年10月)。 The Lady or the Tiger?(1982年ISBN 0812921178 『数学パズル美女か野獣か? 楽しみながらゲーデルの謎にせまる阿部剛久訳、森北出版1996年3月ISBN 4-627-01860-6。 - 美女野獣その他の論パズルAlice in Puzzle-Land(1982年ISBN 0688007481 『パズルランドのアリス 80歳以下の子どもたちのためのキャロルおはなし市場泰男訳、社会思想社1985年4月ISBN 4-390-50180-1。『パズルランドのアリス』1(不思議の国篇)、市場泰男訳、早川書房ハヤカワ文庫NF <数理を愉しむ>シリーズ〉、2004年2月ISBN 4-15-050288-9。『パズルランドのアリス』2(鏡の国篇)、市場泰男訳、早川書房ハヤカワ文庫NF <数理を愉しむ>シリーズ〉、2004年3月ISBN 4-15-050289-7。 To Mock a Mockingbird1985年ISBN 0192801422 『数学パズルものまねをまねる 愉快なパズル結合子論理の夢の物語阿部剛久ほか訳、森北出版1998年5月ISBN 4-627-01901-7。 - 結合子論理基づいたパズルForever Undecided(1987年ISBN 0192801414 『決定不能の論理パズル ゲーデル定理様相論理田中朋之・長尾確訳、白揚社、1990年11月ISBN 4-8269-0044-9。『スマリヤン決定不能の論理パズル ゲーデル定理様相理論田中朋之・長尾確訳、白揚社、2008年5月ISBN 978-4-8269-0142-0。 - 形式系の決定不能性に基づくパズルSatan, Cantor and Infinity1992年ISBN 0679406883 『無限のパラドックス パズルで学ぶカントールゲーデル長尾確訳、白揚社、1994年3月ISBN 4-8269-0056-2。『スマリヤンの無限の論理パズル ゲーデルカントールをめぐる難問奇問長尾確訳、白揚社、2007年12月ISBN 978-4-8269-0140-6。 The Riddle of Scheherazade1997年ISBN 0156006065 『スマリヤン究極の論理パズル 数の不思議からゲーデル定理へ』長尾確・長尾加寿恵訳、白揚社、2001年3月ISBN 4-8269-0099-6。『スマリヤン究極の論理パズル 数の不思議からゲーデル定理へ』長尾確・長尾加寿恵訳、白揚社、2008年5月ISBN 978-4-8269-0143-7。 The Magic Garden of George B. And Other Logic Puzzles(2007年ISBN 9788876990663 『スマリヤン先生ブール代数入門 嘘つきパズル・パラドックス・論理花咲庭園川辺治之訳、共立出版2008年8月ISBN 978-4-320-01869-3。 Logical Labyrinths(2009年ISBN 9781568814438 『スマリヤン記号論理学 一般化記号化高橋昌一郎 監訳川辺治之 訳、丸善出版2013年1月ISBN 978-4-621-08572-1。 『スマリヤン数理論理学 述語論理完全性定理高橋昌一郎 監訳村上祐子[要曖昧さ回避] 訳、丸善出版2014年11月ISBN 978-4-621-08785-5。 The Gödelian Puzzle Book: Puzzles, Paradoxes and Proofs(2013年)ISBN 978-0-486-49705-1 『スマリヤンのゲーデル・パズル 論理パズルから不完全性定理へ』川辺治之 訳、日本評論社2014年11月ISBN 978-4-535-78754-4。

※この「論理パズル」の解説は、「レイモンド・スマリヤン」の解説の一部です。
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