論理チャンネル番号とは? わかりやすく解説

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チャンネル (テレビ放送)

(論理チャンネル番号 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/04 08:26 UTC 版)

テレビ放送におけるチャンネル英語: television channel)は、テレビ放送局またはテレビ放送ネットワーク毎に割り当てられた物理的な伝送路またはそれらを示す論理上の番号。それぞれの番号の示すチャンネル(=伝送路)にはそれぞれの周波数が割り当てられている。

ただし、日本語の文脈では、放送局またはその放送番組、受信機(テレビやチューナー)の選局スイッチリモコンキーIDなど放送局を示す番号などの意味が混在して用いられる場合もある。

日本

概要

日本国内のテレビ放送ではUHF波では13 - 62チャンネル、アナログ放送ではVHF波として1 - 12チャンネル、SHF波難視聴地域用受信障害対策中継放送)は63 - 80チャンネルとして定義されている。デジタル放送の技術が確立した後は、物理チャンネルとも呼ばれている。

アナログ放送では受信機のチャンネル番号と周波数帯域(周波数の範囲)に付けられた番号は1対1に対応している。デジタル放送の場合、地上波ではアナログ放送の場合と同様に各放送に1〜12のチャンネル番号が割り当てられているがこれはリモコンキーIDとして定義(単にIDと呼ばれる場合もある)されている論理的なチャンネル番号(受信機器側の操作や設定を行うために定められた番号)にあたる。これらの番号が割り当てられた放送で実際に使われている周波数帯域(物理チャンネル)は、アナログ放送でも使われていたのと同じ13〜52チャンネルになっている[注釈 1]衛星放送(BSアナログ放送を除くBSデジタル放送とCSデジタル放送)では周波数帯域番号(物理チャンネル番号)と各放送は1対1に対応しておらず、同一の周波数帯域(物理チャンネル)を複数の放送局(放送事業者)で分割して使用している。このように、デジタル放送(地上デジタル、BSデジタル、CSデジタル)では実際に放送で用いている周波数帯域番号と受信機で操作するチャンネル番号は全く一致していない。実際の割り当ての詳細はテレビ周波数チャンネルを参照。

受信装置(テレビやチューナー)での受信放送局の選局スイッチのこともチャンネルと呼ぶ。スイッチの形体がダイアル方式からボタン方式になった後も一般的には引き続き使用されているが、シャープなどの一部メーカーでは「選局」となっている場合がある。また受信装置での操作では一般的には選局スイッチと視聴できる放送が1対1であることから、放送に用いている周波数帯域につけた番号の意味の他にも1つの放送を「チャンネル」とも呼ぶ。

このように「チャンネル」はテレビ局すなわち放送事業者を指すこともあるが、特に衛星放送の委託放送事業者は「テレビ局」よりも「チャンネル」と呼ばれることが多い。これは放送設備を持つ受託放送事業者がテレビ局に当たるからという解釈によるもの。

以上のようにテレビ放送の「チャンネル」には厳密には複数の異なった意味があるので、用法や解釈上で混同しないように注意が必要である。

なお、地上波放送の場合、地域によって視聴できるチャンネルの数は異なる[注釈 2]

例えば、東京を中心にした関東地方では最高12チャンネル分が放送されている(放送法による県域放送などの放送対象区域の関係上、実質的には同時に受信できるのは最大9チャンネル、アナログ放送のVHFアンテナのみの受信の場合は最大7チャンネルである)。関西地方では平均8チャンネル(アナログ放送のVHFは最大6チャンネル)、北海道中京地方岡山県・香川県福岡県では7チャンネル(VHFは最大で4〜5チャンネル)なのに対して青森県富山県山陰地方高知県大分県等では県外波を対象にしない限りは最大5チャンネル(NHK2チャンネル+民放3チャンネル)、山梨県福井県宮崎県では同様の観点で最大4チャンネル(NHK2チャンネル+民放2チャンネル)、徳島県佐賀県では同様の観点で最大3チャンネル(NHK2チャンネル+民放1チャンネル)である。

テレビ放送用チャンネル番号と周波数の対応

  • 1 - 12チャンネル:VHFテレビチャンネル。
  • 13 - 62チャンネル:UHFテレビチャンネル。なお、地上波のデジタルテレビ放送はリパック作業(周波数まとめ、日本の地上デジタルテレビ放送を参照)完了後は13 - 52チャンネルのみを使用。
  • 63 - 80チャンネル:SHFテレビチャンネル(難視聴地域用。12GHz付近が割り当てられている)。
  • BS-1 - BS-23チャンネル(加入者向け空中送信波):衛星放送用チャンネル(12GHz帯が割り当てられている)。
チューナー本体が受信する周波数とは異なる。詳細はテレビ周波数チャンネル#放送衛星を参照
  • C13 - C22チャンネル:CATVのミッドバンドチャンネル。
  • C23 - C63チャンネル:CATVのスーパーハイバンドチャンネル。

アナログ放送においては、混信対策として基本的に同一エリア内で隣接しあうチャンネルは使用しないことや隣接するエリア同士では同一のチャンネルを使用しないという取り決めがある(例:関東地方では2・5・7・9・11チャンネルが空きチャンネルであった)。ただし例外として、3チャンネルと4チャンネルは周波帯が離れているから隣接しても共存できる(例:NHK Eテレ東京3チャンネルと日本テレビ4チャンネル)。また通常水平偏波の地上波放送に対して垂直偏波を使用することで隣接するチャンネルを使用している場合もある[注釈 3]が、この場合でも周波数の一部が重複するVHF7チャンネルとVHF8チャンネルは共存できない[注釈 4]

アナログ放送では一部地域において放送局同士の混信対策のために±10kHzずらしていた(オフセット周波数。例えば1チャンネルの場合、中心周波数92.99MHz・映像周波数91.24MHz・音声周波数95.74MHzまたは中心周波数93.01MHz・映像周波数91.26MHz・音声周波数95.76MHzで送信している送信所がいくつかある)。また地上デジタルテレビ放送の周波数は全て中心周波数+142.857kHzで送信しているが、オフセット周波数は実施されていない。

各チャンネル番号と周波数の対応の詳細は、テレビ周波数チャンネル#地上基幹放送の物理チャンネルとリモコンキーIDを参照。

アメリカ

アメリカでは国土面積が広いため、電波塔を建設して地上波を配信するのは効率的ではなく、ケーブルテレビによって多チャンネル化が発達した[1]

脚注

注釈

  1. ^ 地上波放送でアナログ放送の一部とデジタル放送で使用する周波数が重複している件については、2011年問題 (日本のテレビジョン放送)#アナアナ変換を参照の事。
  2. ^ 「視聴可能な放送の数」や「視聴エリア」などの表現の解釈としては広義としては実際に物理的に受信や視聴が可能な状況を前提にしているが、一般的には狭義の意味でのその放送局が放送を提供するエリアとして想定している地域やその想定地域内での一般的な状況を指す場合が多い。後者の条件下では、地理的な条件で実際には提供されている放送が受信が出来ない場所や本来は受信想定外のエリアの放送が受信できる場所もある。従って、解説全体としてどちらの立場でその文言を使用しているかによって解釈が異なるので注意が必要である。
  3. ^ tvkの一部中継局など。
  4. ^ 1969年に開局した名古屋第4局(現・中京テレビ放送)は、VHF(7ch)での開局も視野に入れており、免許申請もVHFとUHFの併願で行っていたが、関西テレビ放送(大阪・8ch)や先発の在名局の中継局(岐阜県と三重県に8chを使用する局がいくつかあった)との混信が懸念され、UHF(35ch)での開局となった。

出典

  1. ^ 高木利弘『スマートTVと動画ビジネス 次世代メディアをデザインするのは誰か?』 2012年、インプレスジャパン、55頁

関連項目


論理チャンネル番号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:03 UTC 版)

日本における衛星放送」の記事における「論理チャンネル番号」の解説

3表現される論理チャンネル番号は、上2が「放送事業者サービス」を表す。原則として、各事業者チャンネルサービス別に1つずつ割り当てられる番号サービスの対応は次の通りである(4K8Kテレビジョン放送のみ)。 00x - 29x:テレビジョン放送 30x - 59x:ラジオ放送 60x - 89x:連動データ放送 90x - 99x:独立データ放送 下1は「編成番号」で、「0」から「9」までの任意の数字が入るが、地上波異なりメインチャンネルに「1」以外が入ったり、臨時チャンネル以外で「0」や「4」以降入ったりすることもある。また、前述通り、1事業者複数波の放送を行う場合複数波で同一共有することになり、それぞれ異な編成番号用い必要がある複数事業者で共通の上2使用することもあり、その場合は事業者ごとに異な編成番号用いる。4K8K放送場合は「BS4K101」「BS8K102」のように、「BS」の後ろ画質を示すプリフィックスが入る。 以下、論理チャンネル枠割り当て一覧を示す。括弧付き番号は未割当で、放送を終了した事業者含めて掲載している。実際に使用されているチャンネルや既に放送を終了したチャンネルリモコンキーIDとの関係についてはBS放送事業者一覧及びリモコンキーID#BSデジタル放送について参照(●=放送局側が公式に公表している3番号)。 論理ch2K4K・8Kテレビラジオデータ00x30x(60x)日本放送協会NHK-BS日本放送協会放送サービス高度化推進協会(4K8K試験放送) (終了ビー・エス・コミュニケーションズ (01x)31x61x(終了ミュージックバード (未割当) (02x)32x62x(終了JFN衛星放送 (03x)33x63x(終了World Independent Networks Japan (04x)(34x)(64x)(未割当) (05x)(35x)(65x)(06x)(36x)(66x)(07x)(37x)(67x)(08x)(38x)(68x)(09x)(39x)(69x)10x(40x)70x日本放送協会NHK-BS) 11x(41x)(71x)(終了ハイビジョン推進協会ハイビジョン実用化試験放送) (未割当) (12x)(42x)(72x)(未割当) (13x)(43x)(73x)14x44x74xBS日本BS日テレ) 15x45x75xBS朝日 16x46x76xBS-TBS 17x47x77xBSテレビ東京BSテレ東) 18x48x78xBSフジ 19x49x79xWOWOW 20x(50x)80xスター・チャンネル終了東北新社メディアサービスザ・シネマ) 21x(51x)(81x)日本BS放送BS11SCサテライト放送ショップチャンネル) 22x(52x)(82x)ワールド・ハイビジョン・チャンネルTwellVQVCサテライト 23x53x(83x)放送大学学園放送大学BS) (未割当グリーンチャンネル アニマックス終了ビーエスFOX 24x(54x)84xスカパー・エンターテイメントBSスカパー!J SPORTS 25x(55x)(85x)釣りビジョン WOWOWプラス 日本映画放送 ブロードキャスト・サテライト・ディズニー 26x(56x)(86x)BS松竹東急 ジャパネットブロードキャスティングBSJapanextBSよしもと (27x)(57x)(87x)(未割当) (28x)(58x)(88x)29x(59x)89x(終了デジタル放送推進協会地デジ難視対策衛星放送) 90x(使用しなくなったBS-TBS 91x(終了ウェザーニューズWNI92x放送サービス高度化推進協会エンジニアリングサービス) 93x(過去Digicas 94x過去日本データ放送 95x(過去)メディアサーブ(BS955) 96x(過去日本メディアーク(Tivi!) (97x)(未割当) (98x)99x(過去日本BS放送(ch999)

※この「論理チャンネル番号」の解説は、「日本における衛星放送」の解説の一部です。
「論理チャンネル番号」を含む「日本における衛星放送」の記事については、「日本における衛星放送」の概要を参照ください。

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