返答不能な質問と爆発する神の頭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/10 23:31 UTC 版)
「真に最難関の論理パズル」の記事における「返答不能な質問と爆発する神の頭」の解説
「真に最難関の論理パズルの簡単な解決法」の論文で、ラベーン達はパズルの改作を提案している。パラドックスに直面した神は、jaもdaもどちらも言わずに、一切答えなくなってしまう。例えば、「あなたはこの質問に、あなたの言葉でノーを意味する言葉で答えるつもりですか? 」という質問が真実になると、彼は真実を答えることができない。(この論文では、頭が爆発してしまうと表現している。「...彼らは絶対間違えない神です!でも彼らは一つ手段を持っている。頭が爆発する」)。この「爆発頭」が許される場合には、3つではなく2つの質問でパズル(修正済みとオリジナル)を解決する可能性が出てくる。このパズルに対する2質問解決法の裏付けとして、著者は2つの質問だけで同様の簡単なパズルを解決する。 3つの神A、B、Cはこう呼ばれている、順不同で ゼファー、エウロス、アイオロスである。神々は常に真実を話す。あなたの任務は、イエス・ノー質問をしてA、B、Cの正体を決めること。それぞれの質問は正しく1つの神に置く必要がある。神々は人間の言葉を理解し、人間の言葉で答える。 このパズルは3つの質問で自明に解決されることに着目しなさい。さらに、2質問でパズルを解くための、次の補題は証明済みである。 嘘つき気質の補題。もし我々がAに尋ねるとする「こんな場合{[(あなたがこの質問に「ノー」と答えるつもり)かつ(Bはゼファーである)] または(Bはエウロスである)}はありますか?」、に対して「イエス」の返答はBがエウロスであり、「ノー」の返答はBがアイオロスであることを示し、頭が爆発だとBがゼファーであることを示す。したがって、1つの質問でBの正体を決められる。 この補題を使うと、2つの質問でパズルを解くことが簡単になる。ラベーン達(2008)は、きっかり2つの質問で元のパズルを解くために類似の手法(嘘つき気質のパラドックス)を使う。ウスキアノ(2010)は、修正済みパズルに対して2質問での解決法を提示するためにこれらの技法を使っている 。オリジナルと修正済みパズルの両方に対する2質問の解決法は、一部の神が特定の質問に答えることができないという事実を利用している。真か偽のどちらも、次の質問に対する答えを提供することはできない。 あなたは「キルギスタンにドゥシャンベはあるか?」という質問にランダム(が答えるであろう内容)と同じに答えてくれますか? 修正済みランダムは本当に無作為で答えるので、真か偽のどちらも、ドゥシャンベがキルギスタンにあるかとの質問に、ランダムがdaまたはjaで答えるかどうかを予測できない。この知りえぬ事を与えられると、彼らは真実や嘘が語れなくなってしまう。したがって、彼らは沈黙する。しかしながら、無作為に無意味なことを口走るランダムは、daまたはjaのいずれかを口走っても問題ない。ウスキアノ(2010)は修正済みパズルに対する2質問の解決法を提示するために、この非対称性を流用している。しかし、神様は「ランダムの脳のコイン弾き以前であっても、ランダムの答えを予測するための謎めいた(いわゆる神託)能力」を有するとの仮定もあるだろう。この場合、2質問の解決法は、ラベーン達(2008)に採用されたスタイルの自己参照質問を使用することによって引き続き得ることができる。 この質問にdaで返答するかどうか、という質問にあなたはjaで答えますか? てここでもまた、真か偽のどちらも、真実の証人と嘘つきの約束事をそれぞれ考えると、この質問に答えることができない。彼らは、自分が与えると約束された返答がdaで、これが彼らにできない場合にだけ、jaと答えるよう強制されている。前と同じように、彼らは頭爆発を経験するだろう。対照的に、ランダムは、無分別にたわごとを吐き出して、無作為にjaまたはdaと答えるだろう。ウスキアノ(2010)もまた、修正済みパズルに対する2質問の解決法を提示するために、この非対称性を利用している 。しかしながら、ウスキアノ独自のパズル修正(ランダムが「ja」「da」いずれかを答えるか、または沈黙することにより、この非対称性を解消するというもの)では、3つよりも少ない質問で解決することができなくなっている。
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