返還が言及された地所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 14:54 UTC 版)
「牧港補給地区」の記事における「返還が言及された地所」の解説
安倍政権が2013年に発表した嘉手納以南の米軍基地返還計画 において、二段階に分けた牧港補給地区の全「返還」が言及された。しかし、その返還は実際には関連する施設ごとに米軍基地4か所に「移設」するというもので、その代替施設の建設整備費等は日本が負担することになっている。 倉庫群地区の返還 牧港補給地区の東側にある倉庫群地区の返還に関して以下の合意がなされた。 予定区域: 約129ha 返還条件は以下の4の県内の米軍施設への移設。 陸軍倉庫のトリイ通信施設への移設。 国防省支援機関の施設の嘉手納弾薬庫地区の知花地区への移設。 海兵隊の倉庫、工場等のキャンプ・ハンセンへの移設。 海兵隊郵便局等のキャンプ瑞慶覧への移設。 返還予定: 2025年またはそれ以降。 安倍政権が発表した2013年の嘉手納以南の米軍基地返還計画では、牧港補給地区の倉庫群を嘉手納弾薬庫知花地区に移設する条件で、2025年までの条件付き返還合意が決定していたが、防衛省は米側と調整を進め基本計画を見直すことを発表した。マスタープランの見直しは統合計画の策定後初めてとなる。 嘉手納弾薬庫知花地区への移設をめぐり、米側が施設防護基準の厳格化を求めており、防衛省は市道「知花38号」の東側約40ha (嘉手納弾薬庫地区) に施設を配置する計画だったが、沖縄防衛局は西側約30haを新たに提供する必要があるとして、提供区域内の土地の利用者に立ち退きを求めている。 2021年1月28日、日米両政府は日米合同委員会で知花移転の新マスタープラン (MP) を了承した。移設先の敷地面積は45haから80haへと1.8倍で提供されることになる。知花地区には牧港補給地区の倉庫施設およびキャンプ瑞慶覧のスクールバスサービス関連施設など14棟の他に、ゲートや、移転によって通行不可となる市道「知花38号」を新しく敷設する工事も行われることになり、返還は大きくずれ込む予定となる。 一方、4月、嘉手納弾薬庫知花地区へ移転される施設の一つとなっているはずの牧港補給地区内にある洗濯施設を、牧港補給地区内の別の場所に「移設」したとして、日本側が106億円を負担し新築したことを防衛局が発表した。 牧港補給地区の残余の部分 海兵隊の兵力が沖縄から日本国外の移転に伴い、返還可能となる区域として牧港補給地区の西側の部分が指定されている。しかしその前提となる米海兵隊の国外移転の計画は、決定されていない。 予定区域: 約142ha(全返還) 返還条件: 牧港補給地区にある海兵隊管理棟等のキャンプ瑞慶覧への移設 米軍放送網(AFN)の送信施設のキャンプ・コートニーへの移設 日本国外の場所に移転する部隊を支援する機能の解除 返還予定: 返還条件が満たされ、返還のための必要な手続が完了し、海兵隊の国外移転完了後、2024年度又はその後に返還可能。 しかし、統合計画に注1として「米海兵隊の日本国外の場所への移転に関する計画は、決定されていない」と記載されており 、実際の返還見通しはない。
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