スペクトル論とは? わかりやすく解説

スペクトル理論

(スペクトル論 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:50 UTC 版)

数学において、スペクトル理論(スペクトルりろん、英語: spectral theory)とは、正方行列固有ベクトル固有値に関する理論の無限次元への拡張を指す。




「スペクトル理論」の続きの解説一覧

スペクトル論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/10 01:11 UTC 版)

バナッハ環」の記事における「スペクトル論」の解説

詳細は「スペクトル論」を参照 複素数上の単位バナッハ環は、スペクトル論を構成するための一般的な舞台となる。各元 x ∈ A のスペクトルspectrumσ(x) は、x − λ⋅1 が A において可逆とならないようなすべての複素スカラー λ の集合である。任意の元 x のスペクトルは、C 内の 0 を中心とする半径 || x || の閉円板含まれる閉部分集合であり、したがってコンパクトである。さらに、各元 x のスペクトル σ(x) は空ではなくスペクトル半径公式 sup { | λ | : λ ∈ σ ( x ) } = lim n → ∞ ‖ x n1 / n {\displaystyle \sup\{|\lambda |:\lambda \in \sigma (x)\}=\lim _{n\to \infty }\|x^{n}\|^{1/n}} を満たす。x ∈ A が与えられたとき、正則汎関数計算英語版)によって、σ(x) の近傍正則任意の関数 ƒ に対し、ƒ(x) ∈ A を定義することが出来る。さらに、スペクトル写像定理: σ ( f ( x ) ) = f ( σ ( x ) ) {\displaystyle \sigma (f(x))=f(\sigma (x))} が成り立つ。バナッハ環 A が、複素バナッハ空間 X の有界線型作用素環 L(X)例えば、正方行列環)ならば、A におけるスペクトル概念は、作用素論における通常の概念一致する。コンパクトハウスドルフ空間 X 上で定義された ƒ ∈ C(X) に対して σ ( f ) = { f ( t ) : t ∈ X } {\displaystyle \sigma (f)=\{f(t):t\in X\}} が確かめられるC*-環正規元 x のノルムは、そのスペクトル半径一致する。これは正規作用素対す同様の事実一般化である。 A を複素単位バナッハ環で、すべてのゼロ元 x は可逆であるとする(すなわち、可除多元環)。どの a ∈ A に対しても、a − λ⋅1 が可逆ないような λ ∈ C が存在する(これは a のスペクトルが空ではないことによる)から、a = λ⋅1 となり、この環 A は C に自然同型である。これはゲルファント=マズールの定理複素数場合である。

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スペクトル論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 08:13 UTC 版)

正規行列」の記事における「スペクトル論」の解説

正規性の概念重要性は、正規行列スペクトル定理にはっきりとかかっている行列であるということにある。 スペクトル定理 行列 A が正規であるための必要十分条件は、それが対角行列 Λ とユニタリ行列 U により、 A = U Λ U ∗ {\displaystyle \mathbf {A} =\mathbf {U} \mathbf {\Lambda } \mathbf {U} ^{*}} なる形に書けることである。ただし、対角行列 Λ の各成分 λ は A の固有値であり、U の各列は A の固有ベクトル与えられ、Λ の対角線上に並ぶ固有値順番と U の列に並ぶ固有ベクトル順番対応するスペクトル定理別な形で述べれば、正規行列Cn適当な正規直交基底に関して対角行列として表されるような行列である。あるいは、行列正規となる必要十分条件は、その固有空間Cn生成し、かつ各固有空間はどの二つCn標準内積に関して直交することである。 正規行列対すスペクトル定理は、より一般任意の正方行列対す結果であるシューア分解特別な場合と見ることができる。実は、A が正方行列ならば、シューア分解により上半三角行列 B にユニタリ相似となる。A が正規場合には、先に述べたように正規上半三角行列対角行列ゆえ、B は対角行列なければならないスペクトル定理により、正規行列をそのスペクトルによって分類するということができる。例えば、正規行列ユニタリであるための必要十分条件は、そのスペクトルガウス平面上の単位円含まれることである。あるいは、正規行列自己随伴であるための必要十分条件は、そのスペクトル実数直線上にあることである。 一般に二つ正規行列和や積は必ずしも正規でないが、A および B が正規AB = BA満たす特別の場合には AB も A + B も正規である。さらに言えば、この二つ行列同時対角化可能(英語版)、すなわち A と B は同じユニタリ行列 U によって UAU∗ および UBU∗ がともに対角行列となるようにすることができる。この特別の場合において、U∗ の列ベクトルは A と B に共通の固有ベクトルCn正規直交基底をなすものからなる。このことは、代数閉体上で交換可能(英語版な行列が同時三角化可能(英語版)であることと、正規行列対角化可能なことを組み合わせれば従う。

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スペクトル論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 06:35 UTC 版)

ラプラス作用素」の記事における「スペクトル論」の解説

太鼓の形を聴く英語版)」および「ディリクレ固有値」も参照 ラプラス作用素スペクトルは、対応する固有函数 f が − Δ f = λ f {\displaystyle -\Delta f=\lambda f} を満たすようにできる固有値 −λ の全てからなる[要検証ノート]。上の式はヘルムホルツ方程式呼ばれるのである。 Ω を Rn有界領域とすればラプラス作用素固有函数全体ヒルベルト空間 L2(Ω) の正規直交基底を成す。この結果本質的にコンパクト自己随伴作用素に関するスペクトル定理ラプラス作用素逆作用素(これはポワンカレ不等式およびコンドラコフ埋蔵定理英語版)によってコンパクト)に適用することにより従う。固有函数無限回微分可能函数であることも示せる。この結果より一般に任意の境界付きコンパクトリーマン多様体上のラプラスベルトラム作用素について成り立ち、また実際に有界領域滑らかな係数を持つ任意の楕円型作用素対すディリクレ固有値問題についても正しい。Ω が超球面であるときの、ラプラス作用素固有函数球面調和函数呼ばれる

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