角谷の不動点定理とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 角谷の不動点定理の意味・解説 

角谷の不動点定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/30 15:57 UTC 版)

数学解析学の分野における角谷の不動点定理(かくたにのふどうてんていり、: Kakutani fixed-point theorem)は、集合値函数に対する不動点定理である。ユークリッド空間のあるコンパクト部分集合が不動点(すなわちそれを含む集合へ写像される点)を持つための十分条件を与える定理である。角谷の不動点定理は、ブラウワーの不動点定理の一般化である。ブラウワーの不動点定理は、ユークリッド空間のコンパクトな凸部分集合上で定義される連続函数の不動点の存在を示すものであった。角谷の定理はこれを集合値函数に拡張したものである。

この定理は角谷静夫によって1941年に証明され[1]ジョン・ナッシュによりナッシュ均衡を表現するために用いられた[2]。その後、ゲーム理論経済学における幅広い分野で応用されている[3]

内容

角谷の定理の内容は次のようになる[4]

S を、ユークリッド空間 Rnでないコンパクト凸部分集合とする。φ: S → 2S を S 上の集合値函数で、閉グラフと次の性質を備えるものとする:φ(x) は x ∈ S に対して空でない凸集合である。このとき、φ は不動点を持つ。

定義

集合値函数
集合 X から集合 Y への集合値函数 φ とは、Y 内の一つあるいはそれ以上の点を X の各点に関連付けるある法則である。正式に言うと、それは X から Y冪集合への通常の函数で、φ: X→2Y と表現され、すべての
不動点を持たない函数

すべての x に対して φ(x) が凸であるという条件は、定理が成立する上で本質的に重要である。

[0,1] 上で定義される次の函数を考える:




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「角谷の不動点定理」の関連用語

角谷の不動点定理のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



角谷の不動点定理のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの角谷の不動点定理 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS