双線型形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/12 14:31 UTC 版)
数学の特に抽象代数学および線型代数学における双線型形式(そうせんけいけいしき、英: bilinear form)とは、双線型写像すなわち各引数に対してそれぞれ線型写像となっている二変数函数のうち、スカラー空間へマップするものを言う。
具体的に、係数体 F 上のベクトル空間 V で定義される双線型形式 B: V × V → F は
- B(u + v, w) = B(u, w) + B(v, w)
- B(u, v + w) = B(u, v) + B(u, w)
- B(λu, v) = B(u, λv) = λB(u, v)
を満たす。
- 双線型形式の定義は、線型写像を加群の準同型に置き換えることで、可換環上の加群へも拡張できる。
- 係数体 F が複素数体 C の場合には、双線型形式ではなく半双線型形式(双線型形式と似るが、一方の引数に関して線型かつ他方の引数に関して共役線型(conjugate linear) となるような写像)を考えるほうが自然である。
座標による表現
V ≅ Fn は n-次元ベクトル空間で {e1, ..., en} がその基底を与えるものとする。n × n 行列 A は A = (B(ei, ej)) で定義され、ベクトル v, w をこの基底に関して表す n × 1 行列をそれぞれ x, y であるとすれば
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