サンゴジュハムシとは? わかりやすく解説

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珊瑚樹金花虫

読み方:サンゴジュハムシ(sangojuhamushi)

ハムシ科昆虫


サンゴジュハムシ

節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 ハムシ科 Chrysomelidae(ヒゲナガハムシ亜科 Galerucinae)
ハムシ類 Chrysomelidae

サンゴジュハムシ

この害虫属する群
主な種類
サンゴジュハムシ Pyrrhalta humeralis (Chen)
ニレハムシ Pyrrhalta maculicollis (Motschulsky)
形態
 体長6~7mm褐色で、体全体黄白色の微毛を密生する。サンゴジュハムシはニレハムシよりも体型がやや丸く厚味があり、胸部から頭部にかけてより幅広い
分布
 北海道本州四国九州分布し、サンゴジュハムシは沖縄諸島にも分布する
被害
 庭木公園植栽街路樹害虫で、サンゴジュハムシはサンゴジュガマズミニレハムシケヤキニレエノキなどの食害する
 街路樹から発生した場合には、多数幼虫店内住宅徘徊して侵入し、不快がられたり衣類への体液によるシミ汚染問題となることもある。また成虫家屋内に飛来することもある。
生態
 サンゴジュハムシは5~6月出現し中に卵を約10産み、その表面を糞で塗布する。卵で越冬し初春から幼虫新芽食べて成長し羽化後は成虫同じく食害して穴だらけにする。
 ニレハムシ成虫越冬し4月下旬から現れ新葉食害し、間もなく卵塊産みつける幼虫葉脈残して食べるため、透明な網目状食痕を残す。いずれも幼虫地面降りて徘徊し土中となる。

サンゴジュハムシ

和名:サンゴジュハムシ
学名Pyrrhalta humeralis Chen
    コウチュウ目ハムシ科
分布北海道本州四国九州沖縄諸島沖縄本島中国
 
写真(上):サンゴジュハムシ成虫8月
写真(下):幼虫4月
説明
成虫体長6-7mm,全体淡褐色,頭と胸黒点幼虫10mm,全体黄褐色胴部多く黒点サンゴジュガマズミ等,幼虫成虫とも食べる。ニワトコと書いてあるのがあるがまず間違い。年1回,卵越冬春に孵化した幼虫新葉をなめるように,大きくなるアナをあけて食害5月には老熟し土中もぐって蛹化6月羽化羽化直後はたくさん食べるが真夏にはあまり食べなくなり秋になると短日反応して食べる量がふえて産卵する10卵くらいの卵塊近く産卵しそれを糞のようなものでカサブタ状に覆う。
サンゴジュハムシ成虫(8月)

幼虫(4月)


珊瑚樹葉虫

読み方:サンゴジュハムシ(sangojuhamushi)

ハムシ科昆虫

学名 Pyrrhalta humeralis


珊瑚樹金花虫

読み方:サンゴジュハムシ(sangojuhamushi)

ハムシ科昆虫

学名 Pyrrhalta humeralis


サンゴジュハムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/22 13:43 UTC 版)

サンゴジュハムシ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目 Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : ハムシ上科 Chrysomeloidea
: ハムシ科 Chrysomelidae
亜科 : ヒゲナガハムシ亜科 Galerucinae
: Galerucini
: ケブカハムシ属 Pyrrhalta
: サンゴジュハムシ P. lineatipes
学名
Pyrrhalta lineatipes (Takei, 1916)
シノニム
  • Galerucella humeralis Chen, 1942
  • Galerucella lineatipes Takei, 1916
  • Pyrrhalta humeralis (Chen, 1942)

サンゴジュハムシ[1](別名: サンゴジュウスバヒゲナガハムシ[2][1]; 学名: Pyrrhalta lineatipes)は、ハムシ科昆虫の一種である。人間にとってはサンゴジュの主要な害虫である。

学名

中段左: Galerucella lineatipesレクトタイプ(北海道大学所蔵)。
中段右: レクトタイプのラベル。「群馬」との表記が見える[3]

サンゴジュハムシは1942年、中国の陳世驤中国語版によりイチゴハムシ属英語版Galerucella humeralis として新種記載され[4]、1961年に日本の中根猛彦スペイン語版木本新作英語版の手によりケブカハムシ属(Pyrrhalta)に移された[5]。以来本種は日本において約半世紀の間、Pyrrhalta humeralis として扱われてきた[2][1]

しかし2021年5月20日、台湾省行政院農学試験所の李奇峯メンデル大学ブルノ英語版チェコ)のヤン・ベズジェクは上述の Pyrrhalta humeralisPyrrhalta lineatipesシノニムとする論文を発表した[6]。後者は元々1916年に日本の武井武一によりクロスヂアシハムシ(Galerucella lineatipes)として記載され[7]、その後にミソハギ(ケブカ)ハムシ(Galerucella (Neogalerucella) calmariensis (Linnaeus1767))のシノニムとして扱われていたものであった[8]。その記載時に用いられたタイプ標本北海道大学に所蔵されており、ミソハギハムシとは別種であるという結論が導き出されたのである[9]

特徴

形態的特徴

体長6.5ミリメートル内外、淡褐色、触角は黒色、各節基部は淡色[2]。頭頂部の大紋・前胸背中央(前縁に達する[1])および両側の縦紋・長めの肩紋・小盾板・脛節外縁は黒色[2]。頭胸背は微細印刻と弱い小点刻を有し、やや皺状で光沢鈍く、上翅も小点刻や短毛をやや密に有する[2]

生態

サンゴジュガマズミゴマギといったガマズミ科ガマズミ属の木本の葉を食べる[1]。しばしば大量発生し、生け垣のサンゴジュに損害を与える[1]。卵を小枝に固めて産みつけて分泌物で覆い、越冬させる[1]。幼虫は葉を食べ、成長すると地中に潜り、となる[1]。成虫は5-10月に出現するが、そのうち7-8月は夏眠期である[1]

分布

日本北海道本州四国九州壱岐対馬沖縄本島[2])、大韓民国中華人民共和国台湾黒竜江省吉林省遼寧省甘粛省寧夏回族自治区陝西省山西省安徽省浙江省広東省広西チワン族自治区湖南省湖北省重慶貴州省四川省雲南省)に分布する[10]

ケブカハムシ属

ケブカハムシ属(Pyrrhalta)は旧北区に77種が知られる[11]。日本にはこのうち10種以上の記録があり、サンゴジュハムシを除く種は以下の通りである[11]

また次の3種は日本には分布しないが、和名がつけられている[20]

ケブカハムシ属から除外された種

次の5種は 木元 & 滝沢 (1994) ではケブカハムシ属とされていたが、別属に置かれる[23]

クロヒゲケブカハムシ Pyrrhalta nigricornis Ohno, 1962 はアマミウスバハムシ Menippus issikii (Chûjô, 1961)(シノニム: Issikia issikii (Chûjô, 1961))のシノニムとされている[26]

脚注

注釈

  1. ^ この属はケブカハムシの亜属扱いとされることもある[24]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 尾園 (2014:52).
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 滝沢 (2007:385).
  3. ^ Lee & Bezděk (2021:89).
  4. ^ Chen, S.H. (1942). “Galerucinae nouveaux de la faune chinoise”. Notes d’Entomologie Chinoise 9: 9–67. https://www.google.co.jp/books/edition/Notes_d_entomologie_chinoise/2K8PAAAAIAAJ?hl=ja&gbpv=0. 
  5. ^ Nakane, T.; Kimoto, S. (1961). “A list of chrysomelid-beetles collected by Dr. T. Shiraki from the Loochoo Islands, with descriptions of new species I (Coleoptera)”. 昆蟲 29 (1): 21. https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F10649985&contentNo=1. 
  6. ^ Lee & Bezděk (2021:1, 87, 90).
  7. ^ 武井, 武一 (1916). “余の採集に係る新種に就きて (承前)”. 昆蟲世界 20 (6): 255. https://www.biodiversitylibrary.org/page/40908096. 
  8. ^ Lee & Bezděk (2021:1, 90).
  9. ^ Lee & Bezděk (2021:90).
  10. ^ Beenen (2024:394).
  11. ^ a b Beenen (2024:393–395).
  12. ^ a b c d 尾園 (2014:51).
  13. ^ 大野 (1971:65).
  14. ^ 木本, 新作; 日浦, 勇 (1971). “大阪市立自然科学博物館に所蔵されるハムシ類標本(第三報)”. Bulletin of the Osaka Museum of Natural History 25: 15. https://www.omnh.jp/publication/bulletin/bulletin/25/25-001.pdf. 
  15. ^ a b c d e f g h 大野 (1971:66).
  16. ^ a b c d 滝沢 (2007:386).
  17. ^ a b c d 尾園 (2014:50).
  18. ^ 滝沢 (2007:386).
  19. ^ 大野 (1971:67).
  20. ^ 木元 (2003).
  21. ^ a b Beenen (2024:394).
  22. ^ Beenen (2024:395).
  23. ^ Beenen (2024:388, 398).
  24. ^ 滝沢 (2007:385–386).
  25. ^ 木元 & 滝沢 (1994:147).
  26. ^ Beenen (2024:391).

参考文献

日本語
英語
  • Lee, C.-F.; Bezděk, J. (2021). “Revision of the genera Xanthogaleruca Laboissière, 1932 and Pyrrhalta Joannis, 1865 (Coleoptera, Chrysomelidae, Galerucinae) of Taiwan, with type designation of Galerucella lineatipes Takei”. ZooKeys 1039: 1–108. doi:10.3897/zookeys.1039.64740. 
  • Beenen, R. 2024. Supertribe Galerucitae Latreille, 1802. Pp. 378–468. In: Bezděk, J. & Sekerka, L. (eds.) Catalogue of Palaearctic Coleoptera, Volume 6/2/1. Updated and Revised Second Edition. Chrysomeloidea II (Orsodacnidae, Megalopodidae, Chrysomelidae) – Part 1. Leiden, The Netherlands: Brill, p. 394. ISBN 978-90-04-44330-3 (E-Book). doi:10.1163/9789004443303_003ウィキペディア図書館

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