ウエスレアンアルミニアン神学とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ウエスレアンアルミニアン神学の意味・解説 

ウエスレアン・アルミニアン神学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/08 14:56 UTC 版)

ウェスレー・アルミニウス主義(ウェスレー・アールミニウスしゅぎ)、あるいはウェスレイアン=アールミニアン神学(ウェスレイアン=アールミニアンしんがく)は、基本的にはアールミニウス主義神学の範疇に入るが、それを18世紀ジョン・ウェスレーが展開させたキリスト教の神学的潮流である。

ウェスレーの名が付せられるのは、ウェスレーによる展開において、幾つかの顕著な点が現れてきたからである。

「先行的恩寵」の概念の明確化

ウェスレーは、アダム以来の人類の「全的堕落」を説くことにおいて、ヤーコブス・アールミニウスより一層明確であった。「全的堕落」の教えにおいては、ジャン・カルヴァンの神学(カルヴァン主義)と、ウェスレーの神学との間に差は見受けられない。両者とも、人は生まれつきのままでは、神による福音のお召しに対して応答する能力を欠いていると理解する。この点において、カルヴァンもウェスレーも同じ土俵の上にあった。しかし一方、カルヴァンが神の選びの教理にその解決を求めたのに対して、ウェスレーは、キリストの贖罪の普遍性にその解決を見出した。カルヴァンは、神の聖定によって選ばれた者のみが救いに与り、キリストにあって義とせられるとした。ウェスレーは、すべての人はアダムの堕罪ゆえに全的に堕落しているが、キリストの磔刑上の死を通して、神の恵みはすべての人に注がれている。その恵みによって、人は恢復された自由意志を用いて、福音の召しに応ずることができるとした。この救い以前にすべての人に与えられた無償の恵みを、救いに先立つので「先行的恩寵」という。「全的堕落」の教理は「先行的恩寵」の教理と対にして説かれなければならない、とウェスレーは主張した。

限定的贖罪の否定

ウェスレーは、限定的贖罪という概念を承服することができなかった。ウェスレーにとって、そのように教えることは、ある人の滅びを、その人の責任ではなく、そのように定めた神の責任としてしまうこととなると考えたからである。キリストの十字架のみ業は、ウェスレーにとって、あくまで全人類のもので、救いの備えは全人類のためになされた。それを拒否して滅びに向かうのは、邪悪な人の自由意志の行使であって神の聖定によるのではないというのが、ウェスレーの聖書の理解であった(テモテへの第一の手紙 2:4)。ウェスレーの先祖は、イングランド国教会には所属せず、独立会派に属していた。しかしウェスレーは、当時のイングランドの独立会派の教職たちの多くが、ヨーロッパの改革派の影響の下にあって、強硬に限定贖罪説を説くことを憂えて、より穏健なイングランド国教会を選んだ経緯がある。

永久保全・聖徒の堅忍への反対

ウェスレーはまた聖徒の永遠堅持を否定した。ウェスレーにとって、聖書に見出される信仰からの堕落への警戒のことばの数々は、一度持った信仰を再び失う可能性を示すに十分な証拠であった。ウェスレーは、普通にそのアルミニウス主義によって正しい間違いの無い正統的な信仰の信者は信仰の恩寵によって神の力に守られ、脱落、または背教する必要性または必然性はないと語ったが、その若しもの可能性を否定することは可能では無いと理解した。

参考文献

  • 『ウェスレイアン神学事典』リチャード・テーラー編 福音文書刊行会
  • 『伝道の歴史的探究』メンデル・テイラー 福音文書刊行会
  • 『カルヴィニズムの5特質』エドウィン・H・パーマー つのぶえ社
  • 『福音主義キリスト教と福音派』宇田進 いのちのことば社

ウエスレアン・アルミニアン神学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 03:22 UTC 版)

回心」の記事における「ウエスレアン・アルミニアン神学」の解説

ウエスレアン・アルミニアン神学では形式上信者が、心から信じるようになる体験第二の回心)を意味する場合もある。

※この「ウエスレアン・アルミニアン神学」の解説は、「回心」の解説の一部です。
「ウエスレアン・アルミニアン神学」を含む「回心」の記事については、「回心」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ウエスレアンアルミニアン神学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ウエスレアンアルミニアン神学」の関連用語

ウエスレアンアルミニアン神学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ウエスレアンアルミニアン神学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウエスレアン・アルミニアン神学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの回心 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS