皇帝教皇主義とは? わかりやすく解説

こうていきょうこうしゅぎ 【皇帝教皇主義】

Caesaropapism英)皇帝同時にローマ教皇でもあるという原則。俗首長たる皇帝が、教権首長たる教皇位置に立つことで、国権教権規制する立場ビザンチン東ローマ皇帝帝政ロシア皇帝がこれに類する国家教会の関係を示す造語

皇帝教皇主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/04 04:21 UTC 版)

皇帝教皇主義(こうていきょうこうしゅぎ、カエサロパピスム Caesaropapism)とは、東ローマ帝国においては、帝権が教権に優越し、皇帝は教皇であったとして、国家が教会を強く管理していたとする説[1]。広義には東ローマ帝国に限らず、歴史上でキリスト教に対して超越した権威を持った世俗の権力者の統治体制を指して用いられることもある。「Caesaropapism」は皇帝(世俗の権威)を表す「Caesar」と教皇(教会の権威)を表す「Papa」を組み合わせて作られた言葉である。


  1. ^ a b c 『山川 世界史小辞典』230頁、山川出版社; 改訂新版 (2004/01)
  2. ^ a b c d e 根津 p15, 2008
  3. ^ 高橋(1980: 87-91)
  4. ^ 根津由喜夫『ビザンツ 幻影の世界帝国』(講談社選書メチエ)269頁参照
  5. ^ a b チャップマン p38, 2013
  6. ^ チャップマン p34, 2013
  7. ^ a b チャップマン p35, 2013
  8. ^ 離婚についての国内の決定に反対してローマ教皇に上訴することが禁じられた法。
  9. ^ チャップマン p36, 2013
  10. ^ 橋爪大三郎・大沢真幸『ふしぎなキリスト教』講談社現代新書、2011年5月20日、p256-257
  11. ^ a b c マックス・ウェーバー『経済と社会 支配の社会学 II』世良晃志郎訳、創文社、1962年4月30日、p531


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皇帝教皇主義

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東ローマ帝国」の記事における「皇帝教皇主義」の解説

詳細は「皇帝教皇主義」および「ビザンティン・ハーモニー」を参照 カノッサの屈辱象徴される中世西欧強力な教皇権力に比して東ローマ帝国キリスト教会いわゆるビザンティン教会はいわば皇帝権力の内あるいは下の位置甘んじていた。正教会トップである総主教交代さえ皇帝意のままだった。このような関係を歴史学の用語で皇帝教皇主義と言い東ローマ帝国はその典型である。 しかしこの通説には大きな語弊がある確かに東ローマ帝国では西ヨーロッパのように神聖ローマ帝国皇帝」とローマ教皇」が並立せず、皇帝が「地上における神の代理人」であり、コンスタンティノポリス総主教等の任免有していた。しかし、正教会において教義最終決定権あくまでも教会会議にある。聖像破壊運動終結させた第七全地公会も、主催エイレーネーよるものの、決定したのはあくまで公会議である。ローマ教皇のような一方的に教義決定できる唯一の首位占め存在といったシステム正教会そもそも無い以上、皇帝ローマ教皇のように振舞え道理無かった実際9世紀皇帝バシレイオス1世発布した法律書『エパナゴゲー』では、国家教会統一体であるが、皇帝総主教権力並立し、皇帝臣下物質的幸福を、総主教精神安寧司り両者緊密に連携し合うもの、とされていた。また皇帝教会対す命令が、教会側の抵抗によって覆されるということもしばしばあった。[要出典]

※この「皇帝教皇主義」の解説は、「東ローマ帝国」の解説の一部です。
「皇帝教皇主義」を含む「東ローマ帝国」の記事については、「東ローマ帝国」の概要を参照ください。

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