ヴェーバーの語法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 02:04 UTC 版)
なお、社会学者のマックス・ヴェーバーも本記事冒頭で述べたような、東ローマ帝国に見られる皇帝が教会の長を兼ねる制度という意味で皇帝教皇主義という語を用いていたとされることがあるが、これは正確ではない。まず、ヴェーバーは「皇帝教皇主義(ツェザロパピスムス) ― すなわち祭司権力の世俗権力への完全な屈服」と述べており、世俗権力の長と祭司権力の長の人的一致をその要件としていない。また、皇帝教皇主義を「完全に純粋な形では、厳格に理解するなら、歴史の上では証明されえないもの」としており、ヴェーバーは一種の理念型としてこの語を用いている。そして、いくぶんかの皇帝教皇主義的性質を持つ国の例として東ローマや正教圏の国々の他にも中国、トルコ、ペルシア、近代西欧の国教会制度をとる国々といった多くの例を挙げており、東ローマ特有のものとは考えていなかったことがわかる。
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