イメージからの脱却
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 16:00 UTC 版)
「じゃない方芸人」の記事における「イメージからの脱却」の解説
「じゃない方芸人」と呼ばれる芸人には、Wコロン(木曽さんちゅう・ねづっち)の木曽、バッドナイス(内田英輔・バッドナイス常田)の内田、キラキラ関係(ななえ・ワタリ119)のななえのようにそのイメージを払拭する機会を得ないままコンビ解散に至ったり、解散しないまでもアンタッチャブルのように柴田のコンビ再開希望に山崎が応じず、活路を見出すことが困難といったケースも散見された。 しかし中には、かつて「じゃない方」と揶揄されながらその後に思わぬ才能が認められ、広く活躍している例も少なくない。先述のペリー荻野は、「じゃない方芸人」は相方の魅力を引き出す力量がある分、自身が人気を博す力量も備えていると述べている。博多華丸・大吉の大吉も、『アメトーーク!』での自虐的なトークで個性を確立した。 オアシズは当初光浦にのみ仕事が舞い込む一方、大久保は仕事が激減しOLを勤めつつ細々と仕事を続ける日々であった。しかし光浦がレギュラー出演していた『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)に大久保が出演時、彼女の下ネタが受けてそれ以来「毒舌キャラクター」「性欲旺盛な肉食キャラクター」として人気を確立、テレビへの露出増加に繋がり「深夜番組の女王」との異名も生まれた。この陰には光浦が大久保の面白さを先輩芸人にアピールして売り込むなど、光浦の陰の功績があったとされる。ペギー荻野は、先に人気を得た相方はそのイメージを壊すことが困難な反面、「じゃない方芸人」はこの大久保のように開き直りや自由な芸ができる強みもあると分析している。 松口VS小林(松口祐樹・小林友治)の松口は小林ことケンドーコバヤシに格差をつけられた後、1995年(平成7年)にコンビ解散。新たな漫才コンビであるハリガネロックを結成し、『M-1グランプリ』『爆笑オンエアバトル チャンピオン大会』『ABCお笑い新人グランプリ』『NHK上方漫才コンテスト』といった多くの大型漫才コンテストで好成績を収めた。しかし2014年(平成26年)に解散し、その解散劇を綴った松口の著書『芸人迷子』もまた話題を呼んだ。 バイきんぐの西村は、相方の小峠が多くの番組の出演をこなす一方で当初は「地味」「トークの技術が低い」などと揶揄されていた。しかし後には『アメトーーク!』や『水曜日のダウンタウン』などの出演がきっかけで、天然ボケや不思議なトークで注目を集め始めており、『陸海空 地球征服するなんて』(テレビ朝日)内の企画「激安! いいね! アース」では主役を務めた。2018年以降は、ロケやソロキャンプでの注目も増えて「地味」のイメージから脱却しつつある。 「じゃない方芸人の筆頭格」との声すらあったナイツ(土屋伸之・塙宣之)の土屋も、番組内のフリートークでの力を評価されトーク番組など活躍の場を広げている。 南海キャンディーズは、山崎が独特なハスキーボイスや芸風で注目され女優業など単体での仕事が舞い込む反面、山里の方は仕事が激減していた。しかし山里はブレイク前のAKB48に逸早く注目して「アイドルオタク芸人」としての道を切り開き、AKB48グループじゃんけん大会のレフェリーに抜擢された。その結果あるいは代償としてネットが炎上しファンを敵に回したが、それが却って視聴者の印象に残り、ナレーションや司会業など数々のレギュラー番組を抱えるようになった。この山里の手腕はマツコ・デラックスにより「ビジュアル以外はすごい」と絶賛されている。 三四郎の相田も、当初の漫才では小宮の引き立て役のイメージが強かったが2017年(平成29年)の『ゴッドタン』(テレビ東京)出演時の企画をきっかけにトークにおける個性が顕在化し、ラジオ番組『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送、2019年〈平成31年〉4月からは『オールナイトニッポン』に昇格)やテレビ番組のトークでも活躍し、ナレーターとしても落ち着いた声質を評価されている。 他にも、『ノンストップ!』(フジテレビ)の司会抜擢を機にお茶の間での人気を得たバナナマン(設楽統・日村勇紀)の設楽、文才を生かして著書を20万部売り上げたロザン(菅広文・宇治原史規)の菅、即興で歌を創る芸により『アメトーーク!』で特集を企画されるほどになった森三中(大島美幸・村上知子・黒沢かずこ)の黒沢、過去の料理人経験を活かして居酒屋のフランチャイズオーナーを務めるハイキングウォーキング(松田洋昌・鈴木Q太郎)の松田、文才を生かした雑誌コラムやアニメ関連の仕事をこなすハライチ(岩井勇気・澤部佑)の岩井、ラジオ番組の出演で個性を引き出されたダイノジ(大地洋輔・大谷ノブ彦)の大谷やウーマンラッシュアワー(中川パラダイス・村本大輔)の中川といった面々もいる。ハライチの岩井もまたラジオ番組『デブッタンテ』(TBSラジオ)に出演していたが、自分は外見的にテレビ向きではなくラジオでこそ内面を発揮できたと語っている。 変わり種として元自衛官の経歴を持ち、「じゃない方芸人」と呼ばれるようになった後も予備自衛官として訓練を継続して防衛招集に備えているフルーツポンチ(村上健志・亘健太郎)の亘、腎臓がんの公表により注目を浴びたはんにゃの川島の例がある。
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