3代目 S5#型(1967年 - 1971年)
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「トヨタ・クラウン」の記事における「3代目 S5#型(1967年 - 1971年)」の解説
先代よりも低く、長くなったスタイリングは「日本の美」をテーマとしたもので、トヨタ自動車工業が前年に完成させたデザイン・ドームから生まれた最初の車種である。この代から、その後、歴代のクラウンにおいて長年伝統となったペリメーターフレームが初めて採用された(ペリメーターフレームはこの直前からGMが広く採用した方式である)。これによって床が低くなり、曲面ガラスの採用とあいまって居住性が向上している。また静粛性向上策として、遮音材の多用をはじめとした各種対策を施し、広告でも車内の静かさを強くアピールした。 先代をもってマスターラインは廃止され、商用車系(バン、ピックアップ)にもクラウンの名が与えられるようになる。「バン」とステーションワゴンの「カスタム」は共通の車体であったが、内外装、装備、最終減速比の差の他、バックドアでも差別化が図られている。リヤウインドウはどちらも昇降式であるが、バックドアはバンがピックアップと同様の下開きであるのに対し、カスタムでは右側にヒンジのある横開きとされた。さらに、荷室にジャンプシート(床収納式の補助席)が設けられ、8人乗りとなっている。 グレードはM型エンジン搭載車が「クラウンS」、「スーパーデラックス」、「デラックス」、「オーナーデラックス」、「スタンダード」、5R型エンジン搭載車は「オーナースペシャル」、「スタンダード」という構成で、完全に6気筒モデルが中心となった。スーパーデラックスには電磁式トランクオープナーや完全自動選局式AM/FMラジオ、音叉時計、後席専用の読書灯、防眩ぼかし入りフロント合わせガラスといった豪華装備のほか、安全装備としてヘッドレストが採用されている。また、新設された「オーナーデラックス」は個人ユーザー層をターゲットとしたグレードで、デラックスに準じた内外装や装備を持ちながら、88万円(東京・大阪店頭渡し)という、当時の高級車としては低廉な価格が設定された。 販売面では、公用車や社用車向けと言ったイメージからの脱却を図るべく、クラウンを自家用車として使用する個人ユーザー層へ向けた広告展開が行われる。1965年に車体色に関する規制がなくなったことを受け、「白いクラウン」のキャッチフレーズと共に、洗練された高級感を想起させる白をテーマカラーとした「オーナーデラックス」と、クラス初、クラウン初となる2ドアハードトップをイメージリーダーとして訴求するキャンペーンが実施された。 1967年9月4日 - 発表。 1967年9月13日 - 発売。この代よりリアのナンバープレートが乗用車(後に登場するハードトップ含む)モデルがバンパーに、商用車・ステーションワゴンモデルは車体部の位置にくるデザインとなる。 1968年10月 - 個人ユーザー層の拡大を図る目的でクラス初となる2ドアハードトップを追加。角型2灯ヘッドランプがスタイリングの特徴となった。グレードはシングルキャブレターのM型エンジンを搭載した基本グレードの「ハードトップ」、およびツインキャブレターのM-B型エンジンを搭載したスポーティーグレードの「ハードトップ SL」という構成で、SLと入れ替わる形で「クラウンS」が廃止される。オプションでレザートップ装着車も設定された。 1969年9月 - マイナーチェンジ。内外装が変更されたほか、ハードトップにも「スーパーデラックス」が追加される。セダンの「スーパーデラックス」のみ、前席の三角窓が廃止された。 3代目の生産終了前月までの新車登録台数の累計は27万7641台。 ピックアップ(1967年型) 救急車(1969年型) セダン スーパーデラックス リヤ(1969年型) 2ドアハードトップ(1969年型)
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