その他の導入車種
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メルセデス・ベンツ・500Nニュルブルク・プルマン・リムジン(1943年 - ) 第二次世界大戦中に、三井家より皇室へ献上された。黒塗りの地味なボディであり、万一空襲などで避難される際は、目立たないこの車を使用して欲しいとの配慮による。装甲板で補強された特装車であった。 パッカード・スーパー・エイト(1919年 - ) 第二次世界大戦後の戦後復興期に行われた昭和天皇の全国巡幸で、1936年(昭和11年)の幌型車が使用された。 1920年代から1930年代後期にかけて数多く輸入された車種であり、1940年代後期まで、随員を乗せて御料車に随行する用途に好んで用いられた。 デイムラー・ストレートエイト・リムジン(1953年 - ) 皇太子明仁親王(現在の上皇陛下)が、昭和天皇の名代でエリザベス2世の戴冠式に列席したときにイギリスで購入した。 ロールス・ロイス・シルバー・レイス(1957年 - ) キャデラックの代替として導入されたが、正式な御料車としての導入ではなく、メルセデス・ベンツ770と併用された。 ロールス・ロイス・ファントムV(1961年) 上記のシルバー・レイスの代替として導入されたが、こちらも正式な御料車としての導入ではなく、メルセデス・ベンツ770および日産・プリンスロイヤルと併用された。1961年型とヘッドライトが4灯になった1963年型があった。 ロールス・ロイス・コーニッシュIII(1990年 - ) 儀装馬車に代わるパレード用のオープンカーとして採用された。1990年(平成2年)に行われた第125代天皇(明仁)の即位の礼・祝賀御列の儀の際と、1993年(平成5年)に行われた皇太子夫妻の結婚祝賀パレードの際に使用されただけで、以降は出番がなく、展示のためにボディは磨かれていたが、2018年時点で車検切れで公道走行は不可能となっていた。修理に多額の費用がかかることから、後述の3代目トヨタ・センチュリーの特別仕様のオープンカーに代替された。なお、自動車評論家の小林彰太郎は、公式パレードに2ドア車を使用することは国際的なプロトコルに反し(通常公式の場では、後部座席への乗り降りに適した4ドア車を使用する)、また、コーニッシュはロールス・ロイス車のなかでも前席優先の完全なプライベート向け車種であるため、公式パレードへの採用は不適切であるとして強く批判していた。 トヨタ・センチュリー 2019年(令和元年)11月時点で「皇」ナンバーと「品川」ナンバーが複数使用されており、2019年(平成31年/令和元年)に導入された「皇9」からベース車が2代目 GZG5#型から3代目 UWG60型に変更された。また、第126代天皇徳仁の即位の礼・祝賀御列の儀に使用するためにコーニッシュIIIの代替車として3代目をベースとした特別仕様のオープンカーが1台製作され約8000万円で納入された。このオープンカーは2019年11月に「皇10」のナンバープレートを付けて祝賀御列の儀と伊勢神宮内宮への親謁の儀で使用された後、内閣府に移管されて御料車専用ナンバープレートと菊の紋章が取り外された。以後は2020年東京オリンピック後のパレードなどに利用される予定。 メルセデス・ベンツ・460ニュルブルク(同型車) パッカード・スーパー・エイト(同型車) ロールス・ロイス・シルバー・レイス(同型車) ロールス・ロイス・ファントムV(同型車) ロールス・ロイス・コーニッシュⅢ(2009年撮影)
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