イメージとは何か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 22:30 UTC 版)
現代の研究者たちがこのような経験について、イメージ(または、「心的イメージ」・「イマージュ」・「心像」)は知覚のどのモードでも起こり得るとしているため、人は、聴覚イメージ(Reisberg, 1992年)、嗅覚イメージ(Bensafi et al., 2003年)、その他の諸イメージを経験することが可能となる。とはいえ、この問題についての哲学的及び科学的研究のほとんど大部分は、「視覚」イメージを中心の主題としている。人類と同様に、多様な種類の動物たちがまた、心的イメージを経験する能力を有すると広く推定されている。しかし、この現象の根本的に主観的な性質からして、この推定を支持する証拠も、反駁する証拠も、見出すことはできない。 バークレー、そしてヒュームのような哲学者や、ヴント及びジェイムズのような初期の経験主義心理学者は、一般に観念(ideas)が心的イメージであると考えていた。今日にあっては、イメージは心的表象として働き、記憶と思考において重要な役割を果たしていると広く信じられている(Allan Paivio, 1986年、Kieran Egan, 1992年、Lawrence W. Barsalou, 1999年、Prinz, 2002年)。 実際、ある研究者は、イメージとは「定義からして」内的で、心的またはニューラルな表象(representation)の形式として理解するのが最も妥当だと示唆するまでに至っている(Ned Block, 1983年; Stephen Kosslyn, 1983年)。とはいえ、別の研究者は、イメージの知覚経験とは、心または大脳におけるこのような表象といかなる意味でも同等ではないし、このような表象から直接に導かれる訳でもないと主張している(サルトル, 1940年、ギルバート・ライル, 1949年、スキナー, 1974年、Thomas, 1999年、Bartolomeo, 2002年、Bennett & Hacker, 2003年)。
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