アポストロフィ (')
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/14 02:24 UTC 版)
『アポストロフィ (')』 | ||||
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フランク・ザッパ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | 1974年4月22日 | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | 32分02秒 | |||
レーベル | ディスクリート・レコード | |||
プロデュース | フランク・ザッパ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
フランク・ザッパ 年表 | ||||
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アポストロフィ (')(Apostrophe ('))は、フランク・ザッパが1974年に発表したアルバム。
目次
解説
前作『オーヴァーナイト・センセーション』に引き続き、ザッパ自身のボーカルを前面に押し出した内容。ザッパの作品としては初めて、『ビルボード』誌のアルバム・チャートのトップ10に達した[2]。
冒頭の4曲は曲間なしのメドレーとして収録され、「ドント・イート・ジ・イエロー・スノー」と「ナヌーク・ラブズ・イット」は、ナヌークという名のエスキモーを主人公とした連作。「ドント・イート・ジ・イエロー・スノー」は、ピッツバーグのラジオ局のDJにより、ノヴェルティ・レコードとして紹介されたことでローカル・ヒットし[3]、最終的には全米86位のヒット・シングルとなった。タイトル曲「アポストロフィ (')」は、ジャック・ブルースとジム・ゴードンを迎えたトリオ編成で録音され[4]、ジャック・ブルースのCDボックス・セット『Can You Follow?』(2008年)のCD Fourにも収録された。
アルバムは前作に引き続き、ステレオ・ミックス版と4chミックス版の2種が発売された。初CD化の1986年版CDから1987年のLPボックス『THE OLD MASTERS BOX THREE』を含み、1995年のFZ最終承認版まで4chミックス版が使われてきた。
しかし、1996年のAu20版(RYKODISCによる20bitマスター24金CD)ではステレオ・ミックス・マスターが使われた。以後、通常版(FZ最終承認版)もAu20版と同じマスターに差し替えられた。(2001年、日本での紙ジャケット仕様版のみ1995年版が使われている)
収録曲
特記なき楽曲はフランク・ザッパ作。7.はインストゥルメンタル。
- ドント・イート・ジ・イエロー・スノー (Don't Eat the Yellow Snow) - 2:07
- ナヌーク・ラブズ・イット (Nanook Rubs It) - 4:38
- セント・アルフォンソズ・パンケイク・ブレックファスト (St. Alfonzo's Pancake Breakfast) - 1:50
- ファーザー・オブリヴィオン (Father O'blivion) - 2:18
- コズミック・デブリス (Cosmik Debris) - 4:14
- エキセントリフューガル・フォルツ (Excentrifugal Forz) - 1:33
- アポストロフィ (') (Apostrophe') - Frank Zappa, Jack Bruce, Jim Gordon - 5:50
- アンクル・リーマス (Uncle Remus) - F. Zappa, George Duke - 2:44
- スティンク・フット (Stink-Foot) - 6:33
参加ミュージシャン
- フランク・ザッパ - ボーカル、ギター、ベース
- トニー・デュラン - リズムギター(on 7.)
- ジョージ・デューク - キーボード、バッキング・ボーカル
- ジャック・ブルース - ベース
- Erroneous - ベース
- トム・ファウラー - ベース
- ジム・ゴードン - ドラムス
- ジョン・ゲリン - ドラムス
- エインズレー・ダンバー - ドラムス
- ラルフ・ハンフリー - ドラムス
- ドン・"シュガーケイン"・ハリス - ヴァイオリン
- ジャン=リュック・ポンティ - ヴァイオリン
- ルース・アンダーウッド - パーカッション
- イアン・アンダーウッド - サックス
- ナポレオン・マーフィー・ブロック - サックス、バッキング・ボーカル
- サル・マルケス - トランペット
- ブルース・ファウラー - トロンボーン
- レイ・コリンズ - バッキング・ボーカル
- ケリー・マクナブ - バッキング・ボーカル
- スージー・グローヴァー - バッキング・ボーカル
- ティナ・ターナー - バッキング・ボーカル (on 5. アンクレジット)
- デビー - バッキング・ボーカル (ジ・アイケッツ)
- リン - バッキング・ボーカル (ジ・アイケッツ)
- ルーベン・ラドロン・デ・ゲヴァラ - バッキング・ボーカル
- ロバート・"フロッグ"・カマレラ - バッキング・ボーカル
脚注
- ^ norwegiancharts.com - Frank Zappa - Apostrophe (')
- ^ a b Frank Zappa | Awards | AllMusic
- ^ 日本盤CD(VACK-5243)ライナーノーツ(工藤晴康、1995年7月)
- ^ Jack Bruce: Can You Follow -Track Listing-(ジャック・ブルース公式サイトより、2009年5月16日閲覧)
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アポストロフィー
アポストロフィー(英: apostrophe) は、アポストロフィ、アポストロフ(独: Apostroph、仏: apostrophe)とも呼び、欧文の約物の一つで、単語中(冒頭、途中、最後)で使われる記号である。コンマと同形であるが、コンマがベースライン上に打たれるのに対し、アポストロフィーは文字の上端に打たれる。
また、英語のシングルクォーテーションの特に閉じ形と同形とするフォントもある。類似の記号としてプライム、アキュート・アクセントなどがあるが、それぞれ別のものである。古くは省略符[1]と訳す文献もあった。
省略の表示
英語
英語では、音の省略に伴い文字を省略したことを表す。しばしば複数の単語が一語に綴られるのに伴う。所有を表す接語の -'s は、古英語の所有格語尾 -es に由来し、アポストロフィーは省略を表した。現代英語では、所有の接語と複数語尾が同じ音になったため、正書法ではそれぞれ -'s, -s と書き分ける。複数形の所有は、-s' で表される。
- the cat's (the cat + -'s)
- the cats (the + cats)
また、be動詞 および助動詞 (have, will) の接語形にもアポストロフィーを用いる。
- I'm ← I am
- you're ← you are
否定の not の接尾辞形には n't を用いる。不規則動詞でも同じ。
- aren't ← are not
- can't ← cannot
- don't ← do not
その他、音が省略された場合に、表記を発音に一致させるためアポストロフィーが使われる。
- 'cause ← because
- ev'ry ← every
- fo'c's'le または f'cle ← forecastle
- o'clock ← of the clock
- 'tis ← it is
また、省略表記を表すためにアポストロフィーを用いる[2]。この場合、発音は省略する前のままである。なお一般に語末の省略には終止符を用いる。
ドイツ語
ドイツ語でも音の省略に伴い文字を省略したことを表す。
- ist's ← ist es
- hab' ← habe
フランス語
- l'ami ← le ami
- j'aime ← je aime
- c'est ← ce est
また、省略に由来する語にも用いる。
- aujourd'hui ← au jour de hui
エスペラント
エスペラントでも音の省略に伴い文字を省略したことを示す。名詞語尾 -o を省略する場合や、母音で終わる前置詞の後ろにある定冠詞の母音 a を省略する場合に使われる。
- 名詞語尾 -o の省略
省略してもアクセントの位置は変わらない。対格や複数の名詞、-o で終わる相関詞は省略できない。- apostrof' ← apostrofo
- poezi' ← poezio
- 定冠詞末尾の a の省略
- de l' ← de la
- ĉe l' ← ĉe la
- je l' ← je la
- tra l' ← tra la
- pri l' ← pri la
- pro l' ← pro la
- その他
- dank'al ← danke al, danko al 「~のおかげで」 - 前置詞のように使う
- un', du, tri ← unu, du, tri 「いち、に、さん」- 声を出して数える場合などに、リズム合わせのため省略する
その他
- イタリア語では、2語を続けると生じる母音の連続を避けるために先行する母音を省略するときに使われる。この場合、先行する語と後続する語は1語に綴られる。
- 2桁の数字の前に置いて、西暦の年号の百位以上を省略したことを表す。2つの世紀に跨る文章の場合にはあまり使われない。
- '90 ← 1990年
- '04 ← 2004年
発音の表示
- 日本語のローマ字表記では下記の場合に使用する。
- 中国語や朝鮮語などのローマ字表記では、母音が連続する、ng の後に母音が続くなどで他の発音と混同のおそれがある場合に使用することがある。
- 西安 : Xi'an
- 中国語のウェード式や朝鮮語のマッキューン=ライシャワー式では、子音の後に置いて有気音(激音)を表す。
- キリル文字のラテン文字翻字で、ЬやЪに使用することがある。
- 声門破裂音 [ʔ] を表す。
- IPA の発音記号では、放出音を表すために、子音字の右に付す。Unicode では「ʼ」(U+02BC, modifier letter apostrophe)を使用する。
区切りの表示
- 英語で、文字や数詞の複数を表す s の前にアポストロフィーが置かれる。
- a's(文字「a」の複数)
- 50's(数「50」の複数)
- オランダ語では、複数を表すために使われる場合がある。
- foto's
- taxi's
fotos, taxis のように綴ると綴りと発音の関係から語末の母音が閉母音となり、単数形と発音が異なってしまうためである。
- ドイツ語では固有名詞に形容詞化語尾を付けたり、-s や -z などで終わる名詞の属格・複数を表したりするのに用いられる。
- Ohm'sch ← Ohm + 形容詞化語尾 -sch
- Andreas' = 固有名詞Andreasの属格
- Die Steinmetz' = 姓Steinmetzの複数(Steinmetz達の意)
類似の記号
プライム
日本ではダッシュと呼ぶことが多いが、別物である。
ハーチェク
- ダイアクリティカルマークの一種で、スロバキア語やチェコ語で、口蓋音を表すために、文字によりアポストロフィーに類似した記号が用いられる(「ˇ」を使用することもある)。
オキナ
- ʻ(オキナ、U+02BB)は、ハワイ語の声門破裂音を表すために用いられる。アポストロフィーで代用されることもあるが、正確な字形は異なり、上付きの6に似た形をしている。左シングルクォーテーションマークにも似ているが、クォーテーションマークが記号であるのに対し、オキナは文字である。
シングルクォート
- 引用符の一種で、間に文字列を挟むことにより引用符として用いる。アポストロフィーで挟むことにより代用することもある。
符号位置
プログラムコードやテキストエディタなどではU+0027
が使われるが、ユニコードコンソーシアムはU+2019
を推奨しており、英文ワードプロセッサなどではU+2019
が使われることが多い。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
' | U+0027 |
1-2-15 |
' ' |
アポストロフィ APOSTROPHE[表 1] |
' | U+FF07 |
1-2-15 包摂 |
' ' |
全角アポストロフィ FULLWIDTH APOSTROPHE[表 2] |
ʼ | U+02BC |
- |
ʼ ʼ |
MODIFIER LETTER APOSTROPHE[表 3] |
’ | U+2019 |
1-1-39 |
’ ’ |
右シングル引用符、右シングルクォーテーションマーク RIGHT SINGLE QUOTATION MARK[表 4][表 5] |
出典
- ^ “C0 Controls and Basic Latin” (PDF) (英語). ユニコードコンソーシアム. 2014年8月30日閲覧。 “2019 ’ is preferred for apostrophe”
- ^ “Halfwidth and Fullwidth Forms” (PDF) (英語). ユニコードコンソーシアム. 2022年8月31日閲覧。 “≈ <wide> 0027 '”
- ^ “Spacing Modifier Letters” (PDF) (英語). ユニコードコンソーシアム. 2022年8月31日閲覧。 “glottal stop, glottalization, ejective / 2019 ’ is the preferred character for a punctuation apostrophe”
- ^ “General Punctuation” (PDF) (英語). ユニコードコンソーシアム. 2014年8月30日閲覧。 “this is the preferred character to use for apostrophe”
- ^ moji_memo (id:NAOI) (2008年11月28日). “Unicodeのアポストロフィとシングル引用符”. 帰ってきた💫Unicode刑事〔デカ〕リターンズ. 2022年8月31日閲覧。 “〔Unicodeでは〕「句読点アポストロフィ」と「右シングル引用符」を区別していないこととなる”
脚注
参考文献
- 峰尾都治、内館忠蔵『英語の発音とアクセントの研究』東京・高岡本店、1924年。doi:10.11501/917074 。2020年3月10日閲覧。
アポストロフィ
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