ホット・ラッツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 04:38 UTC 版)
『ホット・ラッツ』 | ||||
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フランク・ザッパ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1969年7月18日 - 8月30日 | |||
ジャンル | ロック、ジャズ・ロック、チェンバー・ジャズ、フュージョン | |||
時間 | ||||
レーベル | ビザール・レコード リプリーズ・レコード |
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プロデュース | フランク・ザッパ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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フランク・ザッパ アルバム 年表 | ||||
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『ホット・ラッツ』(Hot Rats)は、フランク・ザッパが1969年に発表したアルバム。マザーズ・オブ・インヴェンションとの連名ではなく、『ランピー・グレイヴィ』(1968年)に続く、ザッパにとって2作目のソロ・アルバムとしてリリースされた。
解説
16トラックのマルチトラックレコーダーを用いてレコーディングされた。キャプテン・ビーフハートがボーカルで参加している「ウィリー・ザ・ピンプ」以外は全曲インストゥルメンタルで、即興演奏を重視した内容。本国アメリカよりもイギリスで高く評価され、全英9位の大ヒットとなったのに加え、イギリスの音楽専門誌『メロディ・メイカー』の人気投票でアルバム・オブ・ザ・イヤーに選出された[4]。
1987年にCD化された際、リミックスが施され、オリジナルLPでは短く編集されていた「ガンボ・ヴァリエーションズ」は、17分近いロング・ヴァージョンとなった[5]。
2019年12月20日、50周年記念6CDボックスセット『The Hot Rats Sessions』が発売された。
アートワーク
レコードの見開きジャケットのデザインはカル・シェンケルが行った。写真は表、裏ともにアンディ・ナサンソン(Andee Nathanson)が撮影した。赤外線写真を効果的に使っている。表のジャケットに写っている女性はクリスティーン・フルカ(通り名はミス・クリスティーン)。クリスティーンは1960年代末にロサンゼルスで結成された女性グループ「GTO's」のメンバーで、いわゆるグルーピーであった。フライング・ブリトー・ブラザーズのファースト・アルバム『黄金の城 (The Gilded Palace of Sin)』(1969年)に収録された「Christine's Tune」は、彼女に着想を得て書かれた作品と言われている。その後、1972年11月5日にヘロインの過剰摂取で死亡した[6]。
ミス・クリスティーンが身を沈めている穴は、ハリウッド・ヒルズにあるエロール・フリンの別荘のスイミング・プールである。
収録曲
全曲フランク・ザッパ作曲・編曲。楽曲のランニング・タイムはCDヴァージョンに基づく。
- サイド 1
- ピーチズ・エン・レガリア - "Peaches en Regalia" - 3:37
- ウィリー・ザ・ピンプ - "Willie the Pimp" - 9:16
- サン・オブ・ミスター・グリーン・ジーンズ - "Son of Mr. Green Genes" - 8:58
- サイド 2
- リトル・アンブレラズ - "Little Umbrellas" - 3:04
- ガンボ・ヴァリエーションズ - "The Gumbo Variations" - 16:55(オリジナルLPでは12:53)
- イット・マスト・ビー・ア・キャメル - "It Must Be a Camel" - 5:15
参加ミュージシャン
- フランク・ザッパ - ギター、パーカッション
- イアン・アンダーウッド - ピアノ、クラリネット、サックス
- キャプテン・ビーフハート - ボーカル (on 2)
- ドン・"シュガーケイン"・ハリス - ヴァイオリン (on 2、5)
- ジャン=リュック・ポンティ - ヴァイオリン (on 6)
- ロン・セリコ - ドラムス (on 1)
- ジョン・ゲラン - ドラムス (on 2、4、6)
- ポール・ハンフリー - ドラムス (on 3、5)
- シュギー・オーティス - ベース (on 1)
- マックス・ベネット - ベース (on 2-6)
- ローウェル・ジョージ[7] - ギター
脚注
- ^ dutchcharts.nl - Frank Zappa - Hot Rats
- ^ FRANK ZAPPA | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
- ^ Frank Zappa | Awards | AllMusic
- ^ 日本盤CD(VACK-5237)ライナーノーツ(岸野雄一、1994年9月)
- ^ The Gumbo Variations - Frank Zappa - Listen, Appearances, Song Review: AllMusic
- ^ SickthingsUK - THE Unofficial Alice Cooper Site
- ^ クレジットなしでの参加
ザ・ホットラッツ
(ホット・ラッツ から転送)
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ザ・ホットラッツ | |
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出身地 | ![]() オックスフォード |
ジャンル | サイケデリック・パンク |
活動期間 | 2009年 - 現在 |
レーベル | ![]() ![]() ![]() |
共同作業者 | スーパーグラス ダイアモンド・フー・ハ・メン |
公式サイト | http://thehotrats.com/ |
メンバー | ギャズ・クームス ダニー・ゴフィー ナイジェル・ゴッドリッチ(レコーディングのみ) |
ザ・ホットラッツ (The Hotrats[1])は、スーパーグラスのギャズ・クームスとダニー・ゴフィー、プロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチが結成したロックバンド。
概要
元々はスーパーグラスのメンバーとナイジェル・ゴッドリッチによるカバーバンドとしてスタートしたが、スーパーグラス解散後はオリジナル曲の発表も行う計画だという。ナイジェルは第3のメンバーとしてレコーディングには参加しているが、ライヴはギャズとダニーの2人だけで行っている。
来歴
ダイアモンド・フー・ハ・メンのライヴを見た友人でプロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチは「遊びじゃもったいない、きちんと音源を作ろう」と、2人にレコーディングの誘いを持ちかける。そして2009年、コヴェント・ガーデンにあるナイジェルのスタジオにてレコーディングがスタートする。
最初はダイアモンド・フー・ハ・メンの持ち歌だったマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」を録音するつもりだったがうまくいかず、それなら自分たちが本当に好きな曲をレコーディングしようということで、1960年代から1980年代のロックの名曲のカバーが2、3週間の間に次々とレコーディングされた。
ギャズいわく、はじめはヒマだったから一緒に楽しくレコーディングしようとしただけだったが、「素晴らしい音のレコードになっちゃったからみんなも聴くべきだと思った」ことから、アルバムを発表することになったという。録音された曲は、比較的原曲のアレンジに沿ったものもあるが、ほとんどはホットラッツ流にサイケデリックかつ大胆な再構築がなされた。
本格的にバンドとして活動していくに当たり、バンド名をフランク・ザッパのアルバム『ホット・ラッツ』から拝借し、「ザ・ホットラッツ」と命名。まずはギャング・オブ・フォーの「ダメージド・グッズ」、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「アイ・キャント・スタンド・イット」のカバーを相次いでYouTubeで公開。続いてビートルズの「ドライヴ・マイ・カー」のカバーをダウンロード限定発売。このカバーはイギリスでヒューゴ・ボスのCM曲に起用されたが、アルバムには未収録となっている。
ライヴ活動も積極的に行い、レディング・フェスティバルやグラストンベリー・フェスティバルに出演。特に後者はシークレット出演だったため、観客の間でアークティック・モンキーズもしくはミューズが出演するのではないかという噂になり、結果予想外に大規模の観客の前で演奏することになった[2]。
デビュー・アルバム『ターン・オンズ』は、2009年12月にホステス・エンタテインメントから日本で先行発売された。翌2010年1月には本国やアメリカでもリリースされた。それに合わせて東京・ニューヨーク・ロサンゼルス・メキシコ・ロンドン・パリを短期間に回る世界ツアーを敢行。とくにアメリカでは、CBSの「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」と「ザ・レイト・レイト・ショー・ウィズ・クレイグ・ファーガソン」、NBCの「レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン」といった人気番組にも続々出演し、セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズと共演し「E.M.I.」のカバーを披露するなど大きな反響を得た。
その後2人はスーパーグラスの新作『Release the Drones』の制作に取り掛かるため、ホットラッツとしての活動を一旦休止する意向を示していた。しかしアルバム制作は上手くいかず、2010年4月にスーパーグラスは突如解散を発表。その直後に2人はフランスで行われたエールの『ヴァージン・スーサイズ』演奏ツアーに参加するなど、ホットラッツとしての活動を再開。今後はカバーバンドとしてではなく、各々のソロ活動と並行してオリジナル曲の発表やライヴなどの活動を行っていくという。
2011年7月には、フー・ファイターズのミルトン・キーンズ・ボウル公演に参加することが決定している。
脚注
- ^ バンド名の表記は「The Hotrats」「The Hot Rats」「The HotRats」など細かい違いがあり、今のところ統一されていない。ただ日本では「The Hotrats」が一般的である。
- ^ Supergrass play to massive Glastonbury crowd thanks to Muse, Arctic Monkeys rumours
外部リンク
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固有名詞の分類
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