はばかる
「はばかる」とは、自分の行動や言葉を控えめにする、または遠慮することを指す言葉である。人間関係や社会生活において、他人に対する配慮や敬意を示すために行われる行動である。はばかる行動は、自己の意志や欲求を抑制し、他者との調和を保つために重要な役割を果たす。 はばかるは、日本の文化や社会の中でよく見られる行動で、他人への気配りや思いやりを表現する手段として用いられる。また、自分の行動が他人に迷惑をかけないようにするため、または他人との関係を円滑に保つためにはばかる行動をとることが求められることが多い。
はばかる
別表記:憚る
「はばかる」とは、ためらう・遠慮する・幅をきかす・いばる・いっぱいに広がることを意味する表現である。
古文では、万葉集からすでに使用されている言葉で、古語での意味は3種類ある。1つめは「行き悩む・進めずにいる」、2つめは「はびこる・満ちふさがる」、3つめは「遠慮する・気兼ねする」という意味だ。夏目漱石の『こころ』には、「人の思惑をはばかるほど」という文章が登場し、「他人の考えを気にして自分の考えを曲げるほど」と解釈する。太宰治の『走れメロス』で用いられた際は「あたりをはばかる低声で」として、「周囲に気兼ねして、小声で」という意味で使用されている。
「はばかられる」とは、誰かや何かに対して遠慮せざるを得ないこと・ためらうことを、受身の立場で表す言い回しだ。また、「られる」には、自分の立場を下げて相手に対する軽い尊敬を表す意味もあるため、「はばかられる」は、遠慮する・ためらうという意味の敬語表現としても使用できる。
「はばからない」とは、周囲を気にして遠慮したり、差しさわりを感じてためらったり、といったことがない様子を意味する表現だ。「はばかる」を「~ない」の形で否定する表現であり、打消しの表現である「~ず」をつけて「はばからず」の形でも使用する。
「憎まれっ子世にはばかる」とは、他人に嫌われるような人のほうが世間では幅をきかせることがある、という意味の熟語だ。「遠慮する・ためらう」という意味ではなく、反対の「幅をきかせる・いばる・はびこる」という意味で使用するため、間違えないよう注意が必要である。
「人の目をはばかる」とは、他人に知られると困る事情があるために、人に見られることを恐れて気づかれないよう行動する、という意味の言い回しだ。世間に知られている有名人が人目につかないように行動する際にも、何か悪いことをしているときに人に知られないようにこっそりと行動する際にも使用する。
敬語表現では、「目上の人に意見するのは、はばかられますが」、「ご多忙の折にお願いするのもはばかられるのですが、ご迷惑でなければぜひお願いいたします」などの形で用い、敬語ではない受身形では「笑うのもはばかられる緊張した場面だった」という使い方をする。また、幅をきかせるという意味では、「あんなに意地悪な人が成功するなんて、憎まれっ子世にはばかる、というのは本当だ」などの使い方が可能だ。
「はばかる」とは、ためらう・遠慮する・幅をきかす・いばる・いっぱいに広がることを意味する表現である。
「はばかる」とは・「はばかる」の意味
「はばかる」とは、ためらう、遠慮する、幅をきかす、いばる、いっぱいに広がる、という意味を持つ表現だ。もともとの辞書的な意味では、「阻む(はばむ)」と同じ語源を持つ、「差し障りを感じてためらう・遠慮する・他人をおそれて慎む」という意味の言葉である。その後、はばかるの「はば」が「幅」と捉えられ、「幅をきかす・増長する・いばる」という意味が派生した。また、よく似た言葉の「はびこる」と同じく、「いっぱいに広がる」の意味でも用いられる。「ためらう・遠慮する」と「幅をきかす・いばる」という反対の意味をあわせ持つ言葉であるため、前後の文脈に応じて解釈することが重要だ。漢字では、「憚る」と書く。古文では、万葉集からすでに使用されている言葉で、古語での意味は3種類ある。1つめは「行き悩む・進めずにいる」、2つめは「はびこる・満ちふさがる」、3つめは「遠慮する・気兼ねする」という意味だ。夏目漱石の『こころ』には、「人の思惑をはばかるほど」という文章が登場し、「他人の考えを気にして自分の考えを曲げるほど」と解釈する。太宰治の『走れメロス』で用いられた際は「あたりをはばかる低声で」として、「周囲に気兼ねして、小声で」という意味で使用されている。
「はばかる」の熟語・言い回し
「はばかる」の熟語・言い回しには、以下のようなものがある。はばかられるとは
「はばかられる」とは、誰かや何かに対して遠慮せざるを得ないこと・ためらうことを、受身の立場で表す言い回しだ。また、「られる」には、自分の立場を下げて相手に対する軽い尊敬を表す意味もあるため、「はばかられる」は、遠慮する・ためらうという意味の敬語表現としても使用できる。
はばからないとは
「はばからない」とは、周囲を気にして遠慮したり、差しさわりを感じてためらったり、といったことがない様子を意味する表現だ。「はばかる」を「~ない」の形で否定する表現であり、打消しの表現である「~ず」をつけて「はばからず」の形でも使用する。
憎まれっ子世にはばかるとは
「憎まれっ子世にはばかる」とは、他人に嫌われるような人のほうが世間では幅をきかせることがある、という意味の熟語だ。「遠慮する・ためらう」という意味ではなく、反対の「幅をきかせる・いばる・はびこる」という意味で使用するため、間違えないよう注意が必要である。
人の目をはばかるとは
「人の目をはばかる」とは、他人に知られると困る事情があるために、人に見られることを恐れて気づかれないよう行動する、という意味の言い回しだ。世間に知られている有名人が人目につかないように行動する際にも、何か悪いことをしているときに人に知られないようにこっそりと行動する際にも使用する。
「はばかる」の使い方・例文
「はばかる」の使い方・例文には、様々なものがある。ためらう、遠慮するという意味では、「あの人は人前をはばかるから、目立つ場所でのスピーチは頼めない」、「私の母は、世間をはばかる人だ」などの形で使用可能だ。否定形でもよく使用され、「私も60歳で還暦を迎えたのだから、これからは誰にもはばからず自由に生きたい」、「あまりに大きな衝撃を受けて、人目もはばからずに泣いてしまった」などの例文がある。他人をおそれて慎むという意味では、「まだ離婚していないのは、世間体をはばかってのことに過ぎない」、「他聞をはばかる、ということわざがあるが、この話も世間に知られると困る内容だ」などの形で使用が可能だ。敬語表現では、「目上の人に意見するのは、はばかられますが」、「ご多忙の折にお願いするのもはばかられるのですが、ご迷惑でなければぜひお願いいたします」などの形で用い、敬語ではない受身形では「笑うのもはばかられる緊張した場面だった」という使い方をする。また、幅をきかせるという意味では、「あんなに意地悪な人が成功するなんて、憎まれっ子世にはばかる、というのは本当だ」などの使い方が可能だ。
はばか・る【×憚る】
はばかる
出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 11:17 UTC 版)
語源
発音
東京式アクセント
- は↗ばか↘る
京阪式アクセント
- ↗はばかる
動詞
はばかる【憚る】
- 幅があって狭いところを通らない。妨害するものがあって進むことができない。支障があって行きかねる。
- 幅広がる。はびこる。たちはだかる。一杯になる。充満する。
- 恐れ慎む。気兼ねする。遠慮する。ためらう。
- 忌み嫌う。忌憚する。
- (『憎まれっ子世にはばかる』のみの特殊な用法) 幅をきかす。
派生語
動詞
はばかる【憚る】
ラ行四段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
はばか | ら | り | る | る | れ | れ |
派生語
諸言語への影響
憚
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「はばかる」の例文・使い方・用例・文例
- 過ちを改むるにはばかることなかれ。
- 《諺》 改めるのに遅すぎることはない, 「過ちては改むるにはばかることなかれ」.
- 《諺》 過ちを改むるにはばかることなかれ.
- 《諺》 雑草はすぐ伸びる, 「憎まれっ子世にはばかる」.
- その話は繰り返して言うのもはばかる(ほどひどいものだ).
- 過ちを改むるにはばかることなかれ.
- これは他言をはばかる事です.
- 憎まれっ子世にはばかる.
- 彼女は辺りをはばかるように小声で話した.
- 彼は世をはばかる身だ.
- 君たちは夫婦になったのだからもう人目をはばかることはない.
- 本分を尽しておけば世間に対してはばかるところは無い
- 何もはばかる必要はあるまい
- 過って改むるにはばかるなかれ
- 憎まれっ子世にはばかる
- 事実を述べるのに何のはばかるところがあるか
- 人は本分さえ尽しておけば、世間に対してはばかるところは無い
- 世間をはばかる
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