せんぼ
- 芝居小屋の楽屋で用ふる隠語の事をいふ。もとは操芝居の楽屋言葉から出たのである。「さんしよ」ともいふ。〔役者語〕
- 一種の隠語の事。
- 芝居小屋の楽屋で用ふる隠語の事をいふ。もとは操芝居の楽屋言葉から出たのである。「さんしよ」ともいふ。
- 〔俗〕芝居小屋の楽屋で用ふる隠語のこと。もとは操り芝居の楽屋から出たもので「さんしよ」とも云ふ。
- 一種の隠語にして「さんしよ」ともいふ。もと徳川時代の中期頃より操り芝居通の間に起り漸時一般的に用ひられてきた。現在犯罪者間に於て隠語として用いられてゐるのもある。左にセンポの主要なるものを列記するが、「 」の中は本編中隠語として、編されてあるものである。
◎「あがく」=口をきく。◎あたま=二十匁。◎「あて」=飯の菜。◎「いただく」=仕損ずること。◎「いも」=僧侶。◎「いれる」=飲む。◎うかし=船。◎「うき」=船。◎上むきへい=上着のこと。◎馬を上る=小言をいふこと。◎うめる=入れる。◎「ゑご」=児童。子息。◎ゑむ=面白い。◎「ゑんこう」=手。◎「をか」=顔のこと。◎おきんちや=お客をいふ。◎「おしくすり」=唐辛子。◎おほげん=小判。◎大づの=百三十二匁の札銭。◎「おやまこ」=三三人。三片。◎おゆき=女。◎かうま=都合よいこと。◎かくやつかい=とぼしもがうぎ。◎かたこ=五。五膳。(芸人の通り符牒五の数字に用いられてゐる)。◎かちぐり=蚊帳をいふ。◎がつ=情人◎がつり=人形使ひ。◎がつれ=連れ。◎「かまる」=行く。来る。或場合に於て入いることもいふ。◎「かめる」=入る。入れる。◎「がり」=娘。嫁。◎がんど=脇差。◎がんどう=御屋敷者。侍。◎がんどうまへびき=武士。◎きいろい=悪いこと。◎「きくら」=耳をいふ。◎きたなこ=心待ち。◎ぎつと=侍をいふ。◎「行徳」=塩のこと。◎きら=香の物。◎きわ=九。◎金十郎=馬鹿の意。◎「きんちや」=お客をいふ。◎「きんちやく」=お客。◎九月=耳。◎「ぐる」=帯。◎けつさつ=運がわるいこと。◎けまん=損。◎「源四郎」=盗人をいふ。◎ごうざい=田舎者をいふ。◎ごうま=金持のこと。◎こがれる=泣く。◎こげん=小粒をいふ。◎こげんへい=金百疋。◎こづの=百十六匁の札銭をいふ◎こつぱり=眼。◎ごろた=香の物。◎さいこう=飯をいふ。◎さいこうぼう(さいこぼう)=米の飯をいふ。◎さいこく=飯。◎ささ=四。四個。◎ささき=四。四個。◎里抉持=一分と二百文のこと。◎「さなだ」=六。◎さぶ=酒をいふ。◎「さぶろう」=酒。◎左平治=口。出過ぎること。◎「三月」=鼻。(花より)◎「三四郎」=三味線。◎しこい=良い。◎しこらへ=拵へ。◎しのぎ=蛸。僧侶。◎じば=小便。◎しぶから。じぶだら=茶をいふ。◎しみけん=頭。◎しやむ太郎=みすぼらしいこと。◎「砂利」=白米。◎白い=悪い。◎白おやまこ=南鐐三片。◎しろざ=鼻。◎しんか=身代。己が家をいふ。◎「しんた」=金銭。◎じんだい=味噌汁。◎じんでん=主人。亭主。◎じんば=老婆をいふ。◎すけゑしんでん=良い男。◎「祐右衛門」=上等なこと。面白いこと。◎助四郎=下等なこと。◎すそく=足をいふ。◎せへこぼう=飯。◎「せい」=酒。◎「せいざ」=酒をいふ。◎ぜかす=やめる。◎ぜけず=無。◎ぜけた=有る。居る。◎「せぶる」=寝る。日が暮れること。◎ぜめ=自分。私。◎そくかけ=妾をいふ。◎そつた=死。◎そる=帰る。行く。◎「たいこう」=馬鹿の意。◎たげる=買ふ。◎たこ=足をいふ。◎たしわこと=下女。◎玉川=水をいふ。◎太郎=貨幣。◎太郎四郎=素人の意。◎たれ=女の頭。◎「太郎九」=銭湯。◎たんすふな=ひつこいこと。◎ちぎ長半=百五十匁。◎ちく=口をいふ。◎ちやうけい=未亡人。◎ぢんたい=汁。◎つないだ=見たの意。◎つなぐ=見る。◎つなげぬ=分らぬこと。◎つながる=見る。◎つむじ=いぢわる(つむじをまげるよりか)。◎「づる」=三味線。◎づるかぢり=三味線弾きく芸者。◎てうけい=煙管。◎手すり=人形使ひ。◎てつ=訛ること。◎どうしゆく=友。◎とくとら=損料。◎どぜん=男の頭をいふ。◎とちへもん=老婆。◎とろけ=粥。◎どん=幇間。◎とんび=髪をいふ。◎西の宮=鯛。(七福神の恵比須さんより)◎「にち」=太陽。◎にちりん=火。◎につてん=炭団。◎ぬま=七。◎ぬるなべうんこ=あつかましいこと。◎ねんだい=長いこと。◎のせもの=食物。◎のせる=食ふこと。飲むこと。◎はち=質。◎はちや=質屋。◎はつぴ=羽織。◎はなつえ=箸のこと。◎はねる=落る◎半兵衛=悪いこと。◎半兵衛ひんこう=悪人。◎ひき=二つ。◎彦兵衛=かけ合ひをいふ。◎久松=小買。◎ひらひら=空腹。◎ひらめかんむり=退窟、◎ばり附く=大入のこと。◎びんこう=男。◎ふかす=通ず。◎ぶんすけ=酔。◎へい(平)=一つ。百疋。◎へいせいじ=一杯。◎へげたれ=たわけこと。◎本直=廿五匁。卅五匁。◎まがり=借金をいふ。◎まかる=行く。来る。借る。◎孫右衛門=煙草。◎孫右衛門入れ=煙草入れをいふ。◎孫三=貰ふ。◎又次郎=瘡毒。◎まふ=買ふ。◎まぶい=美しいこと。◎まへる=髪を結ぶ。◎まや=遠い。◎みりつち=出入がないこと。◎むき=衣裳。◎二つ=二両。◎もぢる=食ふ。◎やつかい=大きいこと。沢山なこと。◎やま=三つ。◎「やん」=女郎。◎やんま=女郎をいふ。◎やんまひ=女郎買ひ、◎ゆき=女中をいふ。◎「与太」=噓言。◎与太郎=噓言。◎よりと=父親。年寄。◎りやうたつ=総髪。◎りんだ=蕎麦をいふ。◎れき=あれ。彼れ。◎れきま=あれ。彼れ。◎わく詰め=にぎやかなこと。◎わこ=女房。◎わこざ=女房。◎わりわり=大入りのこと。 - 芝居小屋の楽屋で用いる陰語のこと。もとは操芝居の楽屋言葉。「さんしょ」ともいう。〔芸能(俳優)〕
- 一種の隠語で「さんしょ」ともいう。もと徳川時代の中期頃より操り芝居通の間に起り漸次一般的に用いられてきた。現在は犯罪者間の隠語として用いられているものが多い。主なものをあげてみると、「あがく」は口をきく。「馬を上る」は小言をいうこと。「えんころ」は手。「おきんちや」はお客。「おしくすり」は唐辛子。「おゆき」は女等。
千保
名字 | 読み方 |
千保 | せんぼ |
泉保 | せんぼ |
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