かつての聚慎の民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 00:29 UTC 版)
元述(ウォンスル) かつて聚慎の剣士部隊「花郎(ファラン)」(花郎に由来)に所属した、最高の剣士を意味する「郎(ラン)」の称号を持つ聚慎最強の剣士であり、悪獣との戦いにおいては戦況を決める程の多大な戦果を挙げた。その後人々から剣聖と呼ばれる程の領域まで足を踏み入れた彼は、もはや人を切るのに剣すら必要とせず、殺気を形状化して透明な刃とする「殺形刀(サルヒョンド)」という戦闘法を身に付けるに至った。聚慎の軍人だった若かりし頃は上官である文秀と、共に闘った戦友を何より大事に考えているしている好青年だったのだが、人を念ずるだけで消滅させる程の人知を超えた力を持つ阿志泰の持つ恐怖に屈し、聚慎崩壊後は彼の部下となり元暁と共に溶炉建設矯正所の最高責任者となっていた。山道(春香)と闘った際も、戦闘の最中に指導する程の余裕を見せ圧倒するも、彼女が阿志泰の装飾具を持っていた事に動揺した一瞬の隙を突かれ「殺形刀(サルヒョンド)」を突破され致命傷を負った。その後文秀に看取られながら最期を迎えるも、阿志泰の妖術でゾンビになって復活した。悪獣の襲撃で亡くなった厳格な父親とは犬猿の仲であり、兄が先立ったことを気にしている。名の由来は新羅の悲劇的な花郎の名から。 乙巴素(ウルパソ) かつて聚慎の棒術部隊・白虎(ペッコ)部隊を率いていた男。目が小さく「狐目の乙巴素」等と呼ばれていた。かつての戦争で活躍した、英雄の一人とは思えない小悪党的な性格をしているが、己が命がけで仕えた聚慎があまりにあっけなく崩壊したという事が彼のその後の生き方に影響を与えたようである。聚慎崩壊後は阿志泰の部下となり領地城治安局の者となる。戦友の元述と元暁亡き後は黄の房子となった。普段は銃を使用する事が多いが、白虎部隊時代に鍛えた棒術の腕も錆び付いてはいない。最終決戦では身体中に仕込んでいた大量の爆薬で阿志泰軍の幹部三人を道連れにして絶命した。名前の由来は高句麗の名宰相の名から。 元暁(ウォンヒョ) かつて聚慎の魔法戦隊の戦隊長だった聚慎最強の魔法使い。究極の召喚獣「桓雄(ファヌン)」(桓雄に由来)を用い、自身も悪獣の群れを一掃できる程の強力な魔力を持つ。性別の計り知れない美しさを持つ人間に見えるが、その正体は同属の蛮行に耐え兼ね人間へと帰化した悪獣(妖怪)であり、力を大きく消耗すると本来の悪獣の姿に戻ってしまう。本来の醜い姿と、心の根底に宿る悪獣としての本性に苦悩している。そのように優しい性格の持主だったが、聚慎崩壊後は元述と同じく阿志泰の恐怖に屈して彼の部下となり休火山のある街の領主となる。自分の生命を維持するための生贄を要求し、同族を量産。彼が嫌う悪獣そのものに成り下がっていた。名の由来は新羅時代の上人の名から。 英實(ヨンシル) かつて聚慎一の足拳道(テコンドー)の達人だった男。元述と共に悪獣との戦争を生き延びた猛者だが、その戦争の最中に垣間見た、阿志泰の人智を超えた力に魅了され、自身はその力に少しでも近づけるように科学に傾倒。彼の右腕として反逆者の取締りとは名ばかりの殺戮を行なっていた。その後に阿志泰の異常性に耐え切れなくなり、彼の元を去った。その後は自身がかつて行った蛮行を反省しつつ、弥土の元で鍛冶屋と武器発明の修行をしている。彼の発明品は失敗作に近い珍品が多いが、それが文秀一行の危機を救う事も度々あった。最終決戦では麻古(マーゴ)と互角の戦いを繰り広げ、阿志泰の一瞬の隙をつき背後から奇襲をかけるが、惜しくも力及ばず阿志泰の能力によって敗れ消滅した。名の由来は李氏朝鮮時代の世宗大王の治世に活躍した科学者の名から。 弥土(ミト) 新たな馬牌を精製出来るとの噂の鍛冶屋の老人で、かつて暗行御史の制度をつくった人物。元大魔法師で、召喚魔術もこなし、最強の神「斉天大聖」でさえ召喚でき、太儒の召喚魔術の師となった。阿志泰配下の仲孫の軍勢との戦いで失明する。名の由来は日本の水戸黄門から。 解慕漱(ヘモス) 聚慎の国王。文秀と桂月香とは幼馴染であり親友の間柄。彼ら友人を含めた聚慎国民の事を何より大事に考えている名君である。幼馴染である桂月香に想いを寄せていながら、彼女の文秀への想いを尊重しその愛を傍目から見守ろうと考えつつも、彼女の想いに応えようとしない文秀に発破をかけるなど男らしくも優しい性格。しかし、ある日を境に突如として暴君に豹変。国政を顧みず自国民に対する殺戮を開始する。それは彼に成りすました阿志泰の行いであり、本物の彼は殺害されていた(阿志泰は「食った」と語る)そのせいで聚慎は崩壊してしまう。国王になる前は2馬牌を持つ暗行御史だった。名前の由来は高句麗の祖東明聖王の父の名から。 桂月香(ケウォルヒャン) かつて文秀と愛し合った女性。文秀、解慕漱と共に幼馴染。その後解慕漱と結婚する。幼い頃から重い病をもち、余命僅かな彼女を救う為に文秀は阿志泰の黒魔術「犠牲(サクロフィア)」を用いて、彼女の病を自分に移したが、結局彼女は文秀の目前で自害してしまう。実はサクロフィアをかけた時点で病気で寿命が尽きており、ゾンビ化していた。名の由来は文禄・慶長の役を舞台とする朝鮮の民話の架空の妓生(朝鮮では、小西行長あるいは加藤清正または彼らの副将内藤如安(ソソビ、소서비、小西飛)を殺害して自らも命を落としたとされ、信じられている)の名前から。
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