『滑稽新聞』の成功とは? わかりやすく解説

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『滑稽新聞』の成功

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 05:55 UTC 版)

宮武外骨」の記事における「『滑稽新聞』の成功」の解説

外骨の出版した刊行物中でも最も有名な滑稽新聞』は、明治34年1901年)に大阪創刊された。名目上発行人三好米吉。これは、外骨に万一のことがあっても発行続けられるように別人立てたためで、外骨は「小野村夫」(出身地にちなむ)のペンネーム執筆。無署名なども含めると、記事大半を自ら書いた寄稿編集者よるもの含めほとんどがペンネームで、外骨以外の編集者寄稿者実名はっきりしているのは三好溝口駒造、板橋菊松森近運平松崎天民結城一郎寺門咲平の7人。印刷福田友吉担当したモットーは『威武屈せず富貴に淫せずユスリもやらずハッタリもせず、天下独特の肝癪(かんしゃく)を経(たていと)とし色気を緯(よこいと)とす。過激にして愛嬌あり』。時事批評だけでなく下世話世相話題まで扱い現代週刊誌相当する内容であった。外骨の記事巧みに仕込まれた毒とパロディー精神富み、さらに挿絵も腕の良い職人実名はっきりしているのは墨池黒坊こと前野一廣、竹久茂次郎の手になるもので一般大衆人気博した活字文字約物)を並べて絵に見せたり他愛ない小説見せかけて(縦組みページを)横に読むと性的なネタ隠れていたりと今日各種ウェブサイト一般化した技法アスキーアート縦読みなど)の原形見られる検閲などのため刊行が遅れることが多く途中からは「例の延刊」と自ら表紙載せ、たまに予定通り発行されると「例の延刊にあらず」とネタしたほどだった。最盛期部数は8部。この時代雑誌としてはトップクラス売れ行きだった。そのため類似誌も『いろは新聞』『東京滑稽新聞』『あづま滑稽新聞』『滑稽界』『東京滑稽』『江戸ツ子』『ポテン』『滑稽雑誌』『名古屋滑稽』『釜山滑稽新聞』など多数登場し、外骨は「雑誌」と類似誌を評しつつ『滑稽新聞』の影響力自慢した先述野口茂平に対しては、野口誹毀罪告訴したためもあるが、毎号野口さらし首にされた絵を載せ攻撃し続けるなど長期間わたって追跡する記事多かった。これらが他誌にまま見られ金銭などのユスリ目的ではないことは野口承知していた。 明治41年1908年10月当局は『滑稽新聞に対して発行禁止命令出した。外骨は発行禁止先んじて173号を以て自殺号」として廃刊。しかし翌月には『大阪滑稽新聞』を創刊して事実上後継誌とした(31号までで外骨は編集離れたが、大正3年1914年)まで存続)。同誌では批判対象伊藤博文井上馨山縣有朋死期当てる懸賞という不謹慎企画立てた明治42年1909年10月15日号、通巻24号)。外骨は懸賞商法批判していたが内務省10月15日付で規制乗り出したため、わざと懸賞始めたのである。その直後伊藤安重根暗殺される11月1日号(通巻25号)は風俗関連記事安寧秩序乱し風俗害するとして発禁となった11月15日号(通巻26号)では伊藤追悼一色マスコミ批判し「非常の死は幸福」と題して津田三蔵小山六之助李鴻章襲撃犯)を例に挙げ暗に安を擁護した。これも発禁処分となった。また12月15日号(通巻28号)では「我輩社会主義」と題し、「社会主義者ではない」が社会主義取り入れた国家社会主義によって「今日の政弊を除去し得られる」と主張したがこれは発禁にはならなかった。外骨と編集発行人の金子又次郎25号、26号について自首したその結果大阪区裁(村野美雄裁判長)は25号、26号の記事無罪としたが代わりに検察問題にしなかった「我輩社会主義」を有罪とし又次郎新聞紙法違反罰金80円、外骨は禁錮2ヶ月実刑判決受けた

※この「『滑稽新聞』の成功」の解説は、「宮武外骨」の解説の一部です。
「『滑稽新聞』の成功」を含む「宮武外骨」の記事については、「宮武外骨」の概要を参照ください。

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