死刑制度をめぐる国際問題とは? わかりやすく解説

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死刑制度をめぐる国際問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 12:59 UTC 版)

死刑存廃問題」の記事における「死刑制度をめぐる国際問題」の解説

世界各国における死刑制度詳細について世界の死刑制度の現状参照 死刑制度維持している国では長年渡って刑罰一つとして死刑存続させる死刑存置論と死刑制度廃止させるほうが適切であるとする死刑廃止論との議論繰り返されてきた。死刑適用範囲厳罰化拡張され場合も、寛容化で縮小される場合ありえるため、必ずしも存続派が現状維持派とは言い切れない。なお死刑制度廃止されている国の場合には死刑復活問題となる。実際にアメリカ合衆国いくつかの州では死刑廃止または執行停止をした後に復活しているし、イギリスフランスでは否決されたものの議会検討された事もある。20世紀後半以降一度死刑廃止された後に復活した国は少なく、また復活させた場合でも国際世論動向警戒し実際に執行された国はさらに少ない。 論点としては凶悪犯罪対す抑止力冤罪の可能性殺人対す応報議論されている。近代社会において、死刑適用除外されたものに政治犯対す刑罰がある。古代より政握ったものが反対者反乱者として処刑する事は珍しくなかった革命クーデターといった政変による、例え外国軍隊日本侵攻させる外患誘致罪死刑しか規定されていないまた、現在でもイスラエルによるパレスチナ人などへの暗殺のように、名目上死刑廃止であっても裁判という形を取らずに人を殺す国家もある。またミャンマーのように死刑停止されていても人権侵害による犠牲者出している国もある。 1989年12月国連総会採択され市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書死刑廃止条約)には、随意項目として死刑廃止存在する。これを加えて廃止選択する国は、国際条約に基づき戦時中犯され軍事的性格有する極めて重大な犯罪対す有罪判決によって、戦時適用することを規定」(第2条1項)されている戦時犯罪除き平時全ての死刑廃止することになる。なお、戦争犯罪も裁くことがある国際刑事裁判所は、大虐殺指導した国家元首であっても死刑適用されず、言い渡せる刑は終身刑服役して25年以上経過後に仮釈放可能性がある)と有期30年以下(刑期3分の2以上経過後に仮釈放可能性がある)の禁固刑である。 1990年ごろまでは、死刑維持国が大多数占めたが、一党独裁ないし軍事独裁政権であった国家民主化し直後東欧南米諸国死刑廃止し死刑廃止国の数が増加した一方でアジア・アフリカ中東においては民主化の後も死刑維持する国が多い。1990年代以降国際社会では死刑制度の廃止踏み切る国家増加している。特に死刑の廃止主張する欧州連合加盟国の強いヨーロッパでは、死刑存置国も死刑執行停止をせざるを得なくなっており、唯一死刑執行続けていたベラルーシが「人権抑圧国」として糾弾されている。また国際連合死刑廃止条約推進することなどから、外交一環として死刑制度対す国際的圧力増大しているという考え方もある。なお一部死刑存置派[誰?]は一連の動き対し国内状況死刑制度の廃止できない状態であれば死刑維持すべきであるとしている。 2007年12月18日欧州連合などの提案で、国連総会初め死刑モラトリアム決議可決したが、これに対し日本の神余隆博大使は「国民大半死刑支持しており制度廃止踏み出すことは困難」と述べ、また「決議賛成する憲法違反になる」と表明 しており、「日本内政問題であるから世界大勢に従うべきでない」としている。これに対し欧州連合国際連合人権委員会で「日本の人権問題」として「死刑制度の廃止もしくは停止」を求め勧告を出させている。2008年欧州連合同様の決議提出する予定で、10月28日日本同日行われた2名の死刑執行議長国フランスは「深く憂慮している」と表明した国連死刑廃止条約や、EU死刑廃止ガイドラインは、通常犯罪に対して死刑禁止しているが、戦時死刑について国家権利として認めている。死刑廃止論の祖であるチェーザレ・ベッカリーア始め過去死刑廃止論者・団体は、平時通常犯罪限定して死刑廃止主張しており、戦時下など国家の危機における死刑について対象としないことが多かったが、近年では戦時含めてあらゆる死刑反対する考え方広まっている。

※この「死刑制度をめぐる国際問題」の解説は、「死刑存廃問題」の解説の一部です。
「死刑制度をめぐる国際問題」を含む「死刑存廃問題」の記事については、「死刑存廃問題」の概要を参照ください。

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