隆慶一郎 受賞

隆慶一郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 03:12 UTC 版)

受賞

主な作品

映画

テレビドラマ

小説

  • 『吉原御免状』(1986年、新潮社) のち新潮文庫
    • 同タイトルで舞台化。宮本武蔵によって育てられた後水尾天皇の落胤・松永誠一郎は、自由の民・傀儡子によって営まれる色里・吉原を守り、神君・徳川家康から下された吉原御免状を狙う老中酒井忠清とその手先裏柳生との間で死闘を繰り広げる。第95回直木賞候補作。
  • 『鬼麿斬人剣』(1987年、新潮社) のち文庫
    • 『刀工剣豪伝・鬼麿一番勝負』の題で連載された。同タイトルでテレビドラマ化。内山まもるにより漫画化(単行本未刊行)。名刀工・源清麿が旅先で遺した数打ちの駄剣を折り、師匠の名を守ろうとする弟子・鬼麿の前に、清麿を恨む伊賀同心の一味が立ちはだかる。
  • 『かくれさと苦界行』(1987年、新潮社) のち文庫
    • 『吉原御免状』の続編。後水尾天皇との再会を果たした松永誠一郎と吉原の傀儡子の民に、またしても裏柳生の手が迫る。
  • 『柳生非情剣』(1988年、講談社) のち講談社文庫
    • 徳川家将軍指南役柳生家の六世代にわたって、柳生家の目から見た徳川家を描く連作短編集。第101回直木賞候補作。
    • 「慶安御前試合・柳生連也斎」「柳枝の剣・柳生友矩」「ぼうふらの剣・柳生宗冬」「柳生の鬼・柳生十兵衛」「柳生跛行の剣・柳生新次郎」「逆風の太刀・柳生五郎右衛門」の短編6編収録。
    • 「柳枝の剣・柳生友矩」を余湖裕輝らが『柳生非情剣 SAMON』のタイトルで漫画化。青春アドベンチャーでラジオドラマ化。
  • 一夢庵風流記』(1989年、読売新聞社) のち新潮文庫、集英社文庫
  • 影武者徳川家康』(1989年、新潮社) のち文庫
    • 関ヶ原で死んだ徳川家康の影武者であった世良田二郎三郎が、徳川家繁栄のために豊臣秀頼を謀殺しようとする秀忠に対抗するべく、甲斐の忍びの六郎や島左近風魔忍者衆と協力し歴史の暗部で戦う。同タイトルでテレビドラマ化。原哲夫らにより漫画化。
  • 『捨て童子・松平忠輝』(1989年 - 90年、講談社) のち文庫
    • 主人公は徳川家康の子松平忠輝。生まれながらにして大きな体を持ち、鬼っ子と恐れられ、武術、水術、音楽、忍術などすべてに天才的な能力を持ち、異能の人と呼ばれた忠輝の前半生を描く。横山光輝により同タイトルで漫画化。
    • 2003年に『野風の笛』のタイトルで宝塚歌劇団・花組が舞台化。
    • 本作以前に、隆自身が本名の池田一朗名義で原案・脚本を手掛けた『野風の笛 鬼の剣 松平忠輝・天下を斬る!』が制作・放送されており、本作はテレビドラマ版を基に新たな解釈を加えた上で執筆したのではないかとする向きもある。
  • 『柳生刺客状』(1990年、講談社) のち文庫
    • 「柳生刺客状」「張りの吉原」「狼の眼」「銚子湊慕情」「死出の雪」の短編5編収録。
  • 『死ぬことと見つけたり』(1990年、新潮社) のち文庫(未完作)
    • 著者が第二次世界大戦に徴収される際、陸軍で推薦されていた『葉隠』の本の中に著者のお気に入りのフランス文学を挟み込んで持ち込み、『葉隠』に見出した佐賀鍋島藩浪人の主人公の斉藤杢之助を描いた書。
  • 『花と火の帝』(1990年、日本経済新聞社) のち講談社文庫、日経文芸文庫(未完作)
    • 余儀なく徳川秀忠の息女和子を皇后にした後水尾天皇の御世、天皇家を守るため徳川幕府に挑む八瀬童子・岩介の戦いを描く。
  • 『かぶいて候』(1990年、実業之日本社)のち集英社文庫
    • 表題作「かぶいて候」以外に「異説 猿ケ辻の変」、エッセイ「わが幻の吉原」、対談「日本史逆転再逆転」などの作品集。
  • 『駆込寺蔭始末』(1990年、光文社) のち同文庫
    • 江戸時代、既婚の女性から離婚を申し出ることができず唯一離婚する方法が鎌倉東慶寺に駆け込むことだけだった。その東慶寺の住持の玉淵尼を守るため、公卿の身を捨てた御所忍びの棟梁である麿の活躍を描く連作短編集。
  • 見知らぬ海へ』(1990年、講談社) のち文庫(未完作)
    • 武田勝頼の下にあった向井水軍の嗣子向井正綱が生き延び水軍を組織し、後に徳川家康の水軍に編入され、水軍の長になり活躍する姿を描く。
  • 『風の呪殺陣』(1990年、徳間書店) のち徳間文庫
    • 戦国時代比叡山の修行僧・昇運が信長の比叡山焼き討ちを生き延び、信長を呪い殺そうという設定。著者が赤山禅院叡南覚照大阿闍梨に「仏教が人を殺すか」と一喝され、改稿する予定だったが、著者の急逝によりそのまま発刊された。

随筆

  • 『時代小説の愉しみ』(講談社 1989年 のち文庫)

翻訳

関連項目


  1. ^ 作品としては『花と火の帝』、『死ぬことと見つけたり』、『見知らぬ海へ』、『風の呪殺陣』などが未完で、編集者に托されたメモ書きで今後のストーリーの大枠のみ判明している。構想段階に終わったものとしては日蓮の小説がある。
  2. ^ 山口瞳は「第一位に推した。吉原を城に見立てて柳生一族と戦わせるという構想が面白い」と◎(積極的な賛成)をつけた。一方、村上元三は「資料の読みかたを誤っている。資料をそのまま鵜のみにするのではなく、自分の中で咀嚼するのを怠っている」と■(中立的な反対)だった[3]
  3. ^ 非農業民を主題とした大衆小説が書かれていないわけではない。いわゆる「サンカ」をめぐっては、椋鳩十の『山窩調』(1933年)や三角寛の一連の山窩小説などがある。また五木寛之は『戒厳令の夜』(1976年)で「海人族」「山人族」、『風の王国』(1985年)でも山の世界と里の世界の間(世間)で暮らす「世間師」(作中では「誤ってサンカと名指された一群」とされている)を描いている。
  1. ^ a b 史上初の大調査 著名人100人が最後に頼った病院 あなたの病院選びは間違っていませんか”. 現代ビジネス (2011年8月17日). 2019年12月22日閲覧。
  2. ^ a b 週刊テレビ番組(東京ポスト)1985年8月23日号「脚本家の横顔」65頁
  3. ^ 候補作家の群像 隆慶一郎”. 直木賞のすべて. 2023年1月26日閲覧。
  4. ^ 回想記に『未完の平成文学史 文芸記者が見た文壇30年』早川書房、2015年
  5. ^ シナリオ作家協会『シナリオ』第16巻第10号 (1960)
  6. ^ 日本冒険小説協会大賞受賞作一覧1-30回|文学賞の世界
  7. ^ NHK オーディオドラマ過去作品アーカイブ / 青春アドベンチャー「柳生非情剣」(2022年1月10日 - 14日放送)”. NHK 日本放送協会. 2022年9月19日閲覧。


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