フィン人 フィン人の概要

フィン人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 04:34 UTC 版)

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フィン人(スオミ人)
Suomalaiset

ミカエル・アグリコラ • パーヴォ・ヌルミ • マルッティ・アハティサーリ

アルトゥーリ・ヴィルタネン • ターヤ・トゥルネン • Eppu Nuotio
(650万人)
居住地域
 フィンランド      およそ5,400,000人[1]
そのほかの重要な人口中心地:
 アメリカ合衆国700,000人[2]
 スウェーデン470,000人
 カナダ326,500人
 ブラジル90,000人
Ingrian Finns含む)
 オーストラリア20,988人(2006年)
 ドイツ16,000人(2002年)
 ノルウェー15,000人 - 60,000人
Forest Finns
およびKvensを含む)
[3][4]
 イギリス11,228人
 エストニア11,000人
 フランス6,000人(2005年)
 スペイン5,000人(2001年)
 スイス2,656人(2002年)
 オランダ2,087人(2006年)
 デンマーク2,084人(2002年)
 UAE900人(2010年)
 セルビア22人(2011年)
言語
主にフィンランド語

またエストニア語カレリア語ヴェプス語ヴォロ語
その他ウラル語族
宗教
ルーテル教会
フィンランド正教会カトリックSuomenuskoなど少数派。

言語

フィン人は主にフィンランド語を話す。この言語はヨーロッパの他の民族の言語がインド・ヨーロッパ語族に属するのに対して、ウラル語族である。周辺のウラル語族の言語とはエストニア湾を挟んで南にエストニア語、北でサーミ語と隣接するが、バルト・フィン諸語に属すエストニア語とは通訳なしで通じることもあるのに比べて、サーミ語とは全くと言っていいほど言葉が通じない。

起源

フィン人は、身体的形質こそエストニア人サーミ人同様に金髪碧眼が多いスカンジナビア人種コーカソイドに属しているが、言語的にはルーツが明らかに異なる。

遺伝学的には母系のミトコンドリアDNAはヨーロッパの民族にみられるハプログループH、U、J、Tが多いが、古いヨーロッパの民族のミトコンドリアDNAを多く保有しているとされる。一方、父系とされるY染色体ハプログループは北アジアのウラル人種を含む北部モンゴロイドに広範にみられる系統のハプログループN (Y染色体)が中頻度であり、このハプログループN系統は東アジア北部で生まれ、シベリアを経由しヨーロッパまで分布を広げていったとされる(N系列遼河文明人からも発見される[5])。フィン人のY染色体ハプログループの割合はN1a1 (61%), I (29%), R1a (5%) , R1b (3.5%)である[6]

フィン人およびエストニア人の祖先は約5000年前に現在のエストニアあたりに到着したと主張されている[7]フィン・ウゴル系民族に特徴的な櫛目文土器が紀元前4000年頃からバルト海沿岸に現れることともおおむね整合的である。一方、最近のいくつかの言語学的推定によれば、おそらくフィン・ウゴル語派がかなり後の初期青銅器時代(紀元前約1800年頃)の間においてバルト海周辺へとたどり着いたことを示唆している[8][9]


  1. ^ Statistics Finland - Preliminary population statistics at the end of January 2012
  2. ^ Ancestry 2000 By Angela Brittingham and G. Patricia de la Cruz
  3. ^ St.meld. nr. 15 (2000-2001年) " http://odin.dep.no/krd/norsk/dok/regpubl/stmeld/016001-040003/hov005-bn.html Om nasjonale minoriteter i Norge
  4. ^ Saressalo, L. (1996), Kveenit. Tutkimus erään pohjoisnorjalaisen vähemmistön identiteetistä. Suomalaisen Kirjallisuuden Seuran Toimituksia, 638. Helsinki.
  5. ^ Yinqiu Cui, Hongjie Li, Chao Ning, Ye Zhang, Lu Chen, Xin Zhao, Erika Hagelberg and Hui Zhou (2013)"Y Chromosome analysis of prehistoric human populations in the West Liao River Valley, Northeast China. " BMC 13:216
  6. ^ (N3=312/536), Lappalainen, T; Koivumäki, S; Salmela, E; Huoponen, K; Sistonen, P; Savontaus, M. L.; Lahermo, P (2006). "Regional differences among the Finns: A Y-chromosomal perspective". Gene 376 (2): 207–15. doi:10.1016/j.gene.2006.03.004. PMID 16644145. edit
  7. ^ Virpi Laitinena et al. (2002), Y-Chromosomal Diversity Suggests that Baltic Males Share Common Finno-Ugric-Speaking Forefathers, Human Heredity, pages 68-78, [1]
  8. ^ Petri Kallio 2006: Suomalais-ugrilaisen kantakielen absoluuttisesta kronologiasta. — Virittäjä 2006. (With English summary).
  9. ^ Häkkinen, Jaakko 2009: Kantauralin ajoitus ja paikannus: perustelut puntarissa. – Suomalais-Ugrilaisen Seuran Aikakauskirja 92. http://www.sgr.fi/susa/92/hakkinen.pdf


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