ガンド フィン人(サーミ人)とガンド

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ガンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 07:27 UTC 版)

フィン人(サーミ人)とガンド

1700年代のサーミ人のシャーマンが太鼓を用いて「ガンド」を行う図(北欧人から見た理解の仕方であって、北欧のガンドと同じかは不明)。Knud Leemの著作(1767年)から。

ヴァイキングは、「フィン人」(フィンランドの多数民族スオミ人ではなく、少数民族サーミ人のこと)を呪術に堪能な民族であると見なしていた。事実、「フィン人(サーミ人)も呪術もどちらも信じてはならない」という法が制定され、「フィン人(サーミ人)の呪いをかける」(古ノルド語: finnvitka)という動詞まであった[16]

12〜13世紀の歴史書『ノルウェー史』には、サーミ人のシャーマンが交霊会を行う描写が含まれており、シャーマンが召喚する精霊を、著者はガンドゥス(ラテン語: gandus)と呼んでいる[17]。この記述で特徴的なのは、サーミ人の信仰における様々なタイプの精霊を「ガンドゥス」とひとまとめにしており、儀式に関わる動物も何故か(本来のトナカイではなく)鯨や海獣としていることである[18]。クライヴ・トリーは、『ノルウェー史』の著者が持つガンドへのイメージが、本来は別物であるサーミ人の信仰を把握するうえで現れているのだと主張している[15]

脚注

参考文献


注釈

  1. ^ 谷口は「女は魔法を使ったからだ」[4]、 菅原は「彼女は杖どもに魔力を与えた」[5]と翻訳している。
  2. ^ 谷口は「魔法と予言の力を手に入れた」[6]、 菅原は「(彼女は)杖どもの予言をわがものにした」[7]と翻訳している。

出典

  1. ^ a b Hermann 1995, p. 93.
  2. ^ Ström 1982, p. 243-244.
  3. ^ Ström 1973, p. 244.
  4. ^ 谷口 1973, p. 11.
  5. ^ 『巫女の予言』 1993, p. 23.
  6. ^ 谷口 1973, p. 12.
  7. ^ 『巫女の予言』 1993, p. 26.
  8. ^ Ström 1973, p. 243.
  9. ^ Simek, p. 115.
  10. ^ Hermann 1995, p. 112.
  11. ^ 谷口 1973, p. 18.
  12. ^ Ström 1973, p. 102.
  13. ^ Simek, p. 179.
  14. ^ Tolley 1995, p. 71.
  15. ^ a b Tolley 1995, p. 66.
  16. ^ Tolley 1995, p. 62.
  17. ^ Tolley 1995, pp. 62–64.
  18. ^ Tolley 1995, pp. 65–66.


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