唐宋音とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > > 音響 > > 唐宋音の意味・解説 

とうそう‐おん〔タウソウ‐〕【唐×宋音】

読み方:とうそうおん

唐音(とうおん)


唐音

(唐宋音 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/18 20:26 UTC 版)

清楽の歌詞。「九」「解」「児」などの音が現代の中国語と異なっており、18世紀前半以前の音を反映していることがわかる。『月琴楽譜』(1878(明治10)年刊)より。

唐音(とうおん・とういん[1])は、日本漢字音(音読み)において平安時代中期以降、江戸時代末期までに中国から入ってきた字音にもとづくものをいう[2]以降の字音である。唐音の唐は、漢音呉音と同様に、王朝名を表す(唐朝)のではなく、中国を表す語(唐土)である。

概要

室町時代には宋音とも呼ばれた。唐音と宋音をあわせて唐宋音(とうそうおん)とも呼ばれる。唐音は呉音・漢音のようにすべての字にわたる体系的なものではなく、断片的で特定の語と同時に入ってきた音である。遣唐使の中止で途絶えた日中間の交流が、平安末、鎌倉初から再開し、室町、江戸を通じてさかんになって、禅宗の留学僧や民間貿易の商人たちによってもたらされた。したがって唐音のもとになった中国音は時代も土地も多様である。

学術的には中世唐音(これを宋音と呼ぶ人もいる)と近世唐音に分けられる[3]

言海』の「採収語」中、漢語は13546語あるのに対し、唐音語とされるものは96語しかなく、日本語にはいった語彙数はきわめて小さい[4]。現代人になじみのある唐音語はおおむね中世唐音による。しかし、日常語においてどれが唐音であるかの判定には困難な点が多く、漢字表記が複数あったり、単なる当て字や、呉音・漢音系字音との混種語である可能性のあるものなど、しばしば不確かである[5]

  • 下(ア)
    • 下火(アコ)
  • 行(アン)
    • 行火(アンカ)
    • 行脚(アンギャ)
    • 行宮(アングウ)
    • 行在所(アンザイショ)
    • 行師(アンジ)
    • 行者(アンジャ)
    • 行灯(アンドン)
  • 杏(アン)
  • (アン)
  • 銀(イン)
    • 銀子(インツウ)
  • 胡(ウ)
    • 胡散(ウサン)
    • 胡盞(ウサン)
    • 胡乱(ウロン)
  • 外(ウイ)
  • 回(ウイ)
    • 回回教(ウイウイキョウ)
    • 回礼(ウイレイ)
  • 茴(ウイ)
  • 和(オ)
  • 客(カ)
    • 知客(シカ)
  • 羹(カン)
    • 饅羹(マンカン)
    • 羊羹(ヨウカン)
  • 強(ガン)
  • 脚(キャ)
    • 行脚(アンギャ)
    • 脚榻(キャタツ)
    • 脚絆(キャハン)
  • 俠(キャン)
    • 御俠(オキャン)
  • 経(キン)
    • 看経(カンキン)
    • 経行(キンヒン)
    • 諷経(フギン)
  • 京(キン)
  • (キン)
    • 引磬(インキン)
    • 磬子(キンス)
  • 軽(キン)
    • 剽軽(ヒョウキン)
  • 灰(クイ)
  • 火(コ)
    • 下火(アコ)
    • 喝火(カッコ)
    • 火燵(コタツ)
  • 箇(コ)
  • 茶(サ)
    • 喫茶(キッサ)
    • 茶道(サドウ)
  • 生(サン)
    • 生飯(サンパン)
    • 出生(スイサン)
    • 作麼生(ソモサン)
  • 知(シ)
    • 知客(シカ)
  • 石(シツ)
    • 石灰(シックイ)
  • 卓(シツ)
  • 竹(シツ)
    • 竹篦(シッペイ)
  • 直(シツ)
    • 直歳(シッスイ)
  • 頭(ジュウ)
    • 塔頭(タッチュウ)
    • 饅頭(マンジュウ)
  • 請(シン)
    • 請暇(シンカ)
    • 普請(フシン)
  • 聖(シン)
    • 祝聖(シュクシン)
  • (シン)
  • 子(ス)
    • 杏子(アンズ)
    • 椅子(イス)
    • 印子(インス)
    • 銀子(インツウ)
    • 金子(キンス)
    • 繻子(シュス)
    • 扇子(センス)
    • 楪子(チャツ)
    • 刀子(トウス)
    • 緞子(ドンス)
    • 払子(ホッス)
    • 様子(ヨウス)
    • 綾子(リンズ)
  • 司(ス)
    • 西司(セイス)
    • 東司(トウス)
    • 副司(フウス)
  • 笥(ス)
  • 僧(ス)
    • 売僧(マイス)
  • 鼠(ス)
  • 師(ス)
    • 師兄(スヒン)
  • 寺(ス)
    • 監寺(カンス)
    • 都寺(ツウス)
    • 副寺(フウス)
  • 西(スイ)
  • 歳(スイ)
    • 直歳(シッスイ)
  • 座(ソ)
    • 引座(インゾ)
    • 首座(シュソ)
    • 典座(テンゾ)
  • 作(ソ)
    • 作麼生(ソモサン)
  • 塔(タツ)
    • 塔頭(タッチュウ)
  • 榻(タツ)
    • 脚榻(キャタツ)
  • 湯(タン)
  • (チェエ)
  • 楪(チャ)
    • 楪子(チャツ)
  • 提(チョウ)
  • 灯(チン)
    • 提灯(チョウチン)
  • 頂(チン)
  • 繊(チン)
  • 浄(チン)
  • 聴(チン)
    • 聴叫(チンキョウ)
    • 聴呼(チンコ)
  • 亭(チン)
  • 桶(ツウ)
    • 面桶(メンツウ)
  • 都(ツウ)
    • 都管(ツウカン)
    • 都寺(ツウス)
  • 等(テン)
    • 釐等具(レイテング)
  • 団(トン)
  • 緞(ドン)
    • 緞子(ドンス)
  • 暖(ノン)
    • 暖気(ノンキ)
    • 暖寺(ノンジ)
    • 暖寮(ノンリョウ)
    • 暖簾(ノレン)
  • 兄(ヒン)
    • 孔方兄(コウホウヒン)
    • 師兄(スヒン)
  • (ビン)
  • 平(ヒン)
    • 難平(ナンピン)
  • 餅(ヒン)
    • 巻餅(ケンピン)
  • 蒲(フ)
  • 副(フウ)
    • 副寺(フウス)
  • 婆(ホ)
    • 湯婆(タンポ)
  • 陪(ホイ)
    • 陪堂(ホイトウ)
  • 焙(ホイ)
    • 焙炉(ホイロ)
  • 菠(ホウ)
  • 袱(ホク)
    • 卓袱(シッポク)
  • 払(ホツ)
    • 払子(ホッス)
  • 黄(ホツ)
    • 黄絹(ホッケン)
  • 孟(マン)
    • 孟浪(マンラン)
  • (ミン)
  • 麼(モ)
    • 作麼生(ソモサン)
  • 梅(モイ)
    • 梅花(モイカ)
  • 浪(ラン)
    • 孟浪(マンラン)
  • 両(リャン)
    • 両個(リャンコ)
  • (リュウ)
  • (リン)
    • 火鈴(コリン)
    • 風鈴(フウリン)
  • 綾(リン)
    • 綾子(リンズ)
  • 釐(レイ)
    • 釐等具(レイテング)
  • 薐(レン) 
    • 菠薐草(ホウレンソウ)
  • 乱(ロン)
    • 胡乱(ウロン)
  • 還(ワン)
    • 還礼(ワンレイ)

脚注

  1. ^ 湯沢(1987) p.11によると、江戸時代にはトウインで、明治以降にトウオンとも呼ばれるようになった
  2. ^ 湯沢(1987) p.2
  3. ^ 肥爪(2005) p.201
  4. ^ 湯沢(1987) p.5
  5. ^ 肥爪(2005) pp.201-203

参考文献

関連項目

外部リンク


唐宋音

出典:『Wiktionary』 (2008/11/01 21:24 UTC 版)

名詞

とうそうおん

  1. 漢字音読みするときの読み方のひとつで、鎌倉時代以降流入した音で、唐音及び宋音総称中国代末期から初期音の影響がある。正統とされる漢音古典仏典において一般的である呉音比べ用いられることは稀である。

関連語




唐宋音と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「唐宋音」の関連用語

唐宋音のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



唐宋音のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの唐音 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの唐宋音 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS