WBA王座獲得と防衛
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2010年1月11日、14戦目で世界初挑戦。東京ビッグサイトでWBA世界スーパーフェザー級王者フアン・カルロス・サルガド(メキシコ)に挑む。序盤から的確にパンチを集めて試合を優勢に進め、11回終了時点でポイントを大きくリード。判定でも勝利は間違いない状況であったが、最終12回も攻撃の手を緩めず、残り40秒を切ったところで王者からダウンを奪った。立ち上がった王者を連打で追撃し、12回2分48秒レフェリーストップによるTKO勝ち。無敗で王座獲得に成功した。 2010年5月17日、地元・埼玉県のさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナでWBA世界スーパーフェザー級12位でWBAフェデラテンスーパーフェザー級王者アンヘル・グラナドス(ベネズエラ)と対戦。身長185cmとスーパーフェザー級では異例の長身とウェルター級で戦った経験があるグラナドスを相手に序盤から的確にパンチをヒットさせ、6回に右フックでダウンを奪い、6回1分42秒レフェリーストップによるTKO勝ちで初防衛に成功した。 2010年9月20日、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナでWBA世界スーパーフェザー級5位のロイ・ムクリス(インドネシア)と対戦。序盤から相手のボディーに効果的にパンチを浴びせて主導権を握る。迎えた5回、残り1分を切ったところで右ストレートをクリーンヒットさせたのを皮切りに、挑戦者をロープに詰めて一気に連打を浴びせ、ダウンを奪うと相手はそのまま立ち上がれず。結局、レフェリーはカウントを途中でストップ。5回2分27秒TKOで王座防衛に成功した。世界王座獲得から3戦続けてのKO勝利は、日本の世界王者としては初めて。ムクリスは試合後も起き上がることができず、担架に乗せられ会場近くの病院へ直行。左ほお骨骨折で入院を余儀なくされた。 2011年、1月14日 東京・文京区のJBC事務局にて前年11月にニカラグアで行われたWBA総会で受賞が決定したアジア優秀選手賞の記念品贈呈式が行われ、記念のプレートが贈呈された。。 2011年1月31日、東京・有明コロシアムでWBA世界スーパーフェザー級4位の三浦隆司(横浜光)と対戦した。当初、この試合は1月10日にWBA世界スーパーフェザー級暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との王座統一戦となる予定だったが、ソリスが気管支肺炎を患ったため試合を辞退。それに伴い、三浦との日本人対決に変更となった。試合は3回に偶然のバッティングで右目上をカットし、さらに挑戦者の左ストレートでダウンを奪われたものの、その後は左ジャブを的確に当て続け、挑戦者の右目を腫れ上がらせる。そして、8回終了後のインターバルで挑戦者側が右目の視界を失ったことを理由に棄権しTKO勝ちで3度目の防衛成功。これで世界王座奪取から4連続(世界王座奪取前から数えると7連続)のKO勝ちとなった。試合終了後、内山は左ジャブを多用した理由として「試合中に右手を骨折していた」ことを明かした(診断の結果、骨折ではなく右手甲の手根骨と中手骨の脱臼であった)。また内山は3度目の防衛戦前の練習でも右拳を痛めていた為、試合後に右拳の手術を受けさせ、暫く防衛戦を組まなかった。 2011年12月31日、前回の防衛戦から11ヶ月間を置いてWBA世界スーパーフェザー級暫定王者ソリスと横浜文化体育館で対戦した。5回にソリスをぐらつかせるなど冷静に自分のペースを作って試合を運ぶ。11回開始直後に左フックでダウンを奪ったところでソリスは失神。レフェリーがノーカウントで試合をストップ。4度目の防衛と王座統一に成功した。奪取戦を含めた世界戦5連続KO勝ち、および世界タイトル統一戦KO勝ちは日本人選手では初となった。 2012年3月1日、WBA本部があるパナマ・パナマ市で前年度のWBA年間KO賞に選ばれ表彰式に出席した。WBAのKO賞を日本人が受賞したのは史上初の快挙だった。 2012年7月16日、地元のウィングハット春日部でWBA世界スーパーフェザー級6位のマイケル・ファレナス(フィリピン)と対戦したが、3回に内山が偶然のバッティングで右目上を負傷し試合続行が不可能となり、連続KO記録は途絶えたが3回負傷引き分けで5度目の防衛に成功した。負傷した部分は三浦戦でもカットしており、今回の試合では長さ6センチ、深さ8ミリの重度の裂傷だった。 2012年12月31日、大田区総合体育館でWBA世界スーパーフェザー級1位でWBA世界スーパーフェザー級暫定王者のブライアン・バスケス(コスタリカ)と対戦。中盤からボディブローを多用し、8回途中左フックで無敗の暫定王者バスケスをよろめかし、残り30秒からラッシュの猛攻で、相手をロープ際に追い込みレフェリーストップによる8回3分TKO勝ちで6度目の防衛と2度目の王座統一に成功した。 2013年5月6日、大田区総合体育館で元WBA世界フライ級王者ロレンソ・パーラの弟でWBA世界スーパーフェザー級10位のハイデル・パーラ(ベネズエラ)と対戦。5回に左ボディブロー一発でダウンを奪いカウントアウト。5回2分15秒KO勝ちで7度目の防衛に成功した。試合後にWBAからこれまでの防衛を称えられ、スーパーチャンピオンベルトを贈呈された。 2013年12月31日、大田区総合体育館で元日本スーパーフェザー級王者でWBA世界スーパーフェザー級4位の金子大樹(横浜光)と対戦。10回にダウンを奪われるもその後見事なリカバリーを見せ、12回3-0(3者とも117-110)の判定勝ちを収め8度目の防衛に成功した。 2014年12月31日、大田区総合体育館でWBA世界スーパーフェザー級9位のイスラエル・ペレス(アルゼンチン)と対戦。ジャブ、左ボディブローでペレスにダメージを蓄積させ、9回終了後のインターバルで挑戦者陣営が棄権を申し出たため、TKO勝ちで9度目の防衛に成功した。2015年1月17日、WBAは内山をWBAの2014年12月度の月間MVPに選出した。
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