Tom Simpsonとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Tom Simpsonの意味・解説 

トム・シンプソン

(Tom Simpson から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 04:18 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
Tom Simpson
個人情報
本名 Thomas Simpson
愛称 Mr Tom[1]
生年月日 (1937-11-30) 1937年11月30日
没年月日 (1967-07-13) 1967年7月13日(29歳没)
国籍 イギリス
身長 1.81 m (5 ft 11 in)[2]
体重 69 kg (152 lb; 10.9 st)[2]
チーム情報
分野 Road and track
役割 Rider
特徴 All-rounder
プロ所属チーム
1959
1960–1961
1962
1963–1967
St. Raphaël-Géminiani
Rapha-Gitane-Dunlop
Gitane-Leroux-Dunlop
Peugeot-BP-Englebert
グランツール最高成績
主要レース勝利

グランツール

ブエルタ・ア・エスパーニャ
2 individual stages (1967)

ステージレース

パリ〜ニース (1967)

ワンデー・クラシック

ロンド・ファン・フラーンデレン (1961)
ボルドー〜パリ英語版 (1963)
ミラノ〜サンレモ (1964)
ジロ・ディ・ロンバルディア (1965)
獲得メダル
イギリス
ロードレース (自転車競技)
世界選手権
1965 サン・セバスチャン プロ・個人ロード
オリンピック
1956 メルボルン 4000m団体追抜
最終更新日
{{{更新日}}}

トム・シンプソン(Tom Simpson, 1937年11月30日 - 1967年7月13日)はイギリス自転車競技選手。1967年のツール・ド・フランス第13ステージのモン・ヴァントゥの登りにおいて帰らぬ人となったことで今もその名をとどめる。

経歴

イングランド北東のダーハムで生まれたシンプソンは、第二次世界大戦後に一家がノッティンガム近郊のハーワースへと移住した際に自転車競技に興味を持ち、技術系専門学校に通う傍ら、後にその地域の自転車チームに加入した。やがてその地域のタイムトライアルレースで優勝するようになると、シンプソンはトラックレースを勧められ、後にマンチェスターのファローフィールド自転車競技場に拠点を移して練習を行うようになり、4000m個人追抜の国内選手権で優勝。

この実績を買われて、1956年メルボルンオリンピックでは4000m団体追抜のメンバーとなり銅メダルを獲得。さらに2年後のコモンウェルスゲームズ個人追抜では銀メダルを獲得した。1959年、シンプソンはプロのロード選手を目指しフランスサン=ブリユーへと移住。そしてそこで二つのプロチームから誘いを受けるが、プジョーに入ることになった。

1961年ロンド・ファン・フラーンデレンを制し、初のメジャータイトル獲得。翌1962年にはツール・ド・フランスでマイヨ・ジョーヌを奪取した。1963年にはボルドー~パリを制し、1964年ミラノ~サンレモで優勝。そして1965年、シンプソンはスペインサン・セバスティアンで開催された世界選手権において、ルディ・アルティヒとの壮絶なスプリント争いを制し、見事世界チャンピオンに輝いたほか、同年のジロ・ディ・ロンバルディアも制した。またシンプソンはこの年のBBC・年間スポーツパーソナリティ賞を受賞している。

そして1967年、シンプソンはパリ~ニースで総合優勝を果たす。また初めて出場したブエルタ・ア・エスパーニャでも区間2勝を挙げた。そしてこのあと、シンプソンはツール・ド・フランスへと出場する。

ツール・ド・フランス1967

第8ステージにおいてシンプソンは、区間優勝のルシアン・エマールに19秒差の5位に食い込み、総合でもトップのロジェ・パンジョンに対して5分15秒差の7位へと浮上した。年齢的なことを考えてもツール制覇へのラストチャンスと意気込んでいたシンプソンにとって、この時間差であればまだまだ総合優勝を狙える位置にいた。しかし第10ステージにおいてパンジョンらに引き離されて後退。総合ではパンジョンに8分20秒の差をつけられてしまった。何とかこの差を挽回するべく、このあとのピレネー越えステージを占う上においても、シンプソンにとって、第13ステージは非常に重要な区間となった。

シンプソンはモン・ヴァントゥへ向けてのループ区間にさしかかるまではこのステージの首位争いを演じていた。しかしやがてフリオ・ヒメネスらのグループについていけなくなったばかりか、モン・ヴァントゥまで残りあと2kmあたりの付近でフラフラの状態となり、ついには転倒した。チームスタッフはシンプソンにリタイアを求めたがシンプソンは拒否してまた自転車に跨りはじめた。だが残り500mの付近で再度転倒し、今度は起き上がれなくなった。すぐさま救急ヘリが駆けつけ、病院へと運んだものの、既にシンプソンは息を引き取っていた。

シンプソンの死については後に色々な臆測を呼んだ。後にシンプソンの体内からアンフェタミンアルコールに加え、利尿薬までもが検出されることになったが(ドーピング)、さらにこの年のプロヴァンス地方は猛暑だったことも重なり、熱射病と結論付けられた。また、この年の成績から契約更新に消極的な姿勢をスポンサーから示されており、シンプソンはかなり精神的重圧を強いられていたことが明白となった。

30年後、シンプソンが亡くなった地点に記念碑がつくられた。また2001年8月にはルシアン・バンインプがシンプソンの記念博物館を、シンプソンが自転車競技選手を志すきっかけとなったハーワースに開館させた。こうしたものを通じて今もなお、シンプソンという選手の記憶をとどめている。

自転車ジャーナリストChris Sidwellsは彼の甥である。

脚注

  1. ^ “Remembering Mr Tom”. BBC Sport (London: BBC). (2002年7月28日). http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/other_sports/cycling/2141228.stm 2013年2月9日閲覧. "Simpson, "Mr Tom" as he came to be known, was the first rider from the UK to make his mark in the tough world of professional European cycling." 
  2. ^ a b Fotheringham 2007, p. 229.

外部リンク


「Tom Simpson」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Tom Simpson」の関連用語

Tom Simpsonのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Tom Simpsonのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトム・シンプソン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS