WebTV
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/02 16:10 UTC 版)
WebTV(ウェブティービー)はマイクロソフトとウェブティービーネットワークス社によって開発された家庭用テレビ受像機に接続して使用するインターネット専用端末(セットトップボックス)である。
概要
1996年9月にアメリカでサービス開始。パソコンを持たなくてもテレビとアナログ電話回線に接続するだけでインターネットにアクセスできる手軽な端末として普及した。ネットサーフィン以外にもメール(含むメールマガジン[1])やチャット、専用の掲示板等が用意されている。
また、このWebTVの技術を活かしたテレビ業界向けのソフトウェアとして「Microsoft TV Server」も開発された[2]。
2001年にMSN TVに改称。2013年7月6日、マイクロソフトは同年9月30日付でサービスを終了する事を明らかにした[3]。今後はXbox Oneで同様の機能を提供する予定。また、電話による顧客対応は2014年1月15日まで受け付けるとしている[4]。
諸元
内蔵ブラウザはInternet Explorer4.0に完全互換であり、加えてWebTV専用のDHTMLタグを使用する事ができた。またネットワークを通してファームウェアのアップデートが行えるシステムを採用し、ユーザーは常に最新のソフトウェアを使用できるようになっていた。音源にはGM互換音源と1チャンネルのPCM音源を搭載しており、録音した音声をメールに添付したり、サイト中のMIDIデータを再生する事もできた。2000年からはWindows MediaやRealAudio G2にも対応している[5]。
内蔵のモデムの仕様は当初33.6kbps、アップデートで56Flex(56kbps)に対応した。接続方法はWebTVサービスが提供する専用のものが用意され(アクセスポイントは既存のISPのものを利用)、1998年12月からはユーザーが任意で加入したISP(一部)も選択できるようになった[6]。 6名までユーザーを登録でき、ISPの設定に関係なく個別にメールアドレスを設定したり、各々の設定を切り替えて使用する事ができた。
追って発売されたWebTV Plusでは、ネットを通してテレビ番組表を参照できる機能も採用され、現在におけるEPGの先駆けとして受け入れられた。またWebTV Plusは番組連動により、番組の簡単な説明を参照したり、該当するウェブサイトにリンクするといった操作がワンタッチで行えるようにもなっていた。
キャッシュや設定内容の保存用として、約1GBのハードディスクドライブを内蔵していた。またカードスロットも搭載しており[7]、磁気カードを用いることにより様々な用途に使用する検討が成されたが、ほとんど使われる事はなかった。
周辺機器としてリモコンや赤外線キーボードが用意された他、一部のキヤノン及びヒューレット・パッカード製プリンターを接続して表示ページを印刷する事ができた。
日本における展開
1997年12月1日にサービス開始。日本におけるドメイン名は @webtv.ne.jp。端末はレンタルもあったが、大部分が買い取り制だった。HTML 3.2に対応[8]。
セガのゲーム機ドリームキャストでも、「マイクロソフト ウェブティービー接続キット」というCD-ROMソフトによって利用することができ[9]、1999年から2000年にかけて希望者のみ配布していた。
日本向けに、時事通信社や東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)[10]、日本オンライン証券(現・カブドットコム証券)[11]などがコンテンツやサービスを提供していた。
使いやすさから主婦層を中心にユーザーを増やしたが、ブロードバンドや携帯電話を使ったネットサービスの普及を理由に、2002年3月31日付で日本国内におけるサービスを終了し、運営会社も清算された。運営会社は使用できなくなる本体端末の代わりに日本電算機のiBOX-2をユーザーに無償配布したが、当該端末はWebTVと比較して性能やサービスが著しく劣るものであったため、サービスの終了は多くのユーザーの反感を買うものとなった[要出典]。
沿革
- 1996年9月18日 - サービス開始。
- 1997年4月7日 - マイクロソフトがウェブティービーネットワークスを買収[12]。
- 1997年8月11日 - 日本法人設立。
- 1997年11月20日 - 対応端末の1号機として、ソニー製のINT-WJ200が発売開始。
- 1997年12月1日 - 日本でのWebTVサービス開始。
- 1998年2月24日 - 業務提携していた富士通が、日本法人に資本参加[13]。
- 1998年2月 - 初のアップデートでホーム画面へのニュースヘッドライン配信と、オフラインでのメール作成機能を追加[14]。
- 1998年6月 - 2度目のアップデート。モデムの高速化、画面印刷、チャット、メールへの静止画・音声取り込み機能などを追加[15]。併せて、OpenISPサービスを開始。
- 1998年12月1日 - WebTV Plus、日本国内でサービス開始。パナソニック製の対応端末も同時発売[16]。
- 2001年7月18日 - 名称をMSN TVに変更すると発表(日本はWebTVのまま)。
- 2002年3月31日 - 日本におけるWebTVサービス終了。
- 2013年7月6日 - MSN TVを9月30日付で終了するとマイクロソフトが発表。
- 2013年9月30日 - MSN TVサービス終了。
端末製造メーカー
※日本市場未投入のメーカーを含む。
関連人物
- スティーブ・パールマン - WebTVの共同設立者
- アンディ・ルービン - WebTVが設立された1995年に加わった
備考
- オラクルも、同様のコンセプトを持った「NCTV(Network Computer TV)」を開発していた[17]。
脚注
- ^ “日本でWebTVユーザー向けにメール配信サービス開始”. Internet Watch (1998年3月23日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “Microsoft、TV業界向け双方向通信ソフト「Microsoft TV」発表”. Internet Watch (1999年6月15日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “Microsoft、インターネットTVサービス「MSN TV」を終了へ”. ITmediaニュース (2013年7月8日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “MSN TV:Closure FAQ”. 2013年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月18日閲覧。
- ^ “米WebTVがWindows MediaやRealAudio G2に対応”. Internet Watch (2000年5月12日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “ニフティ、So-netなど6プロバイダーでWebTVが利用可能に 6月下旬に新サービスを開始”. Internet Watch (1998年5月19日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “「テレビでインターネット」の新星 WebTVがアメリカでデビュー!!”. iNTERNET magazine1996年12月号. 2013年7月8日閲覧。
- ^ “パソコンなんていらない!? テレビでインターネットを楽しむ方法”. Internet Watch (1998年8月31日). 2014年2月1日閲覧。
- ^ “セガのDreamcast 29,800円でWebとメールが楽しめる”. Internet Watch (1998年10月6日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “WebTV、東京三菱銀行と組んでバンキングサービスを開始 今後、保険や証券サービスも予定”. Internet Watch (1999年11月18日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “日本オンライン証券、WebTV向けにオンライントレードを提供”. Internet Watch (2000年3月30日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “MicrosoftがWebTV Networksを買収 プッシュ型サービスを強化”. Internet Watch (1997年4月7日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “富士通がウェブ・ティービー・ネットワークスに資本参加”. Internet Watch (1998年2月24日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “WebTVが2月末にアップグレードサービスを開始”. Internet Watch (1998年2月19日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “「WebTVは21世紀のテレビだ」WebTV社長Steve Perlman氏が語る”. Internet Watch (1998年4月8日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “「WebTV Plus」が12月国内スタート 松下が専用端末を発売”. Internet Watch (1998年11月12日). 2013年7月9日閲覧。
- ^ “「WebTV」のライバルとなるか?オラクルが「NCTV」を公開”. Internet Watch (1998年4月22日). 2013年7月9日閲覧。
関連項目
外部リンク
- MSN TV - 公式サイトのアーカイブ その1。
- MSN TV - 公式サイトのアーカイブ その2。
- WebTV - 日本公式サイトのアーカイブ。
- WEB TVインターネットターミナル TU-WE100 商品概要 - パナソニック
「MSN TV」の例文・使い方・用例・文例
- 子ども向けのよいTV番組
- 彼がMTVのリアリティー番組に主演した有名なスケートボーダーだよ!
- マクドナルドはブランドマネジメントの一環として、TVコマーシャルに年間数億ドルを掛けている。
- 「突然TV番組で取り上げられ朝から注文の電話が鳴りっぱなしで在庫も不足している」とA社の社長は嬉しい悲鳴を上げている。
- 家にいるときはいろいろとやることが多くTVを見る暇もない。
- 連続したフィールドが3つの原色でスキャンされたカラーTVの初期の形
- ラジオまたはTV放送が受信される地域
- TV画像の高さの幅の比
- ケーブルニュースネットワークという,ニュース番組供給会社が衛星中継でCATV局に映像ニュースを流すシステム
- 受信者が放送局と応答できるCATV
- 自主放送を行い,加入1万世帯以上で,双方向機能をもつCATV
- IDTVという,受像機に画像メモリーを備えて,解像度を増したテレビ
- EDTVという,画質の鮮明化を図ったテレビ
- CATV施設で受信録画したテレビ番組を使って,本来とは異なる時間に行う放送
- マルチプルシステムのオペレーターという,各地のシステムを二つ以上所有するCATV事業者
- CATV施設がサービスエリア外のテレビ局の電波を受信し,自分の加入者に再送信すること
- CATVで放送される文字図形による番組
- CATV事業者の自主制作番組の放送
- CATVの放送
- スペースケーブルネットという,通信衛星を利用したCATVの番組供給ネットワーク
- MSN_TVのページへのリンク