I. 価値と原則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 10:18 UTC 版)
「国連ミレニアム宣言」の記事における「I. 価値と原則」の解説
我々、元首及び政府首脳は、新たな千年期の黎明に際して、2000年9月6-8日にニューヨークの国連本部に参集し、より平和で繁栄し公正な世界の不可欠の基礎としての国連及び国連憲章に対する信頼を再確認した。 我々は、各々の社会に対する個別の責任に加え、全世界にわたり人間の尊厳、平等及び衡平を支持する集団的責任を有していることを認識する。したがって、我々は指導者として世界の全ての人々、特に、最も弱い人々、将来未来を担う世界の子供達に対して責任を負っている。 我々は、時を越え普遍的なものであることが明らかな国連憲章の目的と原則に対するコミットメントを再確認する。国家と人民がますます相互に関連し依存するようになってきたことから、国連憲章の目的と原則の重要性と示唆力は大きくなってきた。 我々は、憲章の目的と原則にしたがい、世界中に公正で持続的な平和をうち立てることを決意する。我々は、全ての国家の主権的平等、全ての国家の領土保全と政治的独立性の尊重、平和的手段による公正の原則と国際法に則った紛争の解決、依然として植民地支配や外国による占領下にある 人民の自決権、国家の内政への不干渉、人権及び基本的自由の尊重、人種・性別・言語・宗教の違いによらない万人の平等な権利の尊重、及び経済的・社会的・ 文化的或いは人道的性格の国際問題の解決のための国際協力を支持するあらゆる努力を支援することに改めて献身する。 今日我々が直面する主たる課題は、グローバリゼーションが世界の全ての人々にとり前向きの力となることを確保することである。というのも、グローバリゼーションは大きな機会を提供する一方、現時点ではその恩恵は極めて不均等に配分され、そのコストは不均等に配分されている。我々 は開発途上国及び経済が移行期にある諸国がこの主たる課題に対応する上で特別の困難に直面していることを認識する。したがって、我々に共通な多様な人間性 に基づく、共通の未来を創るための広範かつ持続的な努力を通じてのみ、グローバリゼーションは包括的かつ衡平なものとなりうる。これらの努力は、開発途上 国及び移行期にある経済のニーズに対応し、これら諸国の効果的な参加により形成され実施される、世界レベルの政策や手段を含まねばならない。 我々は、いくつかの基本的価値が、21世紀における国際関係にとり不可欠であると考える。それらの価値には以下が含まれる。自由:男性も女性も、尊厳を有し、飢餓から解放され、暴力・抑圧・不公平の恐怖から解放されて、生活を営み子供を育てる権利を有する。民意に基づく民主的で参加型の統治がこれらの諸権利を最大限に保障する。 平等:いかなる個人、いかなる国家も、開発から恩恵を得る機会を否定されてはならない。女性と男性の権利と機会の平等は保障されねばならない。 団結:グローバルな課題には、衡平と社会正義という基本的な原則にしたがって、コストと負担が公正に分担されるような方法で、取り組まねばならない。苦しんでいる者、恩恵を受けることの最も少ない者は、最も恩恵を受ける者から支援を受ける資格がある。 寛容:人類は、信仰、文化及び言語の全ての多様性において相互を尊重しなければならない。社会の中の差異、及び社会同士の差異を畏れてはならず、抑圧しては ならず、人間性の貴重な資産として大切にしなければならない。平和の文化と全ての文明間の対話は積極的に推進されねばならない。 自然の尊重:全ての生物及び天然資源の管理においては、持続可能な開発という指針にしたがって、慎重さが示されねばならない。そ れによってのみ、我々が自然から享受している計り知れない富を保全し、我々の子孫に伝えることができる。現在の持続不可能な製造・消費様式は、将来の我々 の福利及び我々の子孫の福利のために、変更されねばならない。 責任の共有:世界の経済・社会開発並びに国際の平和と安全に対する脅威への取組の責任は、世界の国々によって分かち合われ、多角的に果たされなくてはならない。世界で最も普遍的で最も代表的な機関として、国連は中心的な役割を果たさなくてはならない。 これらの共有される価値を行動に変えるために、我々が特に重要と考える主要な目標を確認した。
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