5つの『ロストワールド』とは? わかりやすく解説

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5つの『ロストワールド』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 00:20 UTC 版)

ロストワールド (漫画)」の記事における「5つの『ロストワールド』」の解説

手塚治虫は、『ロストワールド』を5回にわたり執筆したとしており、そのうち4つ公表されている。 第1号私家版手塚によれば執筆は「北野中二、三年の頃」(後述するように、実際執筆時期北野中学卒業後の1945年夏だとする説がある)。確認される最古の版。当然ながら商業出版前提したものではなかったが、保管されていた原稿1982年名著刊行会から単行本化され、手塚死後1994年手塚治虫漫画全集にも収録された。ただし、原稿単行本化時点一部欠損している。 第2号私家版改訂版手塚によれば昭和18年1943年)から19年1944年)にかけて執筆したもの(後述するように、実際執筆時期戦後1946年夏だとする説がある)。本格的な装丁施され手塚友人たちの間で読まれていたが、のちに紛失したとされ現存しない。 第3号関西輿論新聞版) 『関西輿論新聞』(後の『新関西』)1946年10月21日付より連載終了時不明版元都合により連載中断し未完。2回分の切り抜き現存していたことは知られていた。後に手塚治虫自身遺品スクラップブックから全39回のうち、第7回第23回第38回第39回4話全部第21回一部欠損した状態ではあるが、第1回含む35分の切り抜きが遺されている事が判明し2020年4月の『手塚治虫アーリーワークス』に現存する全て収録された。 手塚回想によれば毎日8コマ連載で、打ち切り理由は紙不足で新聞ブランケット判からタブロイド判になり、紙面余裕なくなったためという。また、次第に『私家版』の構想離れ、のちの不二書房版とも異なる独自の展開となり、打ち切り直前には、敷島博士の子妊娠したあやめが、人間の姿を保つことができなくなっての姿になってしまい、木の子、つまりキノコ産み落とす、という展開になっていたという。 第4号不二書房版) 1948年12月不二書房から書き下ろし単行本として発売、「地球編」「宇宙編」の全2巻から成る一般にロストワールド』として挙げられるのはこの版であり、手塚治虫漫画全集への収録含めてたびたび復刻されている。 執筆自体は『地底国の怪人』『魔法屋敷』(共に1948年2月発売)の直後行われたが、内容難しいなどの理由から単行本化一時先送りされていた。しかし実際に発売されると、すぐに前後編合わせて40部を売り上げ、『週刊朝日』などにも取り上げられるベストセラーとなった第5号冒険王版) 1955年秋田書店の「冒険王」誌で、『前世紀星』のタイトル連載未完2010年国書刊行会より復刻された。 これらの作品大筋において共通するが、細部描写それぞれ微妙に異なっている。手塚治虫初期漫画作品中には、『月世界紳士』(1948年リメイク版1951年)や『地底国の怪人』(1947年リメイク版は『地球トンネル1951年、『アバンチュール211970年)のように、手塚自身によるリメイク作品幾つか存在するが、『ロストワールド』は、その回数において最たるものである。しかも手塚は、1982年に『ロストワールド 私家版』が公刊された際「また書き改めることがあるかもしれない」とのメッセージ添えており、彼にとって大きな意味を持つ作品であると言えるだろう。 なお、上述第1号第2号執筆時期については、『ロストワールド 私家版公刊時に付され手塚の「あとがきにかえて」によるが、第1号執筆時期日米開戦1941年12月)よりも前であることを示唆する記述がある一方で執筆時期は『幽霊男』(手塚日記から、執筆1945年4月以後であることが判明している)の後だとするなどの矛盾があり、また、手塚自身発言一定しておらず、発言のたびに微妙に説明変わっていることが指摘されている。 漫画研究家竹内オサムは、手塚日記に、1946年6月から8月にかけて『ロストワールド』を執筆製本したとする記述があることや、『幽霊男』が「てづかまんがそうしょ」の2・3巻、公刊された『私家版』が同4・56巻となっていることなどを根拠として、現在知られている『私家版』は、実際に1946年夏に執筆された第2号であり、これとは別に中学時代執筆された第1号存在したではないか、と推測している。一方手塚プロダクション資料室長の森晴路は、手塚の『昆虫手帳』に、1945年7月4日の項の次のページに『ロストワールド』が「7月20日発行予定」とあることから、『私家版』は1945年7月頃に執筆された第1号であり、1946年6 - 8月に執筆されたものは、紛失されとされる改訂版第2号)だと推定している。

※この「5つの『ロストワールド』」の解説は、「ロストワールド (漫画)」の解説の一部です。
「5つの『ロストワールド』」を含む「ロストワールド (漫画)」の記事については、「ロストワールド (漫画)」の概要を参照ください。

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