1966年のF1世界選手権とは? わかりやすく解説

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1966年のF1世界選手権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 00:03 UTC 版)

1966年のFIAフォーミュラ1
世界選手権
前年: 1965 翌年: 1967
一覧: 開催国 | 開催レース
1966年のF1世界選手権において3度目のドライバーズタイトルを獲得したジャック・ブラバム

1966年のF1世界選手権(1966ねんのエフワンせかいせんしゅけん)は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第17回大会である[1][2]1966年5月22日モナコで開幕し、10月23日メキシコで開催される最終戦まで、全9戦で争われた。

シーズン概要

1966年シーズンは3リッターカーによる最初のシーズンであり、昨シーズンに比べて最大排気量は倍増した。イギリス系コンストラクターはクライマックスの撤退に従い、他のエンジンを探さなければならなくなった。フェラーリ1961年のように周到な準備を行っているように思われたが、ジョン・サーティースはルマンでの予選でチームと衝突、その後チームを去りクーパーに加入した。ジャック・ブラバムが3度目のタイトルを獲得したが、今回は自身のチームによるタイトル獲得であった。ブルース・マクラーレンダン・ガーニーはブラバムを見習って、自身で車両を製作、参戦した。マクラーレンはフォードのインディアナポリスエンジンを3リットル以下に縮小したエンジン、ガーニーはウェズレイクに製作依頼したV型12気筒エンジンをそれぞれ用意した。BRMロータスはシーズンの大半で2リッターエンジンを使用した。BRMの新しいH型16気筒エンジンは失敗作ではあったが、ジム・クラークのロータスはこのエンジンを搭載しアメリカ・グランプリで優勝した。新たなレギュレーションが導入され、レース距離の90%未満しか走行できなかった車両は非完走扱いとされ、トップ6に入賞してもポイントが与えられなかった。

開催地及び勝者

ラウンド レース サーキット 開催日 ポールポジション ファステストラップ 優勝者 コンストラクター タイヤ レポート
1 モナコグランプリ モナコ 5月22日 ジム・クラーク ロレンツォ・バンディーニ ジャッキー・スチュワート BRM D 詳細
2 ベルギーグランプリ スパ・フランコルシャン 6月12日 ジョン・サーティース ジョン・サーティース ジョン・サーティース フェラーリ F 詳細
3 フランスグランプリ ランス・グー 7月3日 ロレンツォ・バンディーニ ロレンツォ・バンディーニ ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ G 詳細
4 イギリスグランプリ ブランズ・ハッチ 7月16日 ジャック・ブラバム ジャック・ブラバム ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ G 詳細
5 オランダグランプリ ザントフォールト 7月24日 ジャック・ブラバム デニス・ハルム ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ G 詳細
6 ドイツグランプリ ニュルブルクリンク 8月7日 ジム・クラーク ジョン・サーティース ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ G 詳細
7 イタリアグランプリ モンツァ 9月4日 マイク・パークス ルドヴィコ・スカルフィオッティ ルドヴィコ・スカルフィオッティ フェラーリ F 詳細
8 アメリカグランプリ ワトキンズ・グレン 10月2日 ジャック・ブラバム ジョン・サーティース ジム・クラーク ロータス-BRM F 詳細
9 メキシコグランプリ エルマノス・ロドリゲス 10月23日 ジョン・サーティース リッチー・ギンサー ジョン・サーティース クーパー-マセラティ D 詳細

エントリーリスト

チーム コンストラクター シャシー エンジン タイヤ ドライバー 出場ラウンド
ブルース・マクラーレン・モーターレーシング マクラーレン M2B フォード V8
セレニッシマ V8
F クリス・エイモン 1-2, 4-5, 7
ブルース・マクラーレン 1-5, 8-9
チーム・ロータス ロータス 43
33
BRM H16
クライマックス V8
BRM V8
F ピーター・アランデル 全戦
ジム・クラーク 全戦
ペドロ・ロドリゲス 3, 8-9
ゲキ 7
44 フォード L4 D ゲルハルト・ミッター 6
ペドロ・ロドリゲス 6
ピアス・カレッジ 6
レグ・パーネル・レーシング BRM
ロータス
フェラーリ
P61
25
33
246
BRM V8
クライマックス L4
フェラーリ V6
D


F

リチャード・アトウッド 1
マイク・スペンス 全戦
ポール・ホーキンス 2-4
ジャンカルロ・バゲッティ 7
ブラバム・レーシング・オーガニゼーション ブラバム BT19
BT22
BT20
レプコ V8
クライマックス L4
G ジャック・ブラバム 全戦
デニス・ハルム 全戦
クリス・アーウィン 4
クーパー・カー・カンパニー クーパー T81 マセラティ V12 D リッチー・ギンサー 1-2
ヨッヘン・リント 全戦
クリス・エイモン 3-4
ジョン・サーティース 3-9
モイセス・ソラーナ 8-9
オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P261
P83
BRM V8
BRM H16
D グラハム・ヒル 全戦
ジャッキー・スチュワート 1-2, 4-9
ロブ・ウォーカー・レーシング・チーム ブラバム
クーパー
BT11
T81
BRM V8
マセラティ V12
D ジョー・シフェール 1-5, 7-9
DW レーシング・エンタープライゼス ブラバム BT11 クライマックス L4 F ボブ・アンダーソン 1, 3-7
スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC フェラーリ 246
312
フェラーリ V6
フェラーリ V12
F ロレンツォ・バンディーニ 1-8
ジョン・サーティース 1-2
マイク・パークス 3-7
ルドヴィコ・スカルフィオッティ 6-7
ヨアキム・ボニエ・レーシングチーム クーパー
ブラバム
T81
BT22
BT7
マセラティ V12
クライマックス L4
クライマックス V8
D


F

ヨアキム・ボニエ 全戦
チーム・シャマコ・コレクト BRM P261 BRM V8 G ボブ・ボンデュラント 1-4, 6-7
ヴィク・ウィルソン 2
アングロ・アメリカン・レーサーズ イーグル Mk1 クライマックス L4
ウェスレイク V12
G ダン・ガーニー 全戦
フィル・ヒル 7
ボブ・ボンデュラント 8-9
ギ・リジェ クーパー T81 マセラティ V12 D ギ・リジェ 1-6
デヴィッド・ブリッジス ブラバム BT11 BRM V8 G ジョン・テイラー 3-6
シャノン・レーシング・カーズ シャノン SH 1 クライマックス V8 D トレバー・テイラー 4, 7
J.A.ピアース・エンジニアリング・リミテッド クーパー T73 フェラーリ V12 D クリス・ローレンス英語版 4, 6
カルテックス・レーシングチーム ブラバム BT18 フォード L4 D クルト・アーレンス 6
ティレル・レーシング・オーガニゼーション マトラ MS5 BRM L4
フォード L4
D ヒューベルト・ハーネ 6
ジャッキー・イクス 6
ロイ・ウィンケルマン・レーシング ブラバム BT18 フォード L4 D ハンス・ヘルマン 6
アラン・リーズ 6
マトラ・スポーツ マトラ MS5 フォード L4 D ジョー・シュレッサー 6
ジャン=ピエール・ベルトワーズ 6
シルビオ・モーザー ブラバム BT16 フォード L4 D シルビオ・モーザー 6
アングロ=スイッセ・レーシングチーム クーパー T82 BRM L4 D ジャンカルロ・バゲッティ 6
ミッドランド・レーシング・パートナーシップ ローラ T62 フォード L4 D リチャード・アトウッド 6
ジョン・ウィルメント・オートモビルズ BRP Mk 2 クライマックス V8 D フランク・ガードナー 7
ホンダ・レーシング ホンダ RA273 ホンダ V12 G リッチー・ギンサー 7-9
ロニー・バックナム 8-9
クリス・エイモン ブラバム BT11 BRM V8 D クリス・エイモン 7
バーナード・ホワイト・レーシング BRM P261 BRM V8 D イネス・アイルランド 8-9
  • ピンク地はF2参加者

1966年のドライバーズランキング

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。ベスト5戦がポイントランキングに数えられた。

順位 ドライバー MON
BEL
FRA
GBR
NED
GER
ITA
USA
MEX
ポイント[3]
1 ジャック・ブラバム Ret 4 1 1 1 1 Ret Ret 2 42 (45)
2 ジョン・サーティース Ret 1 Ret Ret Ret 2 Ret 3 1 28
3 ヨッヘン・リント Ret 2 4 5 Ret 3 4 2 Ret 22 (24)
4 デニス・ハルム Ret Ret 3 2 Ret Ret 3 Ret 3 18
5 グラハム・ヒル 3 Ret Ret 3 2 4 Ret Ret Ret 17
6 ジム・クラーク Ret Ret DNS 4 3 Ret Ret 1 Ret 16
7 ジャッキー・スチュワート 1 Ret Ret 4 5 Ret Ret Ret 14
8 マイク・パークス 2 Ret Ret 2 12
9 ロレンツォ・バンディーニ 2 3 Ret 6 6 Ret Ret 12
10 ルドヴィコ・スカルフィオッティ Ret 1 9
11 リッチー・ギンサー Ret 5 Ret Ret 4 5
12 ダン・ガーニー NC 5 Ret Ret 7 Ret Ret 5 4
13 マイク・スペンス Ret Ret Ret Ret 5 Ret 5 Ret DNS 4
14 ボブ・ボンデュラント 4 Ret 9 Ret 7 DSQ Ret 3
15 ジョー・シフェール Ret Ret Ret NC Ret Ret 4 Ret 3
16 ブルース・マクラーレン Ret DNS 6 DNS 5 Ret 3
17 ピーター・アランデル DNS Ret Ret Ret 8 8 6 7 1
18 ヨアキム・ボニエ NC Ret NC Ret 7 Ret Ret NC 6 1
19 ボブ・アンダーソン Ret 7 NC Ret Ret 6 1
20 ジョン・テイラー 6 8 8 Ret 1
- クリス・アーウィン 7 0
- ロニー・バックナム Ret 8 0
- クリス・エイモン 8 DNQ 0
- ギ・リジェ NC NC NC 10 9 DNS 0
- ゲキ 9 0
- クリス・ローレンス英語版 11 Ret 0
- ジャンカルロ・バゲッティ NC 0
- ペドロ・ロドリゲス Ret Ret Ret 0
- イネス・アイルランド Ret Ret 0
- トレバー・テイラー Ret 0
- モイセス・ソラーナ Ret 0
- フィル・ヒル DNQ 0
順位 ドライバー MON
BEL
FRA
GBR
NED
GER
ITA
USA
MEX
ポイント
結果
金色 勝者
銀色 2位
銅色 3位
ポイント獲得
完走
完走扱い(全周回数の90%以上走行)
規定周回数不足(NC)
リタイア(Ret)
予選不通過(DNQ)
予備予選不通過(DNPQ)
失格(DSQ)
スタートせず(DNS)
レース中止(C)
水色 プラクティスのみ(PO)
金曜日テストドライバー(TD)
2003年以降
空欄 プラクティス出走せず(DNP)
除外 (EX)
到着せず (DNA)
欠場 (WD)

1966年のコンストラクターズランキング

ブラバム-レプコが1966年のコンストラクターズタイトルを獲得した。
フェラーリは2位となった。

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。ベスト5戦がポイントランキングに数えられた。各コンストラクターとも最上位の車両にポイントが与えられた。

順位 マニファクチャラー MON
BEL
FRA
GBR
NED
GER
ITA
USA
MEX
ポイント[3]
1 ブラバム-レプコ Ret 4 1 1 1 1 3 Ret 2 42 (49)
2 フェラーリ 2 1 2 6 6 1 Ret 31 (32)
3 クーパー-マセラティ NC 2 4 5 7 2 4 2 1 30 (35)
4 BRM 1 Ret Ret 3 2 4 7 Ret Ret 22
5 ロータス-BRM Ret Ret Ret Ret 5 8 5 1 7 13
6 ロータス-クライマックス Ret Ret Ret 4 3 Ret 9 6 8
7 イーグル-クライマックス NC 5 Ret Ret 7 DNQ DSQ 5 4
8 ホンダ Ret NC 4 3
9 マクラーレン-フォード Ret 5 Ret 2
10 ブラバム-クライマックス Ret Ret 7 7 Ret Ret 6 1
11 ブラバム-BRM Ret 6 8 8 Ret DNQ 1
12 マクラーレン-セレニッシマ DNS 6 1
- クーパー-フェラーリ 11 Ret 0
- イーグル-ウェスレイク Ret Ret Ret 0
- シャノン-クライマックス Ret 0
順位 マニファクチャラー MON
BEL
FRA
GBR
NED
GER
ITA
USA
MEX
ポイント
  • 太字はカウントされたポイント

ノンタイトル戦結果

レース サーキット 開催日 優勝者 コンストラクター レポート
南アフリカグランプリ プリンス・ジョージ 1月1日 マイク・スペンス ロータス-クライマックス 詳細
グラン・プリモ・ディ・シラクサ シラクサ 4月1日 ジョン・サーティース フェラーリ 詳細
BRDC インターナショナル・トロフィー シルバーストン 5月14日 ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ 詳細
インターナショナル・ゴールドカップ オールトン・パーク 9月17日 ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ 詳細

参照

  1. ^ 1974 FIA Yearbook, Grey section, pages 118-119
  2. ^ 1974 FIA Yearbook, Grey section, pages 120-121
  3. ^ a b ベスト5戦のみがポイントランキングに数えられた。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

外部リンク




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