1967年のF1世界選手権とは? わかりやすく解説

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1967年のF1世界選手権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 00:04 UTC 版)

1967年のFIAフォーミュラ1
世界選手権
前年: 1966 翌年: 1968
一覧: 開催国 | 開催レース
1967年のF1世界選手権においてドライバーズタイトルを獲得したデニス・ハルム

1967年のF1世界選手権(1967ねんのエフワンせかいせんしゅけん)は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第18回大会である[1]1967年1月2日南アフリカで開幕し、10月22日メキシコで開催される最終戦まで、全11戦で争われた。

シーズン概要

オランダグランプリでロータスは史上最高のレーシングエンジンの1つであるコスワースDFVを公開した。DFVはフォードの資金提供により開発されたエンジンで、F1では後に155勝を挙げることとなる。ジム・クラークはシーズンで4勝を挙げたが、タイトルはデニス・ハルムが獲得した。モンツァでクラークはタイヤ交換のためピットインし、再び首位を取るべく猛追したものの最後の一周で燃料切れとなった。そのドライブは彼が傑出したドライバーであることを裏付けるものであった。ダン・ガーニーイーグルは1勝を挙げ、ペドロ・ロドリゲスは南アフリカグランプリで勝利した。このレースでは地元ドライバーのジョン・ラヴがロドリゲスに迫ったが、ロドリゲスはこれを抑え時代遅れと化したクーパーに最後の勝利をもたらした。

ハルムはF1史上初のシーズン中ポールポジションを獲得しなかったワールドチャンピオンとなった。1984年シーズンニキ・ラウダもシーズン中にポールポジションを獲得せずにタイトルを獲得したが、そのようなワールドチャンピオンは2023年現在この2名だけである。

開催地及び勝者

ラウンド レース サーキット 開催日 ポールポジション ファステストラップ 優勝者 コンストラクター タイヤ レポート
1 南アフリカグランプリ キャラミ 1月2日 ジャック・ブラバム デニス・ハルム ペドロ・ロドリゲス クーパー-マセラティ F 詳細
2 モナコグランプリ モナコ 5月7日 ジャック・ブラバム ジム・クラーク デニス・ハルム ブラバム-レプコ G 詳細
3 オランダグランプリ ザントフォールト 6月4日 グラハム・ヒル ジム・クラーク ジム・クラーク ロータス-フォード F 詳細
4 ベルギーグランプリ スパ・フランコルシャン 6月18日 ジム・クラーク ダン・ガーニー ダン・ガーニー イーグル-ウェスレイク G 詳細
5 フランスグランプリ ル・マン 7月2日 グラハム・ヒル グラハム・ヒル ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ G 詳細
6 イギリスグランプリ シルバーストン 7月15日 ジム・クラーク デニス・ハルム ジム・クラーク ロータス-フォード F 詳細
7 ドイツグランプリ ニュルブルクリンク 8月6日 ジム・クラーク ダン・ガーニー デニス・ハルム ブラバム-レプコ G 詳細
8 カナダグランプリ モスポート・パーク 8月27日 ジム・クラーク ジム・クラーク ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ G 詳細
9 イタリアグランプリ モンツァ 9月10日 ジム・クラーク ジム・クラーク ジョン・サーティース ホンダ F 詳細
10 アメリカグランプリ ワトキンズ・グレン 10月1日 グラハム・ヒル グラハム・ヒル ジム・クラーク ロータス-フォード F 詳細
11 メキシコグランプリ エルマノス・ロドリゲス 10月22日 ジム・クラーク ジム・クラーク ジム・クラーク ロータス-フォード F 詳細

エントリーリスト

チーム コンストラクター シャシー エンジン タイヤ ドライバー 出場ラウンド
ブラバム・レーシング・オーガニゼーション ブラバム BT20
BT19
BT24
レプコ 740 3.0 V8 G ジャック・ブラバム 全戦
デニス・ハルム 全戦
クーパー・カー・カンパニー クーパー T81
T81B
T86
マセラティ 9/F1 3.0 V12
マセラティ 10/F1 3.0 V12
F ヨッヘン・リント 全戦
ペドロ・ロドリゲス 1-7, 11
アラン・リーズ 6
リチャード・アトウッド 8
ジャッキー・イクス 9-10
オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P83
P261
P115
BRM P75 3.0 H16
BRM P60 2.1 V8
G ジャッキー・スチュワート 全戦
マイク・スペンス 全戦
チーム・ロータス ロータス 43
33
49
BRM P75 3.0 H16
クライマックス FWMV 2.0 V8
BRM P60 2.1 V8
フォード コスワースDFV 3.0 V8
F ジム・クラーク 全戦
グラハム・ヒル 全戦
エーピー・ウィーツェス 8
ジャンカルロ・バゲッティ 9
モイセス・ソラーナ 10-11
48 フォード コスワースFVA 1.6 L4 F ジャッキー・オリバー 7
アングロ・アメリカン・レーサーズ イーグル T1F
T1G
クライマックス FPF 2.8 L4
ウェスレイク 58 3.0 V12
G ダン・ガーニー 全戦
リッチー・ギンサー 1-2
ボブ・ボンデュラント 4
A.J.フォイト 4
ブルース・マクラーレン 5-7
ルドヴィコ・スカルフィオッティ 9
ホンダ・レーシング ホンダ RA273
RA300
ホンダ RA273E 3.0 V12 F ジョン・サーティース 1-7, 9-11
ロブ・ウォーカー/ジャック・ダーラッシャー レーシング・チーム クーパー T81 マセラティ 9/F1 3.0 V12 F ジョー・シフェール 全戦
DW レーシング・エンタープライゼス ブラバム BT11 クライマックス FPF 2.8 L4 F


D

ボブ・アンダーソン 1-6
ヨアキム・ボニエ・レーシングチーム クーパー T81 マセラティ 9/F1 3.0 V12 F ヨアキム・ボニエ 1-2, 4-11
レグ・パーネル・レーシング ロータス
BRM
25
P261
P83
BRM P56 2.0 V8
BRM P75 3.0 H16
F ピアス・カレッジ 1-3, 6
クリス・アーウィン 3-11
ジョン・ラヴ クーパー T79 クライマックス FPF 2.8 L4 F ジョン・ラヴ 1
サム・ティングル LDS Mk 3 クライマックス FPF 2.8 L4 F サム・ティングル 1
スクーデリア・スクリバンテ ブラバム BT11 クライマックス FPF 2.8 L4 - デイヴ・チャールトン 1
ルキ・ボサ ブラバム BT11 クライマックス FPF 2.8 L4 - ルキ・ボサ 1
マトラ・スポーツ マトラ MS7 フォード コスワースFVA 1.6 L4 D ジャン=ピエール・ベルトワーズ 2, 5, 10-11
ジョニー・セルボ=ギャバン 2, 5
ギ・リジェ クーパー
ブラバム
T81
BT20
マセラティ 9/F1 3.0 V12
レプコ 620 3.0 V8
D


F

ギ・リジェ 2, 4-7, 9-11
ブルース・マクラーレン・モーターレーシング マクラーレン M4B
M5A
BRM P56 2.0 V8
BRM P142 3.0 V12
G ブルース・マクラーレン 2-3, 8-11
スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC フェラーリ 312 フェラーリ 242 3.0 V12
フェラーリ 218 3.0 V12
F ロレンツォ・バンディーニ 2
ルドヴィコ・スカルフィオッティ 2-5
クリス・エイモン 2-11
マイク・パークス 3-4
ジョナサン・ウィリアムズ 11
アドヴァンス・マフラー/ブルース・ブルーム イーグル T1G ウェスレイク 58 3.0 V12 G リッチー・ギンサー 3
バーナード・ホワイト・レーシング BRM P261 BRM P60 2.1 V8 G デヴィッド・ホッブス 6, 8
シャルル・ホーゲル・レーシング クーパー T77 ATS 2.7 V8 D シルビオ・モーザー 6
バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ AG ローラ T100 BMW M10 2.0 L4 D ヒューベルト・ハーネ 7
ゲルハルト・ミッター ブラバム BT23 フォード コスワースFVA 1.6 L4 D ゲルハルト・ミッター 7
ロイ・ウィンケルマン・レーシング ブラバム BT23 フォード コスワースFVA 1.6 L4 - アラン・リーズ 7
エキュリー・フォード-フランス マトラ MS5 フォード コスワースFVA 1.6 L4 D ジョー・シュレッサー 7
ロン・ハリス・レーシングチーム プロトス F2 フォード コスワースFVA 1.6 L4 - ブライアン・ハート 7
クルト・アーレンス 7
ローラ・カーズ ローラ T100 BMW M10 2.0 L4
フォード コスワースFVA 1.6 L4
F デヴィッド・ホッブス 7
ブライアン・レッドマン 7
ティレル・レーシング・オーガニゼーション マトラ MS7 フォード コスワースFVA 1.6 L4 D ジャッキー・イクス 7
マイク・フィッシャー ロータス 33 BRM P60 2.1 V8 F マイク・フィッシャー 8, 11
カストロール・オイルズ・リミテッド イーグル T1F クライマックス FPF 2.8 L4 G アル・ピーズ 8, 10-11
トム・ジョーンズ クーパー T82 クライマックス FWMV 2.0 V8 - トム・ジョーンズ 8
エキュリー・フィリピネッティ クーパー T81 マセラティ 9/F1 3.0 V12 F アンドレア・デ・アダミッチ 9
イアン・ラビー・レーシング マクラーレン M2B クライマックス FWMV 2.0 V8 F トレバー・テイラー 9
  • ピンク地はドイツグランプリでのF2参加者

1967年のドライバーズランキング

ジム・クラークがワトキンズ・グレンで行われたアメリカグランプリで優勝した。

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。

順位 ドライバー RSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント[2]
1 デニス・ハルム 4 1 3 Ret 2 2 1 2 Ret 3 3 51
2 ジャック・ブラバム 6 Ret 2 Ret 1 4 2 1 2 5 2 46 (48)
3 ジム・クラーク Ret Ret 1 6 Ret 1 Ret Ret 3 1 1 41
4 ジョン・サーティース 3 Ret Ret Ret 6 4 1 Ret 4 20
5 クリス・エイモン 3 4 3 Ret 3 3 6 7 Ret 9 20
6 ペドロ・ロドリゲス 1 5 Ret 9 6 5 8 6 15
7 グラハム・ヒル Ret 2 Ret Ret Ret Ret Ret 4 Ret 2 Ret 15
8 ダン・ガーニー Ret Ret Ret 1 Ret Ret Ret 3 Ret Ret Ret 13
9 ジャッキー・スチュワート Ret Ret Ret 2 3 Ret Ret Ret Ret Ret Ret 10
10 マイク・スペンス Ret 6 8 5 Ret Ret Ret 5 5 Ret 5 9
11 ジョン・ラヴ 2 6
12 ジョー・シフェール Ret Ret 10 7 4 Ret Ret DNS Ret 4 12 6
13 ヨッヘン・リント Ret Ret Ret 4 Ret Ret Ret Ret 4 Ret 6
14 ブルース・マクラーレン 4 Ret Ret Ret Ret 7 Ret Ret Ret 3
15 ヨアキム・ボニエ Ret Ret Ret 5 8 Ret 6 10 3
16 クリス・アーウィン 7 Ret 5 7 7 Ret Ret Ret Ret 2
17 ボブ・アンダーソン 5 DNQ 9 8 Ret Ret 2
18 マイク・パークス 5 Ret 2
19 ギ・リジェ 10 NC 10 6 Ret Ret 11 1
20 ルドヴィコ・スカルフィオッティ 6 NC Ret 1
21 ジャッキー・イクス 6 Ret 1
- ジャン=ピエール・ベルトワーズ DNQ 7 7 0
- デヴィッド・ホッブス 8 9 0
- ジョナサン・ウィリアムズ 8 0
- アラン・リーズ 9 0
- リチャード・アトウッド 10 0
- マイク・フィッシャー 11 Ret 0
- デイヴ・チャールトン NC 0
- ルキ・ボーサ NC 0
- アル・ピーズ NC 0
- ピアス・カレッジ Ret Ret DNS 0
- モイセス・ソラーナ Ret Ret 0
- サム・ティングル Ret 0
- ロレンツォ・バンディーニ Ret 0
- ジョニー・セルボ=ギャバン Ret 0
- シルビオ・モーザー Ret 0
- ジャンカルロ・バゲッティ Ret 0
- トム・ジョーンズ DNQ 0
- エーピー・ウィーツェス DSQ 0
- リッチー・ギンサー DNQ 0
順位 ドライバー RSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント
結果
金色 勝者
銀色 2位
銅色 3位
ポイント獲得
完走
完走扱い(全周回数の90%以上走行)
規定周回数不足(NC)
リタイア(Ret)
予選不通過(DNQ)
予備予選不通過(DNPQ)
失格(DSQ)
スタートせず(DNS)
レース中止(C)
水色 プラクティスのみ(PO)
金曜日テストドライバー(TD)
2003年以降
空欄 プラクティス出走せず(DNP)
除外 (EX)
到着せず (DNA)
欠場 (WD)

1967年のコンストラクターズランキング

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。各コンストラクターとも最上位の車両にポイントが与えられた。前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。

順位 マニファクチャラー RSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント[2]
1 ブラバム-レプコ 4 1 2 Ret 1 2 1 1 2 3 2 63 (67)
2 ロータス-フォード 1 6 Ret 1 Ret 4 3 1 1 44
3 クーパー-マセラティ 1 5 10 4 4 5 5 8 4 4 6 28
4 ホンダ 3 Ret Ret Ret 6 4 1 Ret 4 20
5 フェラーリ 3 4 3 Ret 3 3 6 7 Ret 8 20
6 BRM Ret 6 8 2 3 7 7 5 5 Ret 5 17
7 イーグル-ウェスレイク Ret Ret 1 Ret Ret Ret 3 Ret Ret 13
8 ロータス-BRM Ret 2 7 11 Ret 6
9 クーパー-クライマックス 2 DNQ 6
10 マクラーレン-BRM 4 Ret 7 Ret Ret Ret 3
11 ブラバム-クライマックス 5 DNQ 9 8 Ret Ret 2
- マトラ-フォード Ret 7 7 0
- イーグル-クライマックス Ret DNQ NC Ret 0
- LDS-クライマックス Ret 0
- ロータス-クライマックス Ret 0
- クーパー-ATS Ret 0
順位 マニファクチャラー RSA
MON
NED
BEL
FRA
GBR
GER
CAN
ITA
USA
MEX
ポイント
  • 太字はカウントされたポイント

ノンタイトル戦結果

レース サーキット 開催日 優勝者 コンストラクター レポート
II レース・オブ・チャンピオンズ ブランズ・ハッチ 3月12日 ダン・ガーニー イーグル-ウェスレイク 詳細
I スプリングカップ オールトン・パーク 4月15日 ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ 詳細
XIX BRDC インターナショナル・トロフィー シルバーストン 4月29日 マイク・パークス フェラーリ 詳細
XVI グラン・プリモ・ディ・シラクサ シラクサ 5月21日 マイク・パークス
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
フェラーリ 詳細
XIV インターナショナル・ゴールドカップ オールトン・パーク 9月16日 ジャック・ブラバム ブラバム-レプコ 詳細
XV スペイングランプリ ハラマ 11月12日 ジム・クラーク ロータス-フォード 詳細

参照

  1. ^ FIA Yearbook, 1974, Grey Section, pages 117-118
  2. ^ a b 前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

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