こうろ‐ぜん〔クワウロ‐〕【黄×櫨染】
黄櫨染御袍
(黄枦染 から転送)
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黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)とは、日本の平安時代以降の天皇が重要な儀式の際に着用する束帯装束の、「黄櫨染」色の袍のことである。黄櫨染(こうろぜん/はじぞめ)は櫨の樹皮と蘇芳から染め出される色で、「赤みがかった黄色」[1]や、「黄がかった茶色」[2]等と言われるが、時代や着用者の年齢等によってかなり幅のある色であったと考えられている[3]。令和元年(2019年)の即位礼正殿の儀における海外報道の多くでは、その色調はbrown-goldと評された[4]。
- ^ 日本国語大辞典 2000.
- ^ a b c 高田 1986.
- ^ 鈴木 1985.
- ^ 『Naruhito: Japan's emperor proclaims enthronement in ancient ceremony』BBC 2019年10月22日
- ^ 『太平御覧』の引く漢の崔寔『四民月令』逸文によると「柘染」について「黄赤で、人君の着る色」とし、「黄は中央の色で、赤は人君が向く方向である南方の色」とする(五行説)。
- ^ 出雲路 1942等
- ^ a b c d e 高田 1997.
- ^ 鈴木 1985等。ただし、後奈良天皇の袍は青色(麹塵)とする見解もある(高田 1997, pp. 86–87等)
- ^ 吉岡 2000.
- ^ 鈴木 1984 この一連の史実は、『権記』によって知られる。
- ^ 鈴木 1984.
- ^ ただし、高田倭男等は、後奈良天皇の袍は裏地が黄色であること等から、青色としている(高田 1997, pp. 86–87)。これに対し鈴木敬三は、一条房通の『装束唯心抄』に、黄櫨染を「海松茶のはげたる様」な色としていることや、中世以来、青色袍の生地は染色ではなく織色であったこと等から、後奈良天皇の袍が黄櫨染であるか麹塵であるかは決しがたいとしている(鈴木 1983, p. 255)。また、広隆寺にある後水尾天皇の袍が尾長鳥唐草文様の青色(織色)の袍であるように、当時、桐竹文様の青色袍が用いられた確証はない。近世の桐竹文の麹塵の御袍は光格天皇が石清水臨時祭再興時に復興させている。
- ^ a b 出雲路 1929.
- ^ a b c 伊東 1997.
- 1 黄櫨染御袍とは
- 2 黄櫨染御袍の概要
- 3 ギャラリー
- 4 参考文献
- 5 関連項目
黄枦染と同じ種類の言葉
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