朽葉
(黄枯茶 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/15 13:58 UTC 版)
![]() |
この項目では色を扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。 |
|
|
16進表記 | #896A45 |
---|---|
RGB | (145, 115, 71) |
CMYK | (36, 46, 71, 11) |
HSV | (36°, 51%, 57%) |
マンセル値 | - |
表示されている色は一例です |
朽葉色(JIS慣用色名) | ||
---|---|---|
マンセル値 | 10YR 5/2 |
朽葉(くちば)とは、日本の古い色の名前の一つ。平安文学では黄赤系統だが、江戸時代以降は朽ちた葉の色に近い褐色系統の色をさすことが多い。
平安の朽葉
有職故実に重ねの色目の一つとして、表が黄朽葉、裏が朽葉の「花山吹」がある。ヤマブキの花は鮮やかな黄色なので、腐った植物を連想させる「朽葉」という名称は不適当にも思えるが、平安貴族の彩度が高い色、赤系統の色に対する偏愛から考えると文学作品や有職故実書におびただしく登場する「朽葉」は、先の色目の例からも鮮やかな黄色系統の色と考えて差し支えないだろう。この「朽ち葉」とは腐った葉の色というより、元々奈良時代にはイチョウなどの黄葉を指した「もみじ」が、カエデなどの紅葉に使われるようになったので、混乱を避けて落ち葉を意味する「朽ち葉」の名をとったという経緯が考えられるため、単に黄葉の色と取るほうがいいだろう。
平安時代の貴族は朽葉色の陽光のような明るい黄赤を非常に好み、朽葉には黄色味が強い「黄朽葉」、赤色味の強い「赤朽葉」、青みの残る落ち葉を模した緑色系統の「青朽葉」などの派生が「朽葉四十八色」と言われるほど存在する。このうち青朽葉以外はみなクチナシとベニバナを重ね染めしたもので染料の配合のみ変えて染めた。
重ねの色目では「朽葉色の襲」は表が朽葉色で裏が黄色、「赤朽葉」が表が赤朽葉、裏が黄色、「青朽葉」が表が青朽葉、裏が黄朽葉ですべて秋に着る衣装に用いるとされた。
黄枯茶
|
|
16進表記 | #7E5435 |
---|---|
RGB | (126, 84, 53) |
CMYK | (0, 40, 60, 60) |
HSV | (25°, 58%, 49%) |
マンセル値 | 7YR 4/3 |
表示されている色は一例です |
時代が下って、江戸時代の染色に関する文献の中に、黄色に染めた布の上に薄い藍を重ねて染める「黄枯茶」という色の別名として「朽葉」が登場する。日本永代蔵にもこちらの「朽葉」が登場しており、どうやら当時は女性の着物の地色として比較的よく使われていたらしい。この緑褐色や、現在の朽葉色は単に「朽葉」という名から連想されたもので、平安の黄赤系の「朽葉」とは別系統の茶褐色である。
近似色
参考文献
- 近江源太郎・監修 『色々な色』 光琳社出版 1996年 ISBN 4771302324
- 清野恒介・島森功 『色名事典』 新紀元社、2005年7月。ISBN 4-7753-0384-8。
- 永田泰弘・監修 『新版 色の手帖』 小学館 2002年 ISBN 4095040025
- 福田邦夫・著 『色の名前はどこからきたか』 青娥書房 1999年 ISBN 4790601803
- 福田邦夫・著 『色の名前507』主婦の友社 2006年 ISBN 4072485403
- 藤井健三・監修 『京の色事典330』 平凡社 2004年 ISBN 4582634125
関連項目
黄枯茶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/15 13:58 UTC 版)
時代が下って、江戸時代の染色に関する文献の中に、黄色に染めた布の上に薄い藍を重ねて染める「黄枯茶」という色の別名として「朽葉」が登場する。日本永代蔵にもこちらの「朽葉」が登場しており、どうやら当時は女性の着物の地色として比較的よく使われていたらしい。この緑褐色や、現在の朽葉色は単に「朽葉」という名から連想されたもので、平安の黄赤系の「朽葉」とは別系統の茶褐色である。
※この「黄枯茶」の解説は、「朽葉」の解説の一部です。
「黄枯茶」を含む「朽葉」の記事については、「朽葉」の概要を参照ください。
「黄枯茶」の例文・使い方・用例・文例
黄枯茶と同じ種類の言葉
- 黄枯茶のページへのリンク