高水準の確立と戦間期・世界恐慌とは? わかりやすく解説

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高水準の確立と戦間期・世界恐慌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 15:38 UTC 版)

ロールス・ロイス」の記事における「高水準の確立と戦間期・世界恐慌」の解説

シルヴァーゴースト」の後継モデルとして、1925年には高出力OHVエンジン搭載し機械式サーボ・システムによる強力な4輪ブレーキ装備したファントムI」が開発された。 これに先立つ1921年には「シルヴァーゴースト」の大きな市場であり、当時輸入車高額関税課していたアメリカ市場への対策としてアメリカ工場マサチューセッツ州スプリングフィールド)が開設され左ハンドル仕様の「シルヴァーゴースト」1,701台、「ファントムI」1,241台を生産したが、ビジネスとしては失敗終わった。「たとえ高額関税込みであろうイギリス製のロールス・ロイス欲しい」というアメリカ富裕層の心をつかみきれなかったのである。 これらはボディメーカーアメリカ系のため、イギリス本国生産モデルとは著しく異なスタイリングをしており、ラジエーター以外はキャデラックパッカードなどのアメリカ車じみた外観だった。1929年世界恐慌がとどめを刺す形になり、1931年にはアメリカで現地生産中止余儀なくされた。 以後ロールス・ロイス最上級モデル引き続いてファントム」(Phantom) の名を与えられ1932年には低床シャーシの「ファントムII」、1936年には当時最先端ウィッシュボーン式独立懸架とV形12気筒エンジン備えた巨大なファントムIII」を送り出している。 一方1922年には「シルヴァーゴースト」より小型とはいえ4リッター級)の「トゥウェンティー」形車(通称ベビー・ロールス)でオーナー・ドライバー向けの高級車市場開拓。このベビー・ロールス系は1929年強化形の「20/25HP」に発展1936年には排気量拡大型の「25/30HP」形に移行し1938年にはやはり前輪独立懸架装備の「レイス」に進化してロールス・ロイス市場広げた戦後日本の内閣総理大臣になった吉田茂第二次世界大戦前外交官として英国赴任していた当時私費1937年式25/30HPフーパーサルーン購入して日本持ち帰り総理在任中も含め公私において終生愛用した。これは日本に残るロールス・ロイス中でもとくに有名な1台で、2013年時点でも可動状態現存する第二次世界大戦以前ロールス・ロイスは、材質工作精度において常に高い水準維持し続けた。また走行性能の面でも、同時期の高級スポーツカー引けを取らない水準保っていた。特注でクーペボディを載せれば充分にグランツーリスモとして通用する車であった。 「シルヴァーゴースト」で確立された、卓越した耐久性の高さも特記値するもので、特に大型モデル頑丈なシャーシ装甲車ボディ架装にすら耐える強度があった。耐久性確保対策一例として、通常のリーフスプリングは、両端部でリンクを通すための穴である「アイ」は最長となるリーフの端を巻いて成形するところ、ロールス・ロイスリーフスプリングアイは、鍛造によってスプリング端部厚く成形し穴開け加工して作られた。通常コスト制約容易に採用できないやり方で、強度へのこだわりうかがえる。 なお1920年代までは、高級車オーナーボディのないベアシャーシを購入し外部コーチビルダー発注して好みボディ架装するのが、ロールス・ロイス限らない馬車時代からの伝統であった。しかし世界恐慌以降1930年代からレディメイドボディ一般化しロールス・ロイスも有名コーチビルダーパークウォードH・J・ミュリナー標準ボディ架装させることになった

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高水準の確立と戦間期・世界恐慌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:53 UTC 版)

ロールス・ロイス・リミテッド」の記事における「高水準の確立と戦間期・世界恐慌」の解説

シルヴァーゴースト」の後継モデルとして、1925年には高出力OHVエンジン搭載し機械式サーボ・システムによる強力な4輪ブレーキ装備したファントムI」が開発された。 これに先立つ1921年には「シルヴァーゴースト」の大きな市場であり、当時輸入車高額関税課していたアメリカ市場への対策としてアメリカ工場マサチューセッツ州スプリングフィールド)が開設され左ハンドル仕様の「シルヴァーゴースト」1,701台、「ファントムI」1,241台を生産したが、ビジネスとしては失敗終わった。「たとえ高額関税込みであろうイギリス製のロールス・ロイス欲しい」というアメリカ富裕層の心をつかみきれなかったのである。 これらはボディメーカーアメリカ系のため、イギリス本国生産モデルとは著しく異なスタイリングをしており、ラジエーター以外はキャデラックパッカードなどのアメリカ車じみた外観だった。1929年世界恐慌がとどめを刺す形になり、1931年にはアメリカで現地生産中止余儀なくされた。 以後ロールス・ロイス最上級モデル引き続いてファントム」(Phantom )の名を与えられ1932年には低床シャーシの「ファントムII」、1936年には当時最先端ウィッシュボーン式独立懸架とV形12気筒エンジン備えた巨大なファントムIII」を送り出している。 一方1922年には「シルヴァーゴースト」より小型とはいえ4リッター級)の「トゥウェンティー」形車(通称ベビー・ロールス)でオーナー・ドライバー向けの高級車市場開拓。このベビー・ロールス系は1929年強化形の「20/25HP」に発展1936年には排気量拡大型の「25/30HP」形に移行し1938年にはやはり前輪独立懸架装備の「レイス」に進化してロールス・ロイス市場広げた戦後日本の内閣総理大臣になった吉田茂第二次世界大戦前外交官として英国赴任していた当時私費1937年式25/30HPフーパーサルーン購入して日本持ち帰り総理在任中も含め公私において終生愛用した。これは日本に残るロールス・ロイス中でもとくに有名な1台で、2013年時点でも可動状態現存する

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