饗応役の解任とは? わかりやすく解説

饗応役の解任

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 03:29 UTC 版)

本能寺の変」の記事における「饗応役の解任」の解説

明智光秀徳川家康饗応役命じられながらも、その手際の悪さから突然解任されたとする話が『川角太閤記』にある。織田信長検分するために光秀邸を訪れたが、一歩門を入ると魚肉腐った臭いが鼻を付いたので、怒ってそのまま台所向かって行き、「この様子では家康御馳走務まるまい」と言って光秀解任し、饗応役堀秀政替えた赤恥をかいた光秀腹立ちまぎれに肴や器を堀に投げ棄て、その悪臭安土の町にふきちらされたと云う家康卿は駿河國御拝領の為二御禮一、穴山殿を御同道被レ成、御上洛之由被二聞召付一、御宿には明智日向守御宿に被二仰付一候處に、御馳走あまりにや、肴など用意次第御覧可レ被レ成ために、御見舞候處に、夏故用意なまざかな殊の外さかり申候故、門へ御入被成候とひとしく風につれ悪き匂い吹来候。其香り御聞付被成、以之外御腹立にて、料理の間へ直に御成被レ成候。此様子にては、家康馳走は成間敷(なるまじく)と、御腹立被レ成候て、堀久太郎所へ御宿被二仰付一候と、其時節古き衆の口は右の通とうけ給候。信長紀には大寶坊所家康御宿に被二仰付一候と御座候。此宿の様子は、二通御心得可レ被レ成候。日向守面目を失ひ候とて、木具さかなの臺、其外用意のとり肴以下無レ残ほりへ打こみ申候。其悪にほひ安土中へふきちらし申と相聞え申候事。 — 『川角太閤記』より一節常山紀談』にも「東照宮御上京の時、光秀馳走の事を命ぜらる。種々饗禮の設しけるに、信長鷹野の時立寄り見て、肉の臭しけるを、草鞋にて踏み散らされけり。光秀又新用意しける處に、備中出陣せよと、下知せられしかば、光秀忍び兼ねて叛きしと云へり」とある。 信憑性川角太閤記』は太閤秀吉伝記ではあるが、史料として一定の価値があると見なされた時期があり、この話は江戸・明治時代には史実捉えられていて、怨恨説根拠1つとされた。同記では光秀決起理由を、信長大身取り立ててもらった恩はあるが、3月3日節句大名高家の前で岐阜で恥をかかされ諏訪折檻され、饗応役解任され面目を失ったという3つの遺恨我慢ならないので、(家臣賛同得られなくても)本能寺1人でも乱入して討入り腹切覚悟だと述べている。これに対して明智秀満進み出て、もはや秘密に出来ず「一旦口にした以上、決行するしかない」という趣旨意見表明し続いて斎藤利三溝尾勝兵衛打ち明けられ信頼感謝して明日より上様呼ばれるうになるでしょう」と賛同したという話となっているのである。 しかし上記文章内でも言及されている『信長公記信長紀)』には、そもそも家康宿舎光秀邸でも秀政邸でもなく大宝坊という別の屋敷で、光秀饗応役3日務めたと違う話が書かれており、解任の話は見られない。これは『川角太閤記』における光秀謀反をした理由核心部分であり、こういった事実がないということになれば信憑性を失う。むしろ怨恨説説明する逸話として後世創作され付け足され物語ではないか考えられ小和田哲男は、解任され可能性がないわけではないとしつつも、光秀不手際による解任ではなく最初から3日間の任務であり、ここから光秀信長恨みを抱くという必然性は見いだせないとする。また江戸中期元文年間書かれた『常山紀談に関しては、出典異な多数逸話雑然と(しかもやや改変して)一つまとめて載せたという二次三次史料であり、信憑性そもそも期待できない

※この「饗応役の解任」の解説は、「本能寺の変」の解説の一部です。
「饗応役の解任」を含む「本能寺の変」の記事については、「本能寺の変」の概要を参照ください。

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