長い不遇の時代とは? わかりやすく解説

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長い不遇の時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 15:33 UTC 版)

青林堂」の記事における「長い不遇の時代」の解説

つげ義春1970年の『やなぎ屋主人完結最後に休筆入ったのに加えて同年には滝田ゆう『寺島町奇譚』連載終了1971年には白土の『カムイ伝』が終了し、これと共にガロ』の売上徐々に下降線をたどり、原稿料も既に支払停止せざるを得なくなっていった。水木しげるが『ガロ1970年10月号から連載を開始した『星をつかみそこねる男』も連載中青林堂経営悪化原因原稿料が全く支払われなかったという。『ガロ』を強く意識していた手塚治虫漫画雑誌COM』は『ガロ』のように「原稿料ゼロという訳にはいかず、1971年末に廃刊する時期同じくして水木しげる林静一つげ忠男楠勝平佐々木マキ辰巳ヨシヒロ黎明期作家陣が『ガロ』の誌面から姿を消す。その一方でカムイ伝』の連載終了した1971年7月号で花輪和一入選したのを皮切りとして同年10月号では川崎ゆきお入選1973年には蛭子能収菅野修ますむらひろし入選。これに加えて安部慎一鈴木翁二古川益三ら「ガロ三羽烏」や「一二三トリオ」と称され文学性の強い新人作家同時期に入選し、『ガロ』の世代交替が起こる。後に古川中野ブロードウェイ漫画専門古書店まんだらけ」を開店する1973年7月号には赤瀬川原平『ねじ式』画期的なパロディ漫画『おざ式』を描く。同年長井勝一山上たつひこ初期の代表作喜劇新思想大系』の単行本刊行に際して山上打ち合わせを行う。この打ち合わせ長井は「あれは面白いけれど、あくまでも大人ものだから喜劇新思想大系』を子供向けにして出版社持っていったら受けるんじゃないか」と山上助言しがきデカ誕生契機作る1976年4月号からは糸井重里原作湯村輝彦作画による元祖ヘタウマ漫画『ペンギンごはん』連載開始蛭子能収根本敬みうらじゅんなど『ガロ出身の作家多大な影響与え1980年代におきるヘタウマブームの嚆矢となる。 その後当時編集部在籍していた編集者であった南伸坊渡辺和博らが一時編集長となり、面白ければ漫画という表現囚われぬという誌面作り提唱(=「面白主義」)した。その結果サブカルチャー総本山的な立場として一部マニア知識者層、サブカルチャーファンなどに一目置かれる。しかし1980年代には、バブル景気金余り世相ありながらガロ』の部数実売3000部代まで落ち込み神田神保町明治大学裏手材木店の倉庫二階間借りして細々営業する経営難経験するこの頃になると社員ですらまともに生活が出来ないほど経営が行詰まっており、完全に単行本の売上によって雑誌赤字埋めるといういびつな体制になっていた。それでも社員編集者たちは『ガロ以外の媒体から単行本刊行させてくれる作家を見つけ、編集合間営業倉庫在庫出し返品整理をするなどして『ガロ』を支え続けた。また「『ガロ』でのデビュー入選」に憧れ投稿者依然多く部数低迷期にあってもその中から数々の有望新人発掘していった。新入社員も1名募集するだけで、薄給にも関わらず100200名が簡単に集まったという。 1981年に『ガロ』でデビューした特殊漫画家根本敬当時の『ガロ』と青林堂について「妖怪みたいなもんですね。そもそもガロ』って名前自体白土三平さんの漫画中に出てくる妖怪からとられていたんです。ノーギャラなのに、『ガロ』に描きたいって人がわんさかいましたし青林堂社員だって給料安いのに、競争率は講談社とか集英社の比じゃなかったですから」と語っている。

※この「長い不遇の時代」の解説は、「青林堂」の解説の一部です。
「長い不遇の時代」を含む「青林堂」の記事については、「青林堂」の概要を参照ください。

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