原稿料ゼロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 17:05 UTC 版)
ガロ時代から社員すらまともに生活が出来ないほど経営状況がひっ迫しており「万年貧乏」と比喩される程の経営難が数十年以上に渡り続いている。そのため原稿料は「儲かったら支払う」という「公約」のもと、すでに支払いを停止せざるを得なくなっているが、それでも作家や読者など有志の強い支持によって『アックス』は支えられ続けている。雑誌掲載時の原稿料は支払われないが、単行本の印税は分割払いで支払われており、それでアックスの作家陣は初めて収入を得る事が出来る仕組みになっている。 『ガロ』で活動した漫画家の山野一は「原稿料ゼロ」の心得について「ガロというのは何でも描かせてくれるがそれで食っていくのは不可能。普通の雑誌は拘束されるが金はもらえる。これから投稿して漫画家になろうというような人は、好むと好まざるに関わらずこの両極の間のどこかに自分の位置を見つけていかざるをえないという事を知っておいて損はないだろうと思う」と述べている。 『アックス』の作品募集欄には「原稿料は出ません。大変心苦しく遺憾なことですが当分の間は無理と思います。皆様にとっても重要な事と思いますので応募の際にはそのことを充分に考えてから投稿して下さい」とその旨について常に書き添えられている。
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原稿料ゼロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 15:07 UTC 版)
『ガロ』は全国書店流通の商業誌でありながら、「作家性の尊重」という個性重視で非商業的な独自路線が災いし、部数の低迷と万年貧乏の経営難が続いた。そのため1971年以降は原稿料の支払が停止され、『ガロ』は事実上「原稿料ゼロ」の雑誌であった事でも知られる。それでも歴代の作家陣などの精神的・経済的支援と強い継続の声により、細々ながら刊行は続いた。この「原稿料ゼロ」の伝統は青林工藝舎の『アックス』にも引き継がれている。 『ガロ』を強く意識していた手塚治虫の『COM』は『ガロ』のように「原稿料ゼロ」という訳にはいかず、1971年末に廃刊する。後に手塚治虫は長井勝一との対談で「ガロと違う所は売上部数に関係なしといった超然とした態度がとれなかったところですね」と述べている。 『ガロ』の作品募集欄にも「原稿料は出ません。当社としてもたいへん心苦しく遺憾なことですが当分の間は無理と思います。この問題は皆様にとっても重要なことと思いますのでよく考えてから投稿して下さい。」とその旨については常に書き添えられていた。
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