青林工藝舎設立、アックス創刊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 04:48 UTC 版)
「青林工藝舎」の記事における「青林工藝舎設立、アックス創刊」の解説
青林工藝舎は1997年の青林堂内紛騒動で総退社した手塚能理子ら数名の元青林堂社員によって設立された。この社名は長井勝一が「何かあったらこの名前を使え」と生前スタッフに遺してあったものである。 1997年10月9日には「月刊誌『ガロ』元編集部責任編集」を謳った創刊準備号『マンガの鬼』を創出版の協力のもと出版、これが『アックス』のルーツとなっている。1998年1月には青林工藝舎初の単行本となる山田花子の『からっぽの世界』を刊行。2月には『ガロ』の後継誌と称して『アックス』を創刊する。一方で別体制となった青林堂も『ガロ』を復活させるが復刊と休刊を繰り返し、2002年を最後に紙媒体では事実上の廃刊状態となった。 同時期に青林工藝舎も経営破綻寸前まで会社の経営が落ち込み、数多くの作家や有志の支援により青林工藝舎と『アックス』は存続しているものの、「原稿料ゼロ」の状態が長らく続いている。『刑務所の中』『東京ゾンビ』『僕の小規模な失敗』『ジャカランダ』『死んだ目をした少年』『ヘンコちゃんになりたくて』など青林工藝舎から輩出された話題作も『アックス』連載中は原稿料を支払う事が出来ず、連載終了後の単行本化によって作家陣は収入を得ている。 『アックス』を刊行すると毎号、確実に赤字となるため、旧青林堂時代の単行本の復刊、『ガロ』『アックス』作家の単行本の刊行、および大手版元が見落とした、出し渋った、あるいは出せなかったカルト漫画の復刊や刊行など、サブカルチャー系の単行本の収益などで糊口を凌ぐ不安定な経営状態が続いている。刊行本は初版2千部、多くて3千部程度しか刷らないため、一部の書店や漫画専門店でしか販売されておらず、一般書店では手に入りにくい状況が続いている。
※この「青林工藝舎設立、アックス創刊」の解説は、「青林工藝舎」の解説の一部です。
「青林工藝舎設立、アックス創刊」を含む「青林工藝舎」の記事については、「青林工藝舎」の概要を参照ください。
- 青林工藝舎設立、アックス創刊のページへのリンク